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Blue Ridge Saga —クリスタニアの過去  作者: おーがすてぃーぬ


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12/29

一等航海士見つかりました—ただし常務の夫です

大人の恋愛かと思いきや、BMM本社は運動会に。


クリスタニアが結局一番偉いBMMです。


それではどうぞ

リヒトがレジェンディアとの日々に戻って一年ほど。

その間に新造船ルナディアとロゼリアの建造と並行して、クリスタニアの改修も急ピッチで進められる。


スムーズには見えたが、本社では未曾有の人手不足に陥っていた。

ロゼリアとルナディアはともかく、クリスタニアは人を選び過ぎるため、乗せられるクルーが限られていたからだ。


社内の全てのクルーを集めても、クリスタニアが許したのは一等航海士を含めても三十人ほど。

試験航海のために必要な人数には程遠い。


本社は人材確保のため、各地を飛び回ることになった。

それなりに人は集まるものの、一等航海士だけが依然として足りない。


クルーズ部門は、運航管理部からもせっつかされ、頭を抱えていた。




「無理無理ー。DMCみたいに出来ないもん、無理だよー。」


「どっかに転がってないかなー、一等航海士ー。」




部下たちの悲鳴を聞きながら、エリコはため息をつく。


「泣き言言わないで!女王様が不機嫌になるわよ!」




分かっている。

だがどうにもならない。


各地に飛ぶ社員たちの報告は、どれも朗報には程遠かった。




エリコはパソコン画面を見るのをやめて、天を仰いだ。


そのときだった。




「エリコー!差し入れ持ってきたよ。皆おなか空いたでしょ。」




エリコの夫、ルイだった。




エリコは夫の顔をじっと見つめる。


「どうしたんだい?そんな難しい顔して」




「……いた!!」




「一等航海士見つけたわ!」




「ね、ルイ。あなたのライセンス、まだ切れてないわよね?」




「急になんだい?もちろんだよ。」




ルイは意味が分からずきょとんとしている。




エリコは駆け寄って夫の手を握った。


「ねぇ、クリスタニアに乗ってくれない?」


「とても気難しい女王様で、扱える一等航海士がいないの!お願い!あなたならきっと女王様が気にいるはずよ!」




妻の必死のお願いに、ルイはカラッと笑った。


「なぁんだ、そんなことか。」


「任せてよ。この世で一番気性難なのはノースレイジアのフェンリルだけさ。」




ルイはウィンクをして引き受けた。




その様子を見ていた社員の一人が、日向キャプテンの執務室へ駆け出す。


息を切らせて飛び込んできた社員に、日向は驚くが、


「どうしたんだ。運動会でもしてるのか?」


と尋ねる。



「ひ、日向キャプテン!一等航海士が見つかりました!!」




日向は椅子を蹴って立ち上がる。


「どこの誰だ?」




「じょ、常務のご主人ですっ!ライセンス期限も切れていませんし、エリコ常務の旦那様なので、ビザも問題ありませんっ!!」



「総務と運航管理に連絡しろ!」


「最速で手続きを済ませろとな。期限は一月だ!急げ!」




社員は息を整える間もなく駆け出す。


総務も運航管理部も、大慌てで動き出した。


もはや前時代のオフィスのように怒号が飛び、社員たちは駆けずり回る。




日向キャプテンは、ドックにいる社員に連絡を入れる。




「二ヶ月後に進水させる」




知らせを受けたドックは、飛び上がった。


何はともあれ進水させようと、すべてが早送りになったように駆け回る。




ルイは、あれよあれよという間にBMMの制服を着せられ、1ヶ月半後にはシンガポールへ飛ばされた。

BGMは運動会シリーズをオススメします。


後日、鬼のような日向キャプテンの采配で、超速でクリスタニア様が晴海にお出ましになります。

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