ロイド
俺は工兵のロイドだ。前の作戦の時に、うちのパーティのリーダーが戦死した。そのため、俺のパーティはそのまま他のパーティに編成されることになった。俺の居たパーティは、リーダーと俺と新人3人だ。そのうち、リーダーと新人が死んだので俺と新人2人がそのまま引き継がれることになっている。俺達はアランウォールのパーティへ編入されることになっている。
「よろしくお願いします!」
俺たちはアランウォールのテントで顔合わせをした。向こうはアランリーダーと、ヒーラーのエミリー。アランリーダーの階級はウォールの3等で、エミリーはアレイの2等だ。俺は工兵のベテランだからアレイの1等だ。もう少し功績があればゲートとなり、リーダーにもなれただろうが、作戦の失敗で功績は消えた。新人2人はアレイの3等だ。
「今日はとりあえず顔合わせだけだ。エミリー、ロイドといろいろと打ち合わせしておけ」
「分かりました」
アランリーダーはそう言うと、俺達をテントから追い出した。俺たちはテントから少し離れた場所で会話することにした。
「改めて、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。さっそくですけど、ロイドさんの方が私よりも階級が上なので、私に敬語は不要です」
「まあ、俺の場合は癖みたいなものなので、気にしないでください」
俺とエミリーで大体の通常作業の情報を共有した。ほとんどどこのパーティでもやることは大体同じなので、それほど時間をかけずに引き継ぎは終わる。
「違うことはありますか?」
「私も着任してそれほど経っていないので詳しくはありませんが―――」
そう言ってエミリーは普通のパーティと違う点をいくつか教えてくれた。まあ、その辺もアランリーダーの噂を聞いていたので知っていたが。
「あ、あのっ、エミリーさんは彼氏とかいますか!」
「おい、初日に何を言うんだ。失礼でしょう」
「構いませんよ。私に彼氏は居ませんし」
「どういう男性がタイプですか!」
「どんな苦境でも死なない人、ですかね。好きな人が死ぬのは辛いんですよ」
「俺、絶対に死にませんよ!」
「そこまでにしておきなさい。彼女も困っているでしょう?」
前線では女性が少ないため、新人ががっつくのは分かる。けれど、恋愛に発展しては困る。余計な感情はプラスに働くこともあるが、大抵はマイナスに働くことの方が多い。実際、死ぬのが嫌になって脱走する例が多々あるので、脱走計画が判明したら処刑されるのが普通だ。
新人は特に死にやすい。だから、できる限り生き残れるように手助けしたいが、生き残れるかどうかは本人の資質が重要だ。その点、2人の新人は他の新人よりは優秀だと思うが、初の女性とのパーティがうまくいくかどうかはまだ不明だ。




