ロイド12
俺たちはエミリーのおかげで無事に作戦を成功させることが出来た。
「よくやった。これで敵の新兵器を破壊出来た。次回の戦闘からは、こちらが有利に進めることが出来るだろう」
「俺のストーンブラストでどんどん敵を倒してやりますよ」
「そうだな。敵の新兵器が無くなった以上、お前のストーンブラストが最長射程を誇るだろう。新しい大砲が来るまで、ロイドを中心として戦線を押し上げる」
今回の事もあってストーンブラストの価値が上がった。俺みたいに新兵器の杖を使わなくても、既存のストーンブラストを同じように使用することで、俺ほどではないが大砲並みに飛ばせることが分かった。ただ、威力は大砲には全然かなわないので、大砲は大砲で利用価値が高い。
「ずっと膠着していたこの前線を押し上げるチャンスだ。だが、恐らく敵の拠点も控えているだろう」
こちらに頑丈な基地があるように、敵もきっと基地を構えているはずだ。ただ、向こうにはアースウォールの様な防衛に優れた魔法が無いので、ある程度落としやすいと思われている。
ただ、地の利は敵にあり、高所から炎弾を撃たれるだけでこちらからストーンバレットを当てる事は不可能になる。だから、ストーンブラストの出番があるというものだが。
「恐らく近日中に、向こうがもう一度超長距離用の杖を作る前に攻めろと命令が下るだろう。というか、言われなかったら俺が進言するが。お前たちもそのつもりで心づもりをしておけ」
「了解です」
俺たちは久しぶりの勝利を感じながら、その日は少し贅沢な食事を取ることにした。基本的に嗜好品は量が無いから高価だが、今日ぐらいはいいだろう。珍しく酒を飲むことが出来る許可が下りたし、久しぶりにワインを飲む。
「プハー、生き返る! 泥酔するほどは飲めないが、久しぶりのワインは格別だ! どうだ? エミリーも飲むか?」
「私は飲んだことが無いので・・・一口だけ貰ってもいいですか?」
「ああ、いいぞ」
俺はエミリーのコップにワインを少し入れてやる。エミリーは一口目は舐めるように少量だけ口に含み、次にもう少し多く含んで飲み込む。
「・・・おいしいですね、これ」
「おっ、初めてなのに酒のうまさが分かるのか。じゃあ、お祝いだ、もっと飲め」
「はい、いただきます」
俺はエミリーのコップになみなみとワインを注いでやる。それをエミリーは一気に飲み干した。
「おいひいれす、もっとくらはい」
「もう呂律が回ってないじゃないか。自分の飲める限界が分かっていないんだから、もうやめとけ」
「もっとくらはい!」
「あっ、おい!」
エミリーは、俺のワイン瓶を奪うと、そのまま直接口をつけて飲み干した。
「うー、あっついです」
「ちょっ、エミリー! 脱ぐな!」
「だって、あついんれすもん」
エミリーは上着を脱いで薄いシャツ1枚になる。思ったより豊かな胸部があらわになり、マシューがガン見している。
「ましゅーくん、なにをみてるんでふか。きみもぬぎたまえー」
「ちょ、エミリーさん、やめてください!」
「おらー、ぬげー」
エミリーはマシューの服を無理やり脱がした。どこにそんな力があるのか、マシューの抵抗もなんのその。マシューはすでに涙目だ。
それ以降、俺はエミリーに酒を飲ませてはならないと誓う。次の日、昨日の記憶が全くなくけろっとしたエミリーと、全裸にされて尊厳を失ったマシューの姿が対照的だった。




