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24話 これが僕の家です【湊視点】

昼食が終わり、2人がショッピングをしたいとの事なのでデパートに来た。


とは言っても、今僕は1人でいる。

別行動していて、マッサージチェアーで寛いでる。


食べ過ぎて、動きたくないのだ…。


結局、彼女は昼食にほとんど手をつけなかった。

あんなに少食だったイメージがないので、もしかしたら口に合わなかったのだろうか…?


マッサージを受けながらそんな事をぼんやり考えていたのだが、もっと考えなければいけない事があったのをふと思い出してしまった。

彼女が来たという事は、こないだ言われていた事にきちんと答えないといけない。


僕が『挙動不審なフリをしてる理由』についてだ。

一言で表すなら人間嫌いって事になる。

僕は極力人と関わりになりたくない…。

だから容姿に対して無頓着で挙動不審という武装をする事にしたのだ。

それが、の僕。これで納得してくれるだろうか?いや無理だろう、詳しく聞いてくるだろうな…。

はぁ…1ヶ月前ぐらいまで上手くやれてたのに。

僕は大きな溜息を吐いた。





2人の買い物が終わったと連絡がきたので待ち合わせ場所に向かう。

出会ってすぐ……笑顔で荷物を差し出してくる音羽。

僕が呼ばれた二つ目の理由を理解した。

音羽が広瀬さんに、僕に荷物を持ってもらうように促がしているのだが、彼女はそれを拒否していた。

彼女はどうやら良識があるらしい…。

音羽にも是非見習って欲しいと思う。

だが、このまま彼女の荷物を持たないという訳にはいかないだろう。


「広瀬さん、そのぐらいの量なら気にしなくてもいいよ。でも、僕に荷物を触らせたくないとかなら無理にとは言わないけど…」


少し意地悪な言い方になってしまったかもしれないが、おそらくこれぐらい言わないと彼女が遠慮しそうな気がした。

前はこんな気の回し方をする必要なんてなかったのに…あの日以来彼女はずっとこんな感じで、どこかおかしい。


僕の言い回しが功を奏したのか、彼女からも荷物を受け取る。

2人の一歩後ろを歩く僕は、周りから見たら2人にこき使われてるパシリの男って感じなんだろうな。

殺気立った視線が生暖かい視線に変わったような気がしたのはおそらく気のせいではないと思う…。


『両手に花』より『両手に荷物』の方が、僕の精神的にはありがたい。

べ、別に負け惜しみとかそんなんじゃないからな…。



「えっ…!?こ、ここなの?」


のんびりと駅前から家に帰ってきたのだが、目的地に着くや彼女が驚きの声を上げる。


あ…うん。どう見てもおかしいよね。

僕の家は、近所でも時折話題にされているらしい。

土地の大きさと家の大きさが釣り合っていないのだ。

この辺りは少し前に分譲された住宅地なのだが、僕の親は横並びで5区画分の土地をまとめて買ったのだ。

その5区画の真ん中に僕たちの家があるのだが、5区画分を塀で囲っている為土地の大きさの割に家がとても小さく見えて、見事なまでのアンバランスさを演出している。


5区画とか普通買わない?僕もそうだと思うが、これには理由があるらしい。

僕の親の家が真ん中、その左右に僕と音羽の家の為の土地。その横に僕達の結婚相手の親の家の為の土地…。

それを理由に土地を買ったらしい。

僕や音羽が地元にいるかも分からないし、もしそうなったとしても相手の親にだって都合がある。


あくまで、そうなればいいな…ってだけでこれだけの買い物をしてしまったのだ…僕の両親は。


出かける前は居なかったがおそらくお袋も帰っているだろう。


女三人寄れば『姦しい』


って言葉がある。きっと、騒がしくなるだろう、いや…確実になるな。


はぁ…。これからの事を考えると頭が痛い。

そして何より親父よ……急な出張ってなんだっ!?


ここには居ない親父に対して、心の中で恨み言を叫んだ。

いつも読んで下さってありがとうございます。

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