変わったお守り2
学校の知り合いに、変わったお守りを持っている子がいて、それを私に見せてきた。
「これって、効き目があるんだよ」とうれしそうで、
「えー、それって、ちょっとねえ」と周りにいた子は笑っていたけれど、
「高くなかった?」と聞いたら、
「うーん、それなりかな」と答えていた。多分、高かったんだろうなと思えた。
後で怜奈ちゃんに、
「恋愛のパワーってすごいかもね。ちょっと高くても、あこがれの人と絶対に付き合えると言われて、お守り買っちゃうんだから」と言われて、
「そう言われてもね」としか言えなかった。そこまでしても振り向かせたいと、私は思ってないかもしれない。雪人さんに対する気持ちは、そうじゃなかった。
「お金をいくら積んでも振り向かせたいって、ホストみたいだって言ってた子がいたけど、ああいうのって意地になるからねえ」
「意地?」
「そう、中々振り向いてもらえないからこそ、燃えるってことなんでしょ。あの子、他校の子と取り合ってるって」
「誰を?」
「大村」と言われて、何も言えなくて、
「そのためにお守りだの、あいつにプレゼントだの、かなりの金額を使ってるらしいよ」
「そう」
「プレゼントもあげすぎても逆効果なんだよね」
「どういう意味?」
「軽く見られるの。そういうのに慣れてきてしまうと、それが標準になるの。相手が大村なら、なおさらだよ。そこまでうぬぼれていない人でも感覚がおかしくなってしまうみたいだよ。急にモテたりする場合は特に」
「急にって?」
「知り合いにいたの。テレビ局に入社した途端に遊びまくってるって。前は私を追い掛け回していたのに」
「なるほど」
「いまだと、連絡しても冷たかった。そういうものなんだろうね」
「そう?」
「環境によって、性格って、変わるでしょ」橋添先生が言っていたことを思い出した。
「ポジションによって、性格って違うのかな? 例えば兄弟でも」
「それはあるでしょ。昔いたよ。兄が優秀で弟はそれより劣る。ところが大学で逆転。兄は快活だったのが、ちょっと暗め、弟はどこか遠慮がちだったのが、遊びまくってるってさ」
「そこまでなるんだ?」
「それはあるでしょ。男の人ってそういうので変わるだろうから」
「じゃあ、お金持ちの家に生まれると傲慢になるの?」
「ならない家もあるじゃないの。親戚の家はお金持ちだったけれど、厳しい家だったから、傲慢って言うより、堅かった。東条さんと逆でしょうね。あの人は楽しんでいるものね」
「軽いだけでしょ」
「そうかなあ? 意外と真珠にはこだわってるんじゃないの? 結構、長く続いているから」
「良く知らない。今までもいくらでも候補がいたらしいから」
「でも、全部続かなかったってことでしょ。過去は大目に見て、これからを見てあげたら。相手が反省しているのならね。反省してなくて開き直ってるなら、距離置いたほうがいいだろうけど」
「確かにね」と、川尻さんを思い出した。




