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Blue Ridge Saga —クリスタニアの過去  作者: おーがすてぃーぬ


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25/30

おうちに帰りたいーいじめっ子タンカーとちびっこバルカー

この男だけは怒らせてはいけません…

さらに数日が過ぎて紅海入り口に到達したクリスタニア。無線には様々な音声が入り始める。


その頃、バルクキャリアのリトルベアは、超大型タンカーたちに睨まれながら紅海の隅で震えていた。


“…I’m scared… I want to go home… I want to see everyone…”

(怖いよ……おうちに帰りたい……みんなに会いたい……)


リトルベアは、帰りを待っているであろう整備や荷役の係員たちの優しい笑顔を思い出していた。


一方、クリスタニアはリトルベアを探していた。


「リトルベアを探すんだ。」


“Little Bear, this is Cristania. Do you read?”

(リトルベア、こちらクリスタニア。聞こえるか?)


「栗栖、反応はどうだ?」


フレデリクが尋ねる。しかし栗栖は険しい顔のままだ。


「混線してますね…ん?…あ、見つけた…」


“Little Bear, respond. This is BMM Cristania.”

(リトルベア、応答せよ。こちらBMMクリスタニア)


“This is BMM Little Bear… Cristania, help me! I’m scared… I want to go home…”

(こちらBMMリトルベア……クリスタニア、助けて!怖いよ……帰りたい……)


ルイはすぐに応じる。


“Calm down. You will make it home.”

(落ち着け。必ず帰れる)


“But we cannot take you with us. We have to lead the VLCC convoy.”

(だが我々はVLCC船団を率いなければならない。君を連れてはいけない)


“…Then what should I do?”

(……僕はどうすればいいの?)


“Head for Gibraltar. Legendia is there. It’s safer for you.”

(ジブラルタルへ行くんだ。そこにレジェンディアがいる。そっちの方が安全だ)


“…But I’m scared…”

(……でも怖いよ……)


“You’re not alone.”

(君は一人じゃない)


フレデリクは、本社にリトルベアが紅海を出るまで監視をするよう伝える。


本社はすぐに応答した。


『こちら本社運航管理部。リトルベア、ジブラルタルへ向かいレジェンディアと合流しろ。こちらで見ている。安心しろ』


“…Roger! I’ll try! Thank you, Cristania!”

(……分かった!やってみる!ありがとうクリスタニア!)


「リトルベアの動きを見ていてくれ。」


ルイは指示を出した。


クリスタニアと本社は、小さなバルクキャリアの動きを見続けた。しばらくしてリトルベアは、ようやく動き出す。


しかし無線では、荒い声が飛び交う。


“Move it, you little junk!”

(邪魔だチビ!どけ!)


“You wanna get hit?!”

(ぶつけられてぇのか!)


ルイはチャンネルを広域に切り替えさせる。


“Cristania to all vessels. Any harassment toward smaller vessels is unacceptable.”

(こちらクリスタニア。小型船への威圧行為は容認しない)


“Little Bear is a BMM vessel. We have your names and registry.”

(リトルベアは我が社の船だ。貴船の情報は把握している)


“Do not obstruct her passage.”

(航行を妨げるな)


すると別の声が割り込んだ。


“Cristania? A brand-new horse acting like flagship?”

(クリスタニアだと?新造船が基準船気取りか?)


“Go eat grass, white horse!”

(草でも食ってろ!)


そのやり取りは本社運航管理部と、日向キャプテンにも届いていた。


みるみるうちに日向のこめかみに青筋が浮かぶ。

運航管理部は顔面蒼白になった。


日向は静かに回線を開く。


「クリスタニア。本社日向だ…クリスタニアの指示に従わない船舶は置いていけ。最優先は協調運航船団だ。」


タンカー部門やバルクキャリア部門は必死で取り成す。

「お待ちください!日向キャプテン!どうかお許しを…!」


日向は振り返り、ギロリと睨みながら低く言い放つ。


「……我がグループの旗艦を侮辱した船を守る義理はない。」


『こちらクリスタニア。了解。日向キャプテンの指示を受領した。』



ルイは口笛を吹く。

「いやぁ、聞きしに勝る恐ろしさだねぇ。」


栗栖は肩をすくめた。

「またやりおったわ。今頃タンカー部門もバルク部門もちびっとるやろな。」


本社では怒号が飛ぶ。

「バカ者!!二度も旗艦を侮辱するとはどういうことだ!!お前たちは協調運航には加われない!自力で帰還せよ!と日向キャプテンはお怒りだ!」


その頃、本社気象モニターには、喜望峰付近に渦巻く低気圧がはっきりと映し出されていた。

リトルベアはクリスタニアに背中を押され、ジブラルタルに向けて航行を開始します。


リトルベアとレジェンディアの協調運航エピソードは、レジェンディアより愛をこめてでご覧ください。

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