レンレン2
恋恋さんの占いを見る機会ができた。母から頼まれていた物を雑誌社に届けたら、恋恋さんの占いに付き合ってほしいと独身女性の編集者、三上さんに言われて、興味があったので、一緒に行った。
「真珠ちゃんから見て、どうなのか教えてね。真珠ちゃんも占い師だってことは内緒でね」
「楽しい占い師だって聞いたけれど」
「私、当たると評判の占い師はほとんど制覇してるのよね。そこは、前に行く予定が直前で駄目でね。何とか予約が取れたから、いけるの。盛況なんだって」
「予約を取りにくいんだ?」
「月に一回しか募集してないからね。あとはキャンセル待ち」
「すごいね」
「真珠ちゃんも、がんばらないと」
「まだまだ、無理だよ。占いの精度が悪すぎると思う。言葉遣いも接客も、あとは、カウンセリング技術もいるって教えてもらったし」
「ああ、長年やっている常連ばかりのところだと、そういうのが上手な人が多いからね。そういう部分が優れていると安心感があるから」
「そうなんですか?」
「そう。結構、迷ったりすることってあるけど、自分では半分以上は決めてはいても、後少しを後押ししてほしいものだからね」
「なるほど」
「そういうので、ちゃんと、こっちのことを分かってくれている人だと安心感があるからね。今日の子はどうだろうね」と言われて、どういう占い師なんだろうなと思った。
「えっとねえ~」語尾を伸ばす言い方を、三上さんはちょっと嫌がっていた。三上さんは最初はうれしそうだったのに、途中から明らかにテンションが下がっていた。恋恋さんは派手だった。かわいいけれど、化粧が濃かった。話し方がクラスでも流行に飛びつくのが早い子達に似ていた。明るくて笑顔が多く、芸能人、テレビ、ファッション情報が早い子だから、そういう話が多い。
「だから~、えっとね。それで、……」説明している内容は、確かに盛りだくさんだった。出会いがいっぱいある。
「若い男性から告白されるかも。そばにいる可能性が高い。でも、自分から積極的に声をかけないと」と言っていた。
「会社内にいっぱいいる男性のうちから選んで」と言った辺りから、気持ちが下がっているようで、
「若いときからモテたでしょ。いっぱいモテて、相手を振り回してきて」
「ちょっと待って」三上さんがさすがに止めていた。
「さっきから聞いてたら、半分はそうかもしれないって思うけど、肝心なところが違うのよね」と怒っていて、
「え、そうなの~」とカードを見ていた。
「だって、私」と三上さんが言いかけていたけれど、
「三上さん、出会いは3回あるよ」と教えた。もめるのは好きじゃなかった。恋恋さんは明らかに面白くなさそうだったからだ。
「え?」恋恋さんがちょっと驚いていたけれど、
「だから、続けてください」と彼女にお願いした。彼女は気を取り直したけれど、明らかにやる気を失って、早く帰ってくれないかな……と言う態度に変わっていて、
「だから、絶対に幸せになるからね」と締めていた。




