インフルエンザ1
雪人さんに、この間の女性のことを確かめようかと思って、おかずを余分に作って持っていったら、中々出てこなくて、出てきたときにパジャマだったので、
「すみません。寝ていたんですね」と聞いたら、
「いや、風邪をこじらせて」と言ったので、慌てて、
「寝ていないと駄目です。これ、作ってきたから。煮物だけど、食べてくださいね。それより、寝てください」と言ったら、ふらつきながら戻ろうとしたので、
「待って」と慌てて、玄関に煮物を置いてから、雪人さんのそばに行き、肩を貸した。雪人さんの部屋は狭くて、布団を敷いたらあとは本箱と本と机でいっぱいになってしまうぐらいで、雪人さんを布団に寝かしつけてから、玄関に戻って煮物を取りに行った。
「熱が下がりませんね」と熱を測って、どうしようかなと思った。水にぬらしたタオルと冷却枕を使っても、まだ、熱が高かった。一度家に帰って、色々用意して、何度か行き来していた。おかげで姉が怒り出して、
「私のご飯はまだなの?」と言っていたけれど、それも聞き流した。
「自分で作りなさいよ」母の注意も、
「そういうときは連絡ぐらいしなさいよ。本当に気が利かないわね」と姉は怒るばかりで、
「あなただって、めったに連絡してこないのだから、人には言えないわよ」と母がたしなめても、
「おなか空いているのに。もう、面倒だな」と言って、カップラーメンを用意していて、
「料理ぐらいは作りなさいね」
「嫌よ。手が汚れるから。手入れにどれぐらい時間をかけていると思ってるのよ。この手で迫らないとね」
「あなたは努力の方法がちょっと違う気がするのよね。そこに力を入れるなら、他のことも気を使わないと」
「いいでしょ。お金持ちと結婚したら、こんなところは早く出て行くからいいでしょ。食費が一人分減るんだから」
「そういうことは食費を入れてからいいなさい」
「いいでしょ。友達は誰も入れてないって」
「あなたのそういう実態を知って結婚してくれる人は中々現れないかもしれないわよ」
「それは真珠に言ってよ。あの子と一緒にしないで。候補なんて山ほどいるから、そのうち見つかるわ。絶対に落としてみせる」
「ライバルを蹴落とすのは上手かもしれないけど、他のことにも気を配りなさい」と母が言っても、姉は聞いていなかった。




