これまでのまとめ ―― エア四層編に向けて
これまでのまとめ ―― エア四層編に向けて
三層の「対の迷宮」を経て、六人目としてスルが正式加入し、これまで押し戻され続けてきた扉が、ついに開かれた、いま。
ここで一度、ノア編からの歩みと、パーティの現在地を整理しておきたい。
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ノア編、簡単なあらすじ
物語は、迷宮都市の冒険者ギルドに登録した四人――カイン、ダダ、ネリス、ノリア――が、最も開放された迷宮「ノア」に挑むところから始まった。
浅瀬から分岐廊下、五層(大広間)という最初の大きな選別を越え、深廊、古層と潜り進むなかで、右手を失い一時引退していた侍・ワングが五人目として加わる(義手代わりの型は、ダダの発案とドワーフ鍛冶師ブロムの手によって確立された)。続いて僧侶からロード(君主)へと転職したミラが加わり、パーティは六人編成となった。
六人は、ノア十層の最奥で番人エカチェリーナと相対し、一度も倒れることなく踏破するという数少ない記録を打ち立て、「六弁の証」――エアへの通行許可――を授かった。
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エア一層・二層のあらすじ
エアは、ノアと違い構造がその都度変わる「読めない迷宮」。だが六人は、ノアで集めた歯車状の欠片から「六人にしか見えない地図(板)」を入手し(第83〜84話)、赤・青・緑・黄・白・黒の六色のポイントを頼りに探索を進められるようになった。
一層では、猫の姿をした迷宮の守護者エランドと出会う。エランドから、各自に「加護」が与えられた。ダダは「仲間全体の物理防御を底上げする、育つ力」、ネリスは「道案内」、ノリアは「魔力強化」、ミラは「回復力強化」、ワングは「失った右手の代替」。カインだけは、その場では加護を与えられず、「エアの六つの壁をすべて越えたときに分かる」と告げられている。
二層では、白の点で全身鎧・盾・ロングソードの人型の魔物六体との激戦の末(ノリアが緊急発動で終焉を二連発)、瀕死の一体を召喚スキルで「取り込み」、新たな召喚モンスター「カイザー」を得た(のちに正体はスルのかつての仲間と判明し、第136話で元仲間五人と合流して消滅)。この激戦の直後、六色いずれにも当てはまらない判別不能な点が出現し、その先の「色の判別できない部屋」で、全身鎧の長身の人物が「私が、ベーダーだ」と名乗る(第122話)。
ベーダーは、十五、六年前に酒場フラグメンツの店主ガラントたちの六人パーティで殿を務め、行方不明になっていた戦士だった。迷宮内では死んでおらず、「迷宮を司る方」から管理を任され、エランド・エカチェリーナと同じ類の存在としてエアに住んでいるという。ガラントとの再会(伝言コイン経由)は、ガラントの長年の悔いを解く場面ともなった。ベーダーから六人は、伝言用のコインと「三層への板(通行許可)」を託される。
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エア三層「対の迷宮」のあらすじ
三層は、単なる深化ではなく独自の性質を持つ層として展開してきた。カインたち六人と瓜二つの、もう一組の六人組の気配が存在し、「対の迷宮」と呼ばれている。実在するのか、迷宮が作り出した何かなのかは、いまだ未確定のままだ。
三層に入ってから、二層で機能していた六色のコイン判定はうまく作動しなくなった(第138話以降、色が読めない・判別不能という形で継続)。以来、六人は色を名指しできないまま、板に浮かぶ「ぼんやりとした点」の数だけを頼りに探索している。
この層では、対の迷宮側の盾役が、実際の前衛が誰であるかに関わらず、繰り返し「ダダに酷似した型」で現れる現象が確認されている(第138・140・141話)。理由はいまだ不明。
また第141〜142話、全身が闇そのもののような黒い鱗を持つ「黒いドラゴン」が登場した。刃も魔法も一切通さない圧倒的な力を見せ、初戦は六人の壁に阻まれて手も足も出ないまま見守るしかなかった。二度目の遭遇では六人自身が直撃を受け、スルの超加速で辛くも回避、退却した。このドラゴンとの遭遇が、ネリスの忍者への転職の直接のきっかけとなっている。
三層ではさらに、瀕死のエルフの魔法使いを取り込み、新たな召喚モンスター「ララ」を得た(第138〜139話)。感情の起伏が薄いが意思疎通は可能で、七階梯相当とみられる高い威力の呪文を行使する。
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黒いドラゴン討伐(第144〜151話)
アーカイブでの調査(第144話)により、「氷系の呪文を複数閉じ込めた魔道具を竜の口の中へ投げ込み、内側から凍らせる」という古い記録が見つかった。この場で、ダダが「魔法を閉じ込めた防具」を密かに試作していたことを初めて皆に明かしている。これが、長らく保留になっていた鍛冶屋の跡継ぎ問題と、パーティの盾役としての在り方を、後にダダ自身が見つめ直す伏線となった。
ダダはフォージタウンの工房で、ミスリル製の銀の器を完成させる(第147話)。段取り会議(第148話)を経て、ワングとララがそれぞれ氷棘・氷結界を四発ずつ、計八発を器に封じ込め、カインが氷棘の直撃でドラゴンを押さえ、ネリスがブレスの瞬間を狙って口の中へ投げ込む――という作戦が組まれた。この回では、盾役をダダではなくスルが務めることが決まっている(避けることに向いているという判断から)。
第149〜150話、実戦。器はドラゴンの喉の奥で狙い通り砕け、氷が内側から巨躯を凍りつかせた。だが凍った鱗は刃も拳も一切通さず、絶体絶命の中でノリアが「終焉を限界まで重ねる」と宣言、ミラの守りの聖歌とララの守護の盾の重ね掛けに守られながら、四連続で終焉を放ち、ドラゴンを討ち果たした(第150話)。
第151話、爆心地にドラゴンの痕跡は残っておらず、代わりに銀の器の残骸(ダダの器そのもの)が見つかる。そこへ対の迷宮のもう一組が現れ、向こうのダダ型の人物が器の欠片を拾い上げた。向こうのカイン型の人物がララを見つめ、何かを呟いたが、声は届かず、会話も成立しなかった。両者は言葉を交わさないまま、それぞれの場所へ戻っている。
街に戻ったダダは、拾われたことについて「向こうにも、腕のいい職人がいるのかもな」と、敵意よりも興味を見せた。ギルド長ルーシェナへの報告では、「四層に到達したパーティは無いことはないが、あの黒いドラゴンを倒したパーティはいない」「四層到達の条件は、黒いドラゴン討伐ではない」という、これまでの前提を覆す新事実が明かされている。
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六人目、決まる(第152話)
四層への道が見えないまま、三層に残っていた最後の点(色は判別できないまま)でエランドと再会。「パーティメンバーを絞り切れ」というヒントを受けた。指摘されて初めて、盾役がダダとスルの間で日替わりのまま、六人目を誰にするかを決めきれずにいたことに、皆が気づく。
ヘクサインでダダは、かつてエランドから告げられた加護――「仲間全体の物理防御を底上げする、育つ力」――は、盾を構えて前に立つことだけが道ではないかもしれないと切り出し、防具・武器・魔道具作りに力を尽くしたいという想いを皆に打ち明けた。前衛はスルに託し、自らは装備面から支える側へ回ることを決めている。
その足でスルの正式なパーティ登録を済ませ、六人目が確定した。エアへ向かうと、以前から色のついた印が一度も浮かんだことのなかった、何度近づいても押し戻され続けてきたあの扉に、今度は抵抗なく到達し、開くことができた。
こうして、カイン・ネリス・ノリア・ミラ・ワング・スルの新編成で、四層への扉が開かれたところで物語は現在に至る。ダダは戦闘メンバーからは退いたが、フォージタウンで装備面からパーティを支え続けている。
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パーティ編成の変遷
序盤:カイン・ダダ・ネリス・ノリアの四人でノアに挑む
ワング加入(五人):右手を失い引退していた侍。ダダとブロムの発案で右腕に武器を括り付ける型を確立
ミラ加入(六人):僧侶からロードへ転職。ノア踏破時点で現行の六人編成が完成
スル(獣人族・ネリスの実兄):エア深層で魔物と化していたところを発見、蘇生。長らく召喚モンスター/日替わり前衛という不安定な立場だったが、第152話で正式加入し六人目に
カイザー(人型の鎧の魔物、取り込みで仲間化):第136話、正体判明とともに元仲間と合流して消滅
ララ(エルフの魔法使い、取り込みで仲間化):現在も召喚モンスターとして継続参加
ダダ:結成以来の盾役だったが、第152話で前衛を退き、装備制作でパーティを支える役割へ移行
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主要な人物
ルーシェナ(ギルド長・エルフ):ベーダー・ガラントとかつて同じ六人パーティに所属。エカチェリーナと終焉を六度撃ち合った過去を持つ
ガラント(酒場フラグメンツ店主・ドラゴニート):ベーダーを置いて撤退した過去を悔いていたが、生存確報を受けて号泣。今は当時好んだ配合のエールを仕込み続けている
ベーダー(エア三層の「見張り」):ガラントのかつてのパーティで殿を務めた戦士。エランド・エカチェリーナと同じ類の存在
エランド(エアの守護者、猫の姿):加護を授け、節目節目でヒントを与える存在
リゼット(クロスロード主任受付)、ティリー(アーカイブの司書)、ブロム(フォージタウンの鍛冶師・ダダも通う工房の主)




