表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦争 デス・ファンタジー・サガ  作者: 斉藤一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/48

マシュー2

 俺は配置に着いた。もうしばらくしたら、囮のパーティが魔族側へと攻め込むはずだ。

 

「見ててください、エミリー先輩。俺、絶対にやり遂げます」


 俺はエミリー先輩への思いを確かめる。一目ぼれだが、この思いは本物だ。確かに戦場では女性兵は少ないし、可愛い人はさらに少ない。そんな中、俺みたいな新兵はお金もないからアピールする機会が少ない。だから、俺は自分の価値を上げるためにこの高難易度の任務に手を挙げたのだ。

 俺は草を編み込んだ布をかぶり、戦端が開かれるのを今か今かと待つ。これだけ暗ければ、正直敵味方どころかどこに向かうのかも変わらなくなりそうだが、俺には暗視がある。


「ナイトヴィジョン」


 今まで全く見えなかった暗闇が、ランプで照らしたくらいの明るさで見えるようになる。数百メートルはさすがに見えないが、数十メートルは見える。普通の人なら数メートル先しか見えないだろう。

 しばらく待つと、アースウォールを唱える声が聞こえてくる。呪文は声が小さすぎると発動しないので、こういう隠密では呪文が使えない。だから俺は先に使ったのだ。だが、これは発動している間にどんどん魔力を使うので、余り余裕はない。

 今頃、臨時で作ったアースウォールを盾にして魔族側へストーンバレットを撃ち込んでいる事だろう。

 敵側からの応戦が始まった。敵の魔法は夜間で目立つため、俺はそれを目印に建物へと近づく。味方は俺を攻撃に巻き込まないため、ほどほどの所で退却するはずだ。


「よし、裏へ回り込めた」


 俺は建物の壁に張り付きながら、建物の入口へ向かう。建物内に明かりがついていないから、中は恐らく無人だが、さすがに入口は2人の兵士が守っていた。


「ストーンバレット」


「ぐっ!」「うっ!」


 俺は一人の首をナイフで刺し、さらに同時にストーンバレットをもう一人に撃ち込む。これで建物の入り口に立っていた兵士を排除することに成功した。

 俺は素早く建物内へと入る。


「ナイトヴィジョン」


 ストーンバレットを使った時に途切れた暗視を再び使って建物内を確認する。建物内は武器庫の様で、杖や装備等が置かれていた。その中で、見たことのない物があった。


「なんだこれ、異常に長い杖だな。こんなの、戦場じゃ見たことが無いぞ」


 長さが数メートルあり、試しに持とうと思ったけど、思ったよりも重かった。


「これは持ち帰れないな・・・」


 できれば実物を持ち帰りたかったけれど、さすがにこれを持ち帰ると目立ちすぎる。それに、持てないことは無いがかなり重いので、これを持って走って帰るのは不可能だろう。これもいい情報になる。


「そろそろ戻ってきそうだな」


 戦場の方の気配を読むと、どうやら戦闘が終わったようで魔族達が帰ってくるようだ。入口の兵士が倒れているので、俺がこの建物に入ったことがバレるだろうが、仕方がない。

 俺は来た時と同様に、草を編み込んだ布をかぶると建物の裏で待機する。今すぐ自陣へ戻ると、警戒した兵士たちに見つかりやすいだろう。だから、2時間ほど経って警戒が解けてから帰るつもりだ。

 敵陣の近くでじっと静かに待つのは緊張するが、獣を待つのに数時間動かない事がざらな狩りを思えば、不可能ではない。俺は少し日が昇って明るくなる寸前まで身を潜めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ