やらせの首謀者4
この章は、子供が読むには問題があるシーンが出てきます。あらかじめご了承ください。
東条さんの説明を聞いてから、母がすごく怒り出して、
「あなたがついていながら、どうしてそんなことに真珠が巻き込まれるのよ」と怒られて、東条さんが、「申し訳ありません」と頭を下げていた。
「二度と真珠に近づかないで」と怒鳴っていて、
「すみませんでした」東条さんが珍しく深々と頭を下げていて、
「あなたの友達がしたことは、許せません。訴えます」
「いえ、それは」東条さんが困っていた。
「大事にすると、前と同じことになるといけないから」と言われて、
「どういう意味?」母が東条さんに聞いていて、前に似たようなことがあり、そのときにはお金で済まされてしまったこと。相手の子が訴えると言い出したときには、「誘ったのは女の子のほうだ」と言いふらされ、「夜遊びがひどかった」とか「男関係が派手だった」とか、嘘の噂を流されて、その子が訂正できる状態じゃなかったことを告げられて、母が、「ひどい」と怒っていたけれど、それ以上言えなくなっていた。あの人たちならそれぐらい平気でやるだろう。関わらないのが一番いいと言えるような人たちだ。反省なんてすることは絶対にないだろう。怖くなって、
「おかあさん」と母を見た。
「真珠さんに何度も注意されていたのに付き合い続けてきた僕に責任があります」
「あなたに責任なんて取れるわけないでしょ。まだ、学生なんだし」
「いくらでも償います。彼女の心が癒されると言うなら、なんでも。お金で解決できることじゃないってことは分かってますから」
「当たり前よ。あなたができることはこの子に二度と近づかないこと。あの人たちのこともあなたが対処してくれないと」
「それは難しいかもしれません」東条さんが困った顔をして言った。
「どうして? あの有名なお父様にでも頼めば」
「父は有力者に楯突くことはしないでしょう。でも、彼らが近づかないように注意します」
「あなたの言葉なんて聞かないと思うけど」思わず言ったら、東条さんが苦い顔をしていた。
「僕ができることなら何でもします」とまた、深々と頭を下げていた。
「彼らには二度と近づかない。付き合いもやめます。真珠さんが許してくれるまで、何度でも謝るつもりです」東条さんがこれ以上ないぐらい頭を下げて謝ったために、
「あなたに謝ってもらってもね」母がそれ以上言えなくなっていた。




