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異世界戦争 デス・ファンタジー・サガ  作者: 斉藤一


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アラン2

(マークのやつ、かなり成長しているようだな)


 マークは1年ほど前にパーティへ入った新人だった。パーティへの補充が大抵新人なのは仕方がないと分かっている。ベテランや中堅なんてそのパーティのリーダーが戦死しない限り他のパーティに割り振られる事なんて無いからな。それでも、申請しないと絶対に来ないから申請はするが、ほぼ新人しか来ない。


 新人はすぐに死ぬ。最初の頃はベテランや中堅に面倒を見させていたが、それでも1か月生き延びる確率が低い。教えたことすら守れなくて死ぬ奴や、普通に自力や判断力が足りなくて死ぬ奴がほとんどだ。魔力も低いやつが多いから自分の身も守れやしない。


 ヒーラーの配属希望の申請が通った。これで俺に何かあってもすぐに回復して戦うことが出来る。パーティメンバーに期待なんかできない。それなら、俺がもう一度出陣する方がよほど敵に被害を与えることが出来る。


 そんな中、マークは新人の壁を越えた。マーク以降の新人が全滅しているという事実がある以上、あいつには何か特別な力があるのかもしれない。


 実際、大砲の時に敵の奥深くまで進軍したとき、マークは無事に帰ってきた。リサが死んだのは痛手だが、代わりにマークがヒーラーを連れてきた。そのヒーラーはリサよりも1回ヒールを多く使えるらしい。優秀なヒーラーはどこでも欲しがるから、マークの功績だろう。1回はマークに使ってやれるように指示しておくか。


 敵の英雄が2人も出てきた。英雄と戦えるのは英雄だけだ。英雄に対して一般兵じゃ何の役にも立たん。それなら、敵の雑魚兵が大砲に攻撃できないようにエミリーとマークを大砲の護衛へと回す方がいいだろう。


 思ったよりも大砲の方へ敵兵が攻めていった。ちらっとしか見る余裕はなかったが、マークがどうやらシールドを張って守ったようだ。シールドなんて脆弱な盾は、よほどうまく使わないとあっさりと砕ける。鉄壁のように、使い方によっては脅威になるが、それができるのは魔力の豊富な魔族くらいだろう。その魔族ですら、ほとんどシールドを使わないんだから、人族のシールドなんて紙みたいなものだろう。


 その中で、マークはよくやったようだ。おそらく、持っている魔力をすべてシールドに回して強化したのだろう。普通はそれでもすぐに壊されるが、持ったところを見るとマークにはタンクの才能があるのかもしれんな。


「戦果を上げたいなら俺についてこい。それとも、もう魔力が尽きたか?」


 煽っては見たが、魔力が尽きているならここで置いていくべきだろう。優秀なタンクになるようなら、ここで死なせるには惜しいからな。

 だが、返事は「大丈夫」だった。敵の炎弾をはじけるレベルのシールドを張ってもまだ魔力が残っているときたか。もしかしたら、マークも英雄に成れる才能があるのかもしれんな。

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