↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Fortune-teller  作者: marimo
価値観の違い
PR
128/266

価値観の違い1

 夕食のときに、今日はどうだったか母に聞かれた。珍しく姉がいた。どうやら振られたらしい。東条さんに最後に言ってしまった事を母に話して、

「言い過ぎた」と落ち込んでいたら、

「男になら、捨て台詞でそれぐらい言ってやってもいいわよ。どうせ、二度と会わないでしょ」お姉ちゃんは自分が面白くないことがあったためか、軽く言っていたけれど、それでも、東条さんの表情が忘れられない。言い過ぎた。もっと謝っておけば良かったかな。


 学校に行ったら、変な噂はぴたっと止まった。誰が言い出したのか分かり、鴻上さんがかなり説教したらしいし、神宮寺も怒ってくれて、ありがたいと思った。神宮寺は何度か心配して、わざわざ私のクラスまで来て、話しかけてくれていたけれど、

「ありがとう」とお礼を言ったら、

「あいつも頼まれて仕方なくやったらしいな。学校にばれると困るようなことがあったようだ」と噂を流した子の事情を教えてくれて、そういう手口を使ってくる人だと困ると思った。関わりたくなかった。


 その後、母が、

「弁護士さんが来たわ。遅すぎるわよね」と怒っていた。

「え、どうして? そういうのもしないかと思った。嫌がらせもされるかと思っていたし」

「少しだけあったらしいわよ。輝子の会社で聞かれたらしいけど、でも、あの子は気にしないからね」姉はそういう人だった。妹に何があっても自分優先だ。

「近所の人にも聞かれたけれど、何もなかったと言っておいたわ。弁護士もかなりの額のお金を置いていったわ。さすがにスキャンダルは困るんでしょうね」

「そう」

「でも、今頃来るなんて、東条さんが誰かに頼んだんでしょうね」と言ったので驚いた。

「そうなのかな?」

「圧力でもない限り、こんな時期には来ないわ。謝るなり、お金を置いていくなり、もっと早く行動するでしょう。でも、今頃来たってことはそういうことでしょうね」

「そう。電話で聞いたほうがいいかな?」

「そうね、お礼を言っておきなさい」

「謝ったほうがいいかな?」

「そのほうがいいわ。彼はあなたを心配してくれていたわ。その心は本当だと思う。ただ、素直に出せないと言うか、父親似の高飛車さが時々出るから、それで分かりにくいと言うか」

「は?」

「そう思ったのよ。彼の印象」と言われて考えていた。

「真珠のことは本気なのかどうかは分からないけれど、けんかしたままは良くないわ。同業者とは仲良くしておいたほうが何かといいし」

「お母さんって、大人な考えだね。私は割り切れない。あいつがしてきたことを考えると」

「そう? 最初は父親と混同してしまったけれど、彼は父親とは違ってたわ。ちょっと驚いた。年が離れているし、真珠と合わないとは思うけど、それなりにしておきなさい」

「ふーん、お母さんがそう思っても、あの人はちょっとなあ」

「分かりにくさはあるわね。多分、彼は色々あったのかもね」

「なにが?」

「自分の感情を全て出す人ばかりじゃないってことよ」

「でも、女性といっぱい付き合って、信用できないところが多々あるよ。直前まで内緒にしていたり、私を利用したり強引過ぎて、ついていけないところがいっぱい」

「男なんてそんなものよ」

「お父さんは違ったよ」

「だから、結婚したのよ」

「なるほど」

「真珠は、まだまだこれからでしょ。最初に付き合う男性としては、彼は賛成できないけど、占い師として人気があるみたいだから、付き合っておいても損はないでしょ」

「怜奈ちゃんと同じことを言わないでよ」

「占い師でも色々付き合いがあるの。高校を卒業するまでに良く考えなさい。占い師になるにしろ、他の職業を選ぶにしろ、真珠が良く考えて選びなさい。本当はお薦めしたくないんだけどね。あなたには」

「え、どうして?」と聞いたら、母が黙っていて、

「大変だからなの?」

「そうね。輝子と同じように結婚を夢見てくれるほうが親としては心配はないかもしれないわね」

「結婚を夢見てるのかな? いい暮らしを夢見ているようにしか見えないけど」

「ほっときなさい。好きなようにさせておくしかないわ。私たちの忠告を聞くような子じゃないわ。この家も早く出たいんでしょうね。大きな家に住むのが目標みたいだし」

「高級マンションでもいいと言ってたけど」

「でも、案外少ないと思うのよね。あの子の望んでいるような条件の家は」

「家?」

「結婚すると付随するものがいくらでもあるのよね」

「うちはないじゃない」と言って笑ったら、母が黙った。

「なに?」

「色々あるものよ。カロンさんと付き合うのはそれなりにしておきなさいね。あの家と関わってもいいことはないと思う」

「どういう意味なの?」

「ちょっとね、そう思っただけだから」と言って教えてくれなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。