表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水晶の舞  作者: 藤猫
【第1章】名もなき原石は何を語る
7/8

過ぎ行く日々に戸惑いを見る

そんな生活を送っていたらいつの間にか

私は高校2年生になっていた。幸いにも担任は

去年と同じく柳先生だった。嬉しく思う反面、

今年は去年と同じように先生といられないんだ

という現実に私の気持ちは暗くならざるを

得なかった。


何故なら、柳先生が合唱部の副顧問に選ばれたから。

先生が選ばれたのはたまたまだったみたいで

部員達は皆ビックリしていた。


でもすぐに先生は合唱部に慣れ部員達も顧問の

言う事より柳先生の言う事を聞くようになった

みたいで顧問の伊勢先生は落ち込みを

隠せなかったらしい。

(担当する化学の時間で愚痴を漏らしていた。)


虐待の事もあって1年の時から生徒会にも部活にも

参加していなかった私は放課後に柳先生の所に

行くという習慣を1年の時から続けていた。

先生の担当する数学の質問をする為に。

(本当は先生と雑談をダラダラとしていたいだけ。)


目的地の数学科職員室の扉の前に着き

深呼吸をする。何度も来ている場所だけど

2年生になってからは初めてだった。

私は焦りそうになる気持ちを抑えながら

ノックをする。


「失礼します。日比野蓮です。

 柳先生…いらっしゃいますか?」


震えてしまった声に恥ずかしさを覚えながら

そっと職員室の中を覗く。そして、柳先生の姿を

見つけて勝手にホッとする。


でもすぐに違和感を覚えた。

去年と変わっていないと思っていた職員室が

何か違っていた。


それは雰囲気なのか。それとも空気なのか。


何と言ったらいいか分からないがとにかく

違っていた。余程集中していたのかそこで先生は

私がここに来ていた事に気づいたようで、

私に声をかけてきた。


「蓮?どうしたんだ?そんな所で固まって。」


先生のその声で我に返った私は先生に


「なんでもないです。…先生部活の方は?」と


まるで何も気づかなかったように私は振舞った。

でも、心の中ではこの職員室がどうしてこんなに

変わってしまっているのか分からずに

混乱していて。


だから気づかなかった。


…柳先生が私の顔を悲しそうに見つめていた事に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ