愉快だ——それは支配だった
クリストファーの悪逆ぶりが光ります
BMM本社が大混乱に陥っていた頃。
DMCのクリストファーは、アメリカにいた。
夜のマンハッタン。
超高層階の一室で、街の光が静かに揺れている。
ガウンに身を包んだクリストファーは、ソファーに深く身を預け、ワインをゆっくりと傾けていた。
わずかに汗ばんだ肌が、つい先ほどまでの時間を物語っている。
「これで分かったか」
低く落ちた声は、恐ろしく冷たく明確な支配が宿っている。
「最初から大人しくしていれば、これほど手酷くせずに済んだものを」
わずかに口元が歪む。
「だが、安心しろ」
グラスの中でワインが静かに揺れる。
「お前の健気さに免じて、船は残してやる」
一瞬だけ視線が窓の外へ流れる。
「俺の言う通りにしていれば、存続させてやろう。」
グラスをテーブルに置き、クリストファーは立ち上がった。
ゆっくりと扉へ向かい、何の躊躇もなく開く。
そこにいたのは、黒いドレスに身を包んだヴィクトリアだった。
「お気は済みまして?」
静かな声だった。
「あぁ、とても愉快だ」
クリストファーはわずかに笑う。
「見せたいぐらいだった」
ヴィクトリアは一瞬だけ視線を細める。
「あたくしに、そんな趣味はありませんわ」
その言葉にも、感情の揺れはない。
クリストファーは気にも留めず、歩みを進めた。
「さて、ラフィアン。祝杯といこう」
軽く振り返ることもなく続ける。
「これで、あのコラールラインも我が社のものだ」
ヴィクトリアは静かに近づき、その腕に身を預ける。
だがその表情は変わらない。
浮かべているのは、冷たい微笑みだけだった。
ヴィクトリアとの関係は、頭を何回捻っても謎です。
コイツクソじゃん、と思った方はそれからのクリスタニア最新話はどうぞ




