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異世界戦争 デス・ファンタジー・サガ  作者: 斉藤一


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エミリー4

「新しく配属されました、ヒーラーのエミリーです。よろしくお願いいたします」


私はリーダーのテント内で、アラン城壁ウォールとマークの2人にあいさつした。


「上も分かっているな。こんなにすぐにヒーラーが補充されるとは思っていなかったぞ。まあ、他に申請していた工兵とタンクは却下されたが」


「こちらこそ、よろしくお願いします!」


「で、リサは2回の回復が行えたヒーラーだったが、お前は何回使える?」


 事前に、私が使える回数を決めていたので、すんなりと嘘をつく。


「3回です」


「3回か。だったら、俺に1回、不測の事態用に1回、あと1回はお前が自由に使っていいぞ」


「はい、ありがとうございます」


マークがギリッと奥歯を噛む音がした気がした。きっと、その命令をリサさんにしてあれば、今頃生きていたかもしれないと思ってるんだろうな。


「早速だが、指令が下った。今回は珍しく、本部から意見を求められた。今ある大砲を使って攻め込むか、大砲が揃うのを待ってから攻め込むか、とな。当然俺は今すぐ攻めるべきだと進言しておいた。大砲が揃うのを敵がのんびり待つわけがない。有利なうちに、攻めるべきだとな。時間がたてばたつほど敵も対策を練ってくるはずだ」


リーダーの言う事には一理あると思う。昨日の戦いを見た限り、魔族が使うメテオよりもこちら側が使った大砲の方が飛距離も威力も上だと思う。詳しくは見てないけど、リーダーが有利だと判断したなら、そうなのだろう。


「そして今日の朝、さっそく突撃の指示があった。今日は攻めるぞ!」


リーダーは、いい笑顔でそういっている。代わりに、マークが青ざめるのが面白い。


「陣形はこうだ。俺が先頭で突撃するから、すぐ後ろをエミリーが付け。最後尾がマークだ。もし、俺が怪我をするようなら即座に俺をヒールしろ。ヒーラーを守るのがマークの仕事だ」


「え。今回は3人なんですか?! 他のメンバーは居ないんですか?!」


「さっき言っただろう? 申請を却下されたって」


「それは工兵とタンクの話で、新人は?」


「新人は要らん。今回は足手まといにしかならんからな」


これはリーダーの言い分の方が正しいかな。今の作戦に新人を入れても、すぐに死ぬだけだと思う。さすがの私も、即死は助けてあげられないし。でも、たった3人で突撃するなんて、それはそれで頭がおかしいと思うけど。普通、こういう時はタンクを前衛にして敵の攻撃を防ぎながらじっくりと進むべきなんじゃないかって私は思う。


マークの話はリーダーに無視され、普通に前線に配置された。宣言通り、リーダーを先頭に、すぐ後ろが私、その後ろがマークね。後ろの方に大砲を守る複数のパーティが居るけど、突撃するのは私たちのパーティを含めてたった3パーティ。普通に戦死コースよね、これ。


「さあ、今日は敵の陣地を大幅に削るぞ! ついてこい!」


リーダーが宣言すると、他のパーティも前進を始めた。なんだかんだ言って、リーダーはこの前線で一番偉いしね。まあ、ランクを笠に着て後ろから突撃命令を下すやつよりはよっぽど好感が持てる。自分が巻き込まれなかったらの話だろうけどね。

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