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Fortune-teller  作者: marimo
男の目
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147/266

男の目2

「だって、テレビでパフォーマンスする占い師は演出してるじゃない。それと一緒」

「どういう意味?」

「占い師として、そういう人を演じてるってことでしょう? 女性客相手だから、それに合わせている。でも、真珠と接しているときは素《す》ってことなんじゃないの。時々いるよ。本音と建前の落差が激しい人」

「そうなの?」

「すごく勉強ができる人なのに、裏の顔は子供っぽかったとか、変な趣味を持ってたとか。大人っぽく見せておきながら、甘えんぼなところがあったとか、マザコン気味で引いたとか」

「えー、そうなの?」

「真珠は裏表がないからねえ。私はあるでしょ」

「自分で言い切らないでよ」

「でも、女の子でも多いと思うけど。男性の前だと甘えて、普段はそれほどでもない。女の子同士だと、面倒くさがりなのに、男にはつくすとか」

「はあ、良く分からないかも」

「真珠はそういう部分がないからね。男に尽くさないでしょ。恋愛して、のめり込まないだろうし」

「そう言われても」

「のめりこみの子は他のことがどうでもよくなるほど、その人しか見えなくなるらしいの。ただ、冷めるのも早いからついていけないって」

「誰が?」

「友達の友達の話」

「なるほどね。熱しやすく冷めやすいんだ」

「すごいよ。昨日まで好きだ好きだとわめいて、次の日にはもう冷めたって言うらしいから」

「相手がかわいそうじゃない」

「そういうことには気が回らないの。自分だけの世界で恋してるんでしょ。相手のことを思っていたら、できないだろうね」そうかもしれない。

「相手のことを思うのが愛、自分だけでもできるのが恋だって、誰かが言ってた」

「そうかな?」

「いいんじゃないの? 時期が来たら分かるよ」

「雪人さんとデートしろって言われた」

「誰に?」

「東条さん」

「へえ、自信があるんだ?」

「自信?」

「無ければ、ライバルと付き合えとは言わないよ。そっちにずっと行かれたら困るから。自分のほうに戻ってくると分かってるから言ってるんでしょ。東条さんって、かなり慣れていそうだね」

「そうかもしれない」

「じゃあ、がんばって誘ってみたら」

「そうだね。農工系の大学の人がなる職業ってなにかあるかなあ?」

「なに、それ?」

「職業事情の調べもしたいから」

「真珠って、意外とそういうタイプだよね」と笑われてしまった。


「農工系大学の職業ねえ。色々ありすぎるだろ」神宮寺に聞いたら、考えてはいてくれたけれど、

「メーカーで研究したりが多いかもしれないなあ。あとはそうだな、そのまま大学に残って研究とか、あとはどうだろうな?」

「そういう人の悩みって何?」

「研究がうまくいかないってことぐらいしか、あとはそうだな、出会いが少ない」

「え、そうなの?」

「男が多い職場だと少なくなるぞ。だから、二次元に走る場合もあるし」

「二次元?」

「アニメ、漫画など」

「ああ、そっちね」

「アニメの女の子は理想的だからな。かわいいしスタイルはいいし口答えしないし、男好みに作られているし」

「はあ、そうなんだ? アニメーターって、もうかるの?」

「無理。忙しい割には、そこまでは無理だろうな」

「声優は?」

「そっちも一部の人気のある人以外はそれほどは無理だと思うけど、よくは知らない」

「私って世間知らずもいいところだね。あいつは知りすぎてるぐらいなのになあ」

「東条さんか?」とにらまれて、話をはぐらかすように、

「そう言えば、武道じゃなくて護身術を習ってたって聞いたよ」と教えた。

「へえ、そうなんだ。なるほどな。俺も習おうかな」

「なんで?」

「やられたらやり返す」

「武士だ」

「なんだよ、それ?」

「東条さんが神宮寺は武士だって。色が黒いだけの見た目のイメージでしょ」

「武士ねえ。あの人は武士にはなれないかもな。軟弱そうな金持ちの息子としか見えない」そう言われたら、そうかも。

「神宮寺からはどう見えるの?」

「さあな、あいつのことは話したくない」

「そう。ごめん。男から見たらどうなのかと思っただけ。女の人には受けはいいみたいだけど、男だと逆なのかと思って」

「それはそうだろ。男はモテたいと思って努力してる場合が多いぞ。だから、モテるやつは鼻につく。上昇志向が強ければ強いほど嫌だろうな、ああいうタイプ」

「なんで?」

「要領が良さそうで、それほど努力しなくても、いい思いができるだろうからな。女はいくらでも寄って来るだろうから」

「そう?」

「顔が良くて背も高い、乗ってる車もいい、しかも占い師」

「いや、占い師だからってモテないでしょ」中年のおじさんの占い師も多いし、見た目に気を使ってない占い師もいくらでもいた。

「若い女性は占いに興味があるから、今のうちはモテるに決まってるだろ。兄貴の友達、合コン用にわざわざ手相を勉強してるってさ」

「手相?」

「それだともれなく女性に近づけて、手もさりげなく触れるってさ」

「動機が不純すぎる」

「でも、そういう努力をしてしまうもんだってさ。男はモテたい願望は強いから」

「女だって同じだよ」

「いや、一部の女性はそうでもないだろ。男子に駄目だしばかりしてるし」と言われて考えてしまった。



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