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Fortune-teller  作者: marimo
それぞれの育ち方
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139/266

それぞれの育ち方3

「なによ」

「一番ってことはかなり関心がある証拠。だから、無視できない。一番好きになる可能性もあるからね」

「ポジティブと言うより、うぬぼれに近いね」

「お前をほれさせてみせるさ」

「ない。私は好きな人がいるもの」

「あいつには恋人がいる、それでも好きだと言うのか?」

「そうよ。気持ちなんて、すぐに切り替えられない。あの人に憧れ続けて来たんだもの。とても優しい人で」

「一度、デートに誘ってみろよ。あの人のことをあこがれているだけだったことが、分かるさ」

「どういう意味よ」

「二人だけで時間を過ごしたら、相手との相性が分かってくるさ。それから言えよ」と言われて考えてしまった。

「そう言われても勉強が忙しくて、誘えない」

「恋人がいても好きなら誘えよ。時間はないぞ」と言われてため息をついた。

「無理だよ。あのかわいらしい人を見た後だと」

「何を見たんだよ」

「あの人の部屋に女性がいたの。雪人さんの親が雪人さんと結婚したらどうかと薦めるって、許婚だと」

「自分から言ったのか? 相当、すごい女だな」

「え、どうして?」

「だって、普通、言うか? お前と初対面だろ」

「そうだけど」

「だったら、言わないだろ。お前がライバルだと分かったから牽制したんじゃないのか?」と聞かれて考えてから、

「そういう人には見えなかった。かわいらしくて、そういう作為的なことはしない人みたいだったよ。無邪気な感じで」

「年上だったんだろ」

「そうだけど、かわいらしい人。素直な感じだった」

「ふうん、じゃあ鈍感な者同士だろうな。似たもの同士で合うかもな」

「雪人さんは鈍感じゃない」

「お前が自分に振られたかもしれないと気づいてないのにか」

「そう言われても」

「全然分かってないぞ。お前がどうして熱を出したのかも。ケーキのお礼を言って、それだけだ。お前が自分を好きかもしれないことは気づいてもいない。一度、言えばよかっただろ。もっと早く」

「でも」

「相手が言ってくれることはないんだから、お前が言わなければ一生気づいてもらえない。それでもいいのか」

「違うの。お父さんに許可をもらいたくて」

「子供だな。親の許可なんていらないだろ」と言われて、横を向いた。

「なにかあるのか? 父親の話題になると嫌がるよな」

「お父さんは行方不明なの」と言ったら、東条さんがしばらく黙った後、

「ごめん」と謝ってくれた。

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