表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Blue Ridge Saga —クリスタニアの過去  作者: おーがすてぃーぬ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
39/48

神前式ー社長夫妻と晴海沖

神前式、いいですねぇ

古びた神社に、黒塗りの車がつけられた。


降りてきたのは、日向キャプテンと富士崎社長だ。

日向キャプテンは、気遣うように手を差し出し、社長はそっと手を取った。


朱色の大きな傘が掲げられ、本殿へと進んでいく。


(長かったな…。だが、悪くない。)


境内の澄んだ空気を吸い込みながら、日向キャプテンは口元を緩めた。


奥まで進むと、恰幅のいい神職が出迎えた。


「葵一郎さん、桜さん。おはようございます。昨夜はよく眠れましたかな?」


神職の足元には、どこから来たのかふわふわの茶色い子犬が駆け回っていた。


「お陰様で、よい朝です。早くからで恐縮ですが。」


日向キャプテンは頭を下げた。


「どうぞ、お気になさらず。ささ、中へお進みください。」


子犬は、中に入りたそうにキャンキャンと吠えていたが、巫女たちに抱き抱えられ社務所に連れていかれた。

富士崎社長は、そんな様子に微笑んだ。


「可愛いわ。どこから来たのかしら。」


すると、日向キャプテンが立ち止まった。


「桜、見ろ。クリスタニアだ。」


富士崎社長は、驚いて本殿の中を覗いた。


そこには、大きな美しい装飾の白いパネルに入れられた、クリスタニアの写真があった。


「ご神職、これは…?」


「ホホホ。この船はお二人の娘のようなものだとか。ご親族ならばご列席は当然でしょう。」


そう言って神職は、クリスタニアのパネルに礼をした。


日向キャプテンと富士崎社長は、思わず顔を見合わせた。


そして、式は始まった。


神楽の音、祝詞を読み上げる声。

静かに、そして、厳かに式は進んだ。


本殿の外では、総務部と秘書課の社員たちが、目を潤ませながら式を見守っていた。


「長かったなぁ…。」


「ホントですねぇ。胸いっぱいです…。」


「そろそろ式が終わるぞ。晴海まで15分、埠頭までの移動で5分ってとこだ。クリスタニアに連絡しろ。」


その頃クリスタニアは、晴海埠頭の入り口付近で、隠れていた。


厳密にいえば、埠頭から見えないように他船の陰にいたのだが、夫妻の神社出発に合わせて、着岸出来るよう、ありとあらゆる調整がなされていた。


「いよいよだねぇ!!ワクワクする!そういえば、僚船は誰だい?」


「フェリーっすね。スターフラワーのスノーダンサーです。ドック行く前に本社で調整があったみたいで。万国旗飾っといてくれるそうです。」


「オッケーだ!挨拶しなくちゃね。さて、そろそろカバーを外しておいてくれ。フラワーシャワー部隊はスタンバイだ。」


カバーが外されると、朝日に白薔薇が煌めいた。


それを見ていた、BMMフェリー、スノーダンサーでは、クルーたちから歓声があがった。


「見て!超綺麗!」


「うわぁ♡お姫様みたいですっ♪」


「なっちゃんは、初めてだもんね。本社クルーズ客船見るの。」


「はい!!初めて見た日が、社長の結婚式の日だなんて、とっても素敵ですっ♪」



この時、日向キャプテンは知らなかった。

実の娘が、すぐそこにいたことを。


運命が重なるのは、もう少し後のことだ。

クリスタニア本編お読みの方はお分かりかと思いますが…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ