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Blue Ridge Saga —クリスタニアの過去  作者: おーがすてぃーぬ


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7/25

重なりはじめる朝ーそれぞれの場所で

まだレジェンディアが現役だった頃、知らない間にそれぞれが近づいていました。

翌朝。


目を覚ました日向は、グラスに水を注ぎ、そのまま窓の外へ視線を向けた。朝の光に洗われたニューヨークの街は、昨夜とは別の顔を見せている。


ふと、ホテルの正面にあるカフェテラスに目が止まった。


リヒトがいる。


テーブルに腰掛け、コーヒーを手にしている姿は、それだけで人目を引くものだった。店員が笑顔で声をかけているのも無理はない。


日向は無言のままそれを見下ろし、わずかに眉を寄せる。


腕はいい。だが、と思う。


女が絡めば、ただの男に過ぎん。


心の中でそう切り捨て、グラスを口に運んだ。


そのとき、背中にやわらかな温もりを感じる。


振り向かずとも分かる。回された腕に、日向はそっと手を重ねた。


「起きたのか。もう少し休んでいてもよかった」


落ち着いた声だった。


「いつも……待たせてごめんなさい」


かすかに掠れた声が返る。


日向は目を閉じる。


「気にするな。君には責任がある。それを優先すればいい」


それ以上は何も言わなかった。



同じ頃、ニューヨーク支社ではクリスタニアの受け入れに向けた手続きが進んでいた。


「今日のレジェンディアの入港、変更はなさそうか」


「ないな。多少VIPが乗っているくらいだ」


「了解。じゃあ、この後はブランチにするか」


軽い調子のやり取りが続く。だが、その裏で動いている準備は着実だった。



ニューヨークへ向かう一隻の船。


レジェンディアは、静かな海を進んでいた。


海のようなネイビーの船体が朝の光を受けて輝いている。


そのデッキで、ひとりの女がコーヒーを手にしていた。潮風を受けながら、ゆったりとした時間を過ごしている。


やがて、部屋のドアが開き、男が姿を現した。


「ニューヨークに着いたら、どうされますか」


女は少し考えてから答える。


「ゆっくりしたいわ。少し疲れたみたい」


男は穏やかに頷く。


「まだ時間があります。もう少しお休みになっては」


「そうするわ」


女はそのまま男の肩に身体を預けた。


男は何も言わず、そのまま支える。



それぞれの場所で、別々の時間が流れている。


まだ交わることはない。


だが確実に、同じ方向へと進んでいた。


すべてが一つになるのは、もう少し先のことだった。

少し大人な恋の回でした。


レジェンディアの物語は

「レジェンディアより愛をこめて」でお読みいただけます。

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