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異世界戦争 デス・ファンタジー・サガ  作者: 斉藤一


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エミリー8

「確かにこれなら格段にシールドの耐久度は上がると思いますが、その分範囲が狭く実用的では無いと思います」


 私はルークリーダーの小さなシールドの弱点を指摘する。今みたいに撃たれるのが分かっているなら杖先にこのシールドを作る事が出来れば防げるだろう。しかし、どこから弾が飛んでくるか分からない戦場で役に立つ気がしなかった。


「当たり前だ。だが、基本はこれだ。俺の魔力が年とともに減ったから、見せられるのは一度だけだ。しっかり見ろよ」


 ルークリーダーはそう言うと、今の小さなシールドを消した。そして、ふーっと深呼吸すると表情が変わった。


「シールド」


「嘘でしょ・・・」


 ルークリーダーの前に大きなシールドが張られる。耐久度はそのままに、大きさが大きくなっているのだ。これはありえない。シールドは使用魔力が一定の代わりに、防御力も一定だからだ。唯一それを強化する手段がシールドの重ね掛けだったはずだ。その常識からルークリーダーは外れている。


「まさか、オリジナル魔法ですか?」


「ん? だったら教える意味は無いだろ。これは誰にでもできるただのシールドだ」


「嘘です。普通の人にはこんなこと絶対にできません」


「全盛期の時なら、これを全方位に張ることも出来てたんだがな。じゃあ、このシールドの作り方を教えてやる」


「教えて貰えるんですか? これはルークリーダーの奥の手ではありませんか?」


「確かに奥の手みたいなもんだが、味方にまで秘密にする必要は無いだろう。何より、アレクの奴が寄越した奴だ。半端に返すわけにもいかんだろ」


 ルークリーダーは疲れたのか、シールドを消してその辺に座る。


「シールドはイメージ次第だ。だから俺はシールドをいくつも同時に張るイメージでシールドを張った。消費する魔力はその分使うが、俺の折りたたんだシールドは簡単には壊れん。それが前方すべてを守るから、タンクとしては一流になれる」


「そもそも、折りたたんだシールドが作れる気がしないのですが」


「すべてはイメージだ。まずは折りたたんだシールドを作れるように練習だ。実物を見たんだから、頭の中だけで想像するよりも楽なはずだぞ」


 確かに、ゼロから生み出すよりは遥かに楽なはずだ。けど、シールドを折りたたむ? どうイメージしたらシールドを折りたためるのか。


「イメージが難しいか? まあ、別に折りたたむことにこだわる必要は無い。最初からシールドを重ねたイメージが作れれば何でもいいぞ。お前がイメージしやすい形を見せてみろ」


「私がイメージしやすい形ですか・・・」


 確かに折りたたむイメージは難しい。というか、一度板を想像して、そこを折っていくから固くイメージできないし、何より時間がかかる。私はシールドを複数重ねたイメージを作る。


「・・・シールド」


 私の前に3枚重なったシールドが一回の呪文で作れた。確かに、複数のシールドを作るイメージなんてしたことが無かった。


「無難に重ねたイメージか。過去にもそういうのを作ったやつはいたが、それだと普通に3倍の魔力を使うぞ。まあ、範囲は普通のシールドと同じだからどちらがいいかは状況によるが」


「シールド」


 今度は5枚のシールドを同時に張る。これなら、普通の弾なら割れずに防げるだろう。


「そんなに魔力を使ってたら、すぐに枯渇するだろ。お前はヒーラーなら無駄に魔力を使うべきじゃない」


「ご安心ください。魔力は全然使っていませんので」


「本当か? まあ、ヒーラーは魔力が多いやつが多いからな。それじゃあ、次は張ったシールドを移動させる練習だな」


 私は引き続きルークリーダーからシールドの使い方を教わった。

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