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44話 事の真相…【湊視点】

手伝いを頼まれていたバイト先に入る前に大澤君と話をしようと思い少し早めに到着した。


「瑞穂さんこんにちは!大澤君って今居ますか?」


「早かったわね。千尋に用事なの?自分の部屋に居ると思うから行ってみて」


「分かりました、それではお邪魔します」


瑞穂さんの了承が取れたので大澤君の部屋に向かう。

扉をノックすると中から入っていいと言われたので言われた通り中に入る。


「今、大丈夫だった?バイトの前に出来れば話しておこうと思って」


「ああ、俺の方は暇だから全然構わない」


「それで…早速なんだけど大澤君の話って何?」


「ああ、でもその前にお前なんでまだその格好してるんだ?気になるからそっちから先に話してくれ」


「ああ、そっか。いや、学校にはもうバレただろうから諦めるとしても学校外の人から声かけられたくないから。なんか自慢してるみたいに聞こえるかもだけど、そういうわけじゃなくて…。上手く言えなくてごめん」


「ああ、そう言う事か。確かにあのままってなると色々めんどそうだな。俺もその方が賢いと思うぞ。なるほどな、理解した」


どうやら伝わったらしい。僕はモテますアピールみたいで、言うのに気が引けたけど杞憂に終わったらしい。


「それで、大澤君の方の話って何?」


「ああ…気分悪い話なんだけどお前には知っておいて欲しくてな」


大澤君の顔が苛立ちを隠しきれていない。なんだろう…聞くのがすごく不安だ。


「分かった、話してくれるかな?」


「こないだの文化祭の演劇の時のヤジな?あれ言ってたの…実は大野とその友達なんだよ」


「え…?大野君はあの日…体調が悪くて休んだはずじゃ…」


「ああ…学校にはそう言って休んだんだが、実際は元気だったんだよ。あいつ、前に広瀬に告白して振られてるんだよ」


「大澤君…その事よく知ってたね?」


「ん?驚かないってことはお前も知ってたのか…」


「そうだね、少し前に広瀬さんに聞いたから…」


「そっか…。で、話を戻すが大野はその事をずっと根に持っててさ?あ、先にちょっと言っておくが、あいつ来週早々に引っ越し決まってるらしくてさ。先生にはギリギリまで言わないで欲しいって口止めしてたんだよ。それで、もう人間関係壊れていいからってこないだの馬鹿みたいな事を思いついたらしい…」


なんと自分勝手な奴なんだろう。そのせいで広瀬さんは泣いたのか…クラスの皆も嫌な気持ちにさせたのか…。

なんてふざけた話だ…流石に僕も頭にきた。


「大澤君が…大野君に問い詰めたの?」


「ああ、あの日大野に気づいたのっておそらく俺だけだろうから。この話はクラスの誰も知らない」


「誰も…?そっかそれは良かったよ」


「どうする?クラスの奴らにこの話するか?」


彼がとんでもない事を言い始めたので慌てて止めに入る。


「いやいや、言うのはダメだ。この件は、出来たら広瀬さんの耳には入れたくない…。知ってしまったら、彼女責任感じてしまうだろうから…」


「ああ、その可能性があったからまだ口外してなかったんだよ。大野についてはどうする?」


「ん?大澤君の事だから散々脅しまくったんでしょ?」


「おい…その言い方…なんか人聞きが悪いぞ」


「ごめん、つい本音が…じゃなくて大澤君がしっかり言ってくれただろうから僕からは何もないって事が言いたかったんだよ」


「そうか?まぁ、それなら…いいけどよ…」


「大澤君色々ありがとう。真っ先に教えてくれて助かったよ、本当にありがとう」


「ふん…こんぐらいどーって事ねえよ」


何だか少し照れている。お礼言われ慣れてないのがよく分かる。


「それでよ…そのお礼にって訳じゃねえんだけど、ちょっと頼みがあってな…」


大澤君が心底申し訳なさそうな顔でそんな事を言ってくる。

僕としては、お礼したいと思ってるのでむしろ好都合なんだけどね。


「僕に出来る事であれば遠慮なく言ってくれて構わないよ」


僕の返事を聞き彼が悪い笑みを浮かべた。


「おお、そっか。いや、あのさ?こないだの文化祭…俺の母親も見にきててよ…。お前が今度バイト入る時は素顔で接客する様にお願いしてと頼まれてな…」


「え゛…?」


「さっきお前がその格好している理由聞いたから、頼みにくいなって思ってたんだが、そうか聞いてくれるか…悪いな助かるよ」


それは…かなりまずい事態だ。音羽と広瀬さんに万が一見つかろうものなら僕に明日はない。

ここは素直に断わ…


「俺、オッケー出たって言ってくるわ」


そう言って大澤君は勢いよく部屋を出ていた。

ああ…これは断れない…。大丈夫、バレなければいい…バレなければ…。

カツラと眼鏡を外してバイトに入る準備をする。

お店の方に入ると、早速オーダーを取りに行くように瑞穂さんに指示される。


「いらっしゃいませ!!ご注文はお決ま…」


「湊…?どうしてその格好してるのかな…?」


「返答によっては命ないからね」


広瀬さん…命がないは流石に言い過ぎだと思うのですが…。


2人がこの場に居た事で、僕のこの後の未来は明るくないものとなる事が確定した瞬間だった。

お待たせして申し訳ございませんでした。色々忙しくてなかなか書けませんでした。

冴えない男じゃなくなってきたのでタイトル詐欺な感じがしなくもないなとか思ってたりします。


いつも読んで下さってありがとうございます。

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