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Fortune-teller  作者: marimo
思い込みの強い子
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149/266

思い込みの強い子2

 どうなったかなあと家で家事をしていたら、携帯が鳴って、東条さんからで、

「どうだった?」と聞いたら、

「貸し一つね」といきなり言われて、

「えー!」とぼやいた。

「当たり前だろ。ケーキセットを二人分。占いもタダでして、相手をヨイショしまくって疲れたからね。ただ、今度は俺のところに来そうだ。占い好きみたいだから」

「顧客、二人ゲットしたんだからいいでしょ」

「疲れたぞ。食べ物で気持ちをほぐして占いで気持ちを和ませて、だから、貸しね。神宮寺にも言っておけよ」

「電話で確かめたら彼は関係なかったよ。友達の紹介で大勢で会っただけ。名前すら覚えて無かったって。相手が張り付いていて、かなり変わった子だから逃げたらしいよ」

「そうだろうな。思い込みが強すぎるから、俺も適当に逃げるよ。新しい彼が現れるから、それに備えるようには言っておいた」

「それって事実?」

「ま、前向きに」と言ったので、

「そういうのはちょっとねえ」と呆れた。

「いつかは新しい彼は現れるさ」

「いいかげんだなあ」

「それより、ああいう場合は逃げたほうがいいぞ。あの子、占い好きだけど、お守りだとかいっぱい持っていたからなあ。信じ込みやすい子だと、言い合っても難しいから、話題をそらしたほうがいいだろうな。あれだと」

「どういうこと?」

「時々いるんだよ。こっちの占いの解釈を更に勝手に自分で変えてしまって、苦情を言ってくる人が。だから、聞き流して謝ってなだめて、大変だったから」

「似たような苦労はしていそうだね」

「お前の場合のほうが多いだろう。当たるみたいだからな」

「あなただって同じでしょ」

「俺はやんわりソフトだからね。そこまで無いよ。それに、当たり障りの無い言葉に変える人はいくらでもいるし、今日の子のように占いグッズを山ほど売りつけられるパターンもあるからなあ」

「え、そうなの?」

「そういうところもあるから気をつけたほうがいいと言っておいたけれど、聞いてなかったな。俺をうっとり見てたから」

「あなたは自信がちょっと無い人なの?」

「何だよ、いきなり」

「レベルがトップの人よりあと少しでトップになれそうな人のほうが、そうやって自慢するんだって。ほっといても周りがほめてくれる人はしないって、友達が教えてくれた」

「怜奈ちゃんに誤解だと言っておいてくれよ」

「な、なんで?」と驚いた。

「友達は神宮寺も他の子もいるって言いたいんだろ。でも、俺、分かるんだよ。誰が言ったのかは大体想像がつくからね。だから言っただろ。相手のことがなんとなく分かるからな、俺は」

「そうなんだ? へえ、意外」

「それが俺の強みだからね」

「ふーん、知識が豊富だからじゃないの?」

「それだけだと無理だろ。相手を見抜けないとね。そういう部分で占ってる人もいると思うけど。相談に乗るんだから、相手を分からないと困るだろ。霊感が強いからって、そこの部分をないがしろにするなよ。そこも磨けよ」

「無理。職業実態を調べている段階なの」

「一度に一つしかできないのか? 不器用なやつ」

「器用だからって見下さないでよ。見直してもすぐそれだ。だから、合わない」

「合うね。お前が気づいてないだけだね」

「絶対に付き合うことはないからね」と言って電話を切った。


 神宮寺に女の子のことを聞かれて説明したら、

「あいつに貸しなんて」と嫌がっていた。

「いいよ、ほっとけば」

「でも、面白くない。いつか、必ず返すね」

「神宮寺って、負けず嫌いだね」

「弟だから当たり前だろ」

「それが何の関係があるの?」

「一般論だけど、弟の方が兄に負けたくないから、負けず嫌いが多いってさ」

「へえ、私は妹だけど、お姉ちゃんに負けてても悔しくないよ。実際綺麗だから」

「俺はお前のほうがかわいいと思う」と言い切られて、

「恥ずかしいから、学校で言わないでよ」と照れてしまった。

「そういう部分がかわいいってこと。性格もそうだよ。お姉さんの場合は大概の男は嫌がるんじゃないか」

「どうして?」

「美人できつくてわがままで、家事を妹に押し付けてるって、実態を知ったら男は引くだろ」

「家事ができなくても綺麗なら、いいんじゃないの?」

「そういう男って、飽きたら、ポイ」どっかで聞いた言葉だなあ。そうだ、元木さんが言っていた。

「飽きたら、ポイする人と付き合っても結婚できないのかな?」

「できても浮気されるだろ」

「浮気?」

「そういうタイプだと、相手には誠実じゃないだろうからな」

「そう言われるとなんとなくは分かる」

「真珠はお父さんが基準だろ、だから、分からないのかもしれないな」

「そう言われても」

「だから、探したいんだろ」と聞かれて黙った。雪人さんを紹介したいのもあるけれど、でも……。

「そう言われてもねえ」

「旅行するなら、俺が大学に受かってからにしてくれよ」

「え、でも」

「女一人だと危ないから、一緒に行くよ」

「そう言われても、困るけど」

「お前が失恋したとしても、俺は友達だし、いつかちゃんと付き合ったほうがいいし」と言われて、

「失恋と言われても、まだ、告白もしてないし」と言ったら神宮寺が黙った。

「まだ、好きなのか?」と聞かれてうなずいた。

「そうか」と言って神宮寺が黙っていて、

「そんなにすぐに諦められないの。相手が別の人が好きだと分かっても、でも」

「じゃあ、その後で、気持ちが変わったら言えよ。いつでも付き合ってやるから」

「ごめんね」

「いいよ、ここまで待ったから、ついでだよ」

「その間にまた、紹介でデートしそうだね」

「勝手にセッティングしてくるんだよ、女子が」と言われて、

「はいはい、怜奈ちゃんといい、神宮寺と言い、うらやましいね。モテて」

「大勢にモテる必要は無いだろ。本当に好きな人だけにモテればね」と言われて、

「それもそうだね」と笑った。


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