狭き心は災いを呼び
そこで私の心の中は一気に暗く真っ黒に染まった。
でも、熱を出しているせいか顔に出る事は無くて。
私は無意識に安心していた。両親…あの人達と
ただでさえ嫌な状況なのに、これ以上柳先生に
迷惑はかけられない。愛想笑いという名の
【仮面】を被って、朝日先生に返答をする。
「…分かりました。すぐには出来ないかも
しれないですけど帰る準備しますね。
氷枕ありがとうございました。」
柳先生はそう言う私に何か言おうとした。
そこで、運悪く棚の上に置いていたスマホが
着信する。すなわちそれは…【終焉の訪れ】。
その音に先生達2人は黙り込む。
…私は2人の視線を感じながら電話に出る。
耳を近づけなくても聞こえてくる母親の
怒鳴り声に私は溜息をそっとついた。
「…はい。」
「『はい。』じゃないでしょ? 何考えてんの!?
学校にノロノロ行ったかと思えば体調悪くて
今保健室にいる? ふざけんじゃないわよ!!
アンタただでさえ迷惑だっていうのに
これ以上私に手間かけさせないで!!!」
「……ごめんなさい。」
私はその言葉以外言えなかった。だって。
そう言わなければどうなるか分かってるから。
(…どっちにしても変わらないけど。)
私がポツリとそんな事を考えている間にもずっと
叫び続けてる母親。それを聞く私。これが私達の形。
母親が「…もう良い。」と言うまで先生達は
黙ってくれていた。凄く助かった。
ここでもし声を聞かれでもしたら…
このあと来る【罰】は倍になっていただろうから。




