元の職業2
神宮寺が一緒に来てくれたけれど、ブルーオアシスは閉まっていた。
「いないじゃない」とお守りを買ったと言う他校の女子高生が言ったら、
「困るよね」と頼んだ女の子と二人で怒っていた。
「無理だな。出直すしかないな。手紙を置いておいたら、逃げられるぞ」神宮寺が言ったので、そうかもしれないなと思った。また、別のお守りを薦めるぐらい図々しい人だと思えた。
「どうする?」と言い合って、二人は怒りながら帰って行った。
「ごめんね」ブルーオアシスの張り紙を見ていた神宮寺に謝った。
「この印、どっかで見たことがあるな」と言ったので、
「え?」と驚いた。チラシの一番下にある「ブルーオアシス」と書かれた横にあるマークを見ていて、
「なに?」と聞いた。
「どこかで見た。えっと……」と考えていて、
「そうだ。ブルーキラーのマーク」と言ったので、
「ブルーキラー?」と驚いた。
「そう確か、そんな名前。バンドだよ。それほど売れて無かったけれど、バンドのボーカルとギタリストがミステリアスだからって、知り合いの人の彼女が傾倒してた」
「へえ、そうなんだ? え、でも、なんで?」と、張り紙を見た。
「その印、はっきりは覚えてないからな。確信はないけどね」
「そう」
「ブルーオアシス、ブルーキラー、合ってるのはブルーだけだね」
「今度、知り合いに聞いておくよ。関係者かもしれないし」
「そう。それだと本名が分かるかもしれないね」
「分かってもしょうがないだろ。そいつと関わりたくないんだろ」と言われて、うなずいた。
家にたどり着く直前に、嫌な気がしてきて、
「なんだろう?」と思わず言ってしまったら、
「やはり、そうなんだね」と物陰から、あの男が出てきた。ブルーオアシスさんだった。
「どうして、ここに?」と聞いたら、相手が笑っていた。優しげな笑顔を作ってはいたけれど、内面が違っていた。どこか警戒心があって、探るような感じがした。
「あなたはどうして、裏表が違いすぎるの?」
「君はやはり感受性が鋭いみたいだな。うらやましいよ。本物の占い師って、そうなんだな」
「違う。私、見習いの卵だし」
「謙遜しなくてもいいよ。君みたいな子に出会えてラッキーだったからね」
「どこがよ。だいたい、今日、お店はどうしたの?」
「ああ、あそこは期間限定だよ。もうそろそろ閉めようと思っていてね」
「どうして?」と聞いたけれど答えてくれなくて、
「君のような子と組んだら、きっと売れるかもしれないな。だから、誘いに来た」
「何のこと?」
「新しくグッズを作らないか。ブルーオアシスでね」
「新しく?」
「ほとんど売り切れてしまったからね。もうやめようかと思っていたけれど、思わぬ子と知り合えたからね。君となら、いくらでも」
「やめて。私、そういうのはできません」
「どうして? 見たところ、君もお金に困っているだろう?」家のほうを見て、言い切られて面白くなくて、
「いーえ、全然困ってません」とにらんだ。




