レンレン3
「なにが、恋恋よ。化粧が濃いだけじゃない」近くのカフェで三上さんがさっきの占いをぼやいていた。
「三上さん、駄目だって、まだ、お店の近くだよ」
「だって、あれじゃあね」
「へー、あなたたちも行ってきたんだ。あそこ当たらないよ」と女子高生らしい子がこっちを見た。
「そうなの?」三上さんが聞き返して、
「何回か行ってみたの。そうしたら、占い結果がバラバラ。それで、面白くないからやめた。前に言っていたことと、逆の結果を出すんだもの。年上に縁があるって言っておいて、次は年下だよ。それ以外にも矛盾だらけだったからね」と言った後、お友達と笑いながら行ってしまった。
「どうも、それほどは評判が良くないみたいね。料金はそれほど高くないから、諦めるしかないわね」
「出会いは3回。一人は年上、そうだなあ、多分取引先か、知り合いの紹介って感じかな。年下の人は三上さんの家の近くの人だと思う」
「え、どうして分かったの?」
「カードの展開を見て、私はそう解釈しただけ。あとは良く分からない。彼女の解釈と違いすぎて、こんがらがった」
「え、そんなに違うもの?」
「色々なやりかたがあるからね。だから、言えないけど、私とは結果が違ってた」
「どういう風に?」
「そうだね、だます人が近づいてくるから要注意。しかも、三上さんの好みのタイプ」
「えー、やだ、それ」
「でも、好みのタイプだよ」
「だます人は無理だって。でも、ちょっと楽しみかも」
「だから、それが3人目」
「分かった。楽しみに待ってる。でも、ひどいわよね。モテたことなんてないし、会社内に男性がほとんどのいないし、振り回すどころが振り回された経験しかないわよ」
「そうだったんですか。確かに、私もその部分の解釈が自分と違っていたので、驚いたけれど」
「じゃあ、真珠ちゃんのほうを信じるわ」
「三上さん、占いマニアでしょう? 当たる占い師って見分けられます?」
「ああ、そうね。当たると言うか人気が出そうな人、長く続けられる人なら、分かるわよ。当たる人も分かるけど、駄目だったこともあったわ」
「そうですか。プロキオンは?」
「ああ、あそこ、移り変わりが激しいわよ。たえず、入れ替えしてるし」
「え、そうなんですか?」
「固定給は少なめで歩合が少ないとそれほどはもらえないと聞いてるわ。それにあそこはお客が多い人が尊重されるらしいの」
「え、どういう意味ですか?」
「前に辞めた人、占いがすごく当たるって評判だった。ただ、日によって占えなかったの。だから、部屋を空けておくことができないから、交代制だったけれど、結局、辞めさせられたと聞いたわ。かなり、霊感が強いと占い師仲間でも評判だったらしいわよ」
「そうなんですか。カロンさんってどうですか?」
「ああ、恋人だっけ?」と聞かれて、むせた。
「どこから、そんなデマが?」
「あら、カロンさんがそう言っていたらしいから」
「訂正しておいてください。恋人ではなくてライバルになる予定です」
「あら、予定なの? 真珠ちゃんなら、十分ライバルになれると思うわよ。才能はあると思うし」
「まだまだです」
「いいじゃないの。彼、お金もちなんだから、遊ぶなら楽しい人よ」
「あっけらかんとしてますね。だって、女の人といっぱいデートしてきて、ちょっと信用できないし」
「あら、いい子よ、あの子。礼儀正しくて、優しいし明るいし。ただ、女性関係は派手かもしれないけれど、父親の血を引いているからね」
「父親?」
「圭吾さん。あの人、大きな声じゃ言えないけど、今のビルも前の奥さんの所有だし、自分のところの経理も恋人というか、愛人に任せているって聞いているし、テレビに出たのも、やっぱり女性の紹介だと聞いたしね」
「え?」
「だから、気をつけてね。でも、内緒」と笑っていたのでうなずいた。
「真珠ちゃんが傷ついてもいけないから特別に教えたんだからね」
「そうですか。そういう噂は聞いてはいましたけれど」
「真珠ちゃんは真面目だものねえ。家の手伝いもして、妹に似てるわ」
「そうですか?」
「いい子だったのよ。でも、私より先に結婚したのだけは許せない」
「いつか出会いがありますよ」
「今すぐがいいわ」
「うーん、そう言われても、まだ、先のような気がします、なんとなく」
「あら、そうなの? 真珠ちゃん、カードなしでも占えるの?」
「まさか。さっきの占いからそう思っただけですよ。カードがないと無理ですよ」と笑った。




