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Fortune-teller  作者: marimo
宝葉祭
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115/266

宝葉祭5

 かつらをつけて待機していて、

「怖い」と言ったら、

「抱きしめて落ち着かせてやりたいけど、俺も余裕なし」と、隣で東条さんが言ったため、

「却下。絶対に断る」

「そこまではっきり言ってるのに、どこが怖いんだよ」

「うるさい。聞こえちゃうでしょ」

「口の減らない女」

「嘘つき男に言われたくない」

「ステージまで聞こえるから、静かにしろ」とそばにいる人に怒られてしまった。

「ほら、あなたのせいじゃない」

「お前が悪いんだろ」と、それでも、言い合っていて、

「今日ぐらい見た目に合わせてしとやかに振舞えよ」

「二重人格男を見習えって?」

「俺はそういうので慣れてるし」

「慣れてるのがおかしい」と小声で言い合っていたら、名前を呼ばれた。

「東条カロンさん、ホワイトローズムーンさんです」母と相談してつけた名前だけれど、リハーサルのときから呼ばれるたびに恥ずかしくて、出て行くのがちょっと嫌だったけれど、拍手の中、東条さんは堂々として女性に、「カロンさん」と呼ばれたら手を振り返すほどの余裕があった。私はちょっと恥ずかしくて、客席なんてまともに見れなくて、

「かわいい」と女の子に言われて、ちょっとうれしくて、

「真珠ー、がんばれよ」と聞きなれた男たちの声がしたので、そっちを見たら、男子が何人か来ていて、

「手を振れよ」と催促していた。何だか、野次をいっぱい言われそうだなと思っていたら、進行していて、今日の意気込みを聞かれた。この辺までは、あらかじめリハーサルはしてあったので、それをそのまま言った。今更、対決だとか言われても、変えられなくて、東条さんは余裕があって、何度もこっちを見て、「負けられない」と言っていたけれど、私はそれどころじゃなかった。屋外ステージなのでお客さんがあちこちに散らばっていて、目の前だけじゃなくて、色々な角度から視線があって、ちょっと戸惑っていたけれど、

「尚毅~!」「東条さ~ん」と呼ばれるたびに、東条さんは手を振りかえしたり愛想を振りまいていた。明らかにアウェーだ。こういう雰囲気では難しいかもしれないなと思ったら、

「いつものようにやれよ」と学校の男子の声が聞こえてきて、

「がんばれー」と言う声がした後、手拍子が聞こえてきて恥ずかしかった。つくづくお祭り好きだ。

「かわいいぞー」「普段もそれで学校に来い」と言った後、みんながどっと笑っていて、会場が和んでいた。

「えー、観客も盛り上がっていますので、早速始めたいと思います」と司会の人に言われて、席に着いた。相談相手の女性が目の前に座った。正面のお客様からは横向きに座っていて、相談者と対面している。私の横に東条さんが座っていて、わたしはステージの奥に座っているので、お客さんが東条さんに隠れて見えなくなったので、ちょっと落ち着いた。

 東条さんが先に占っていた。いつものとおり、相談者に優しくアドバイスして、相談者がうれしそうに何度も東条さんを見ていた。学校の後輩らしく、東条さんにも好意を寄せているように見える。これじゃあ、不利かもしれないと思った。どんどん進行していって、相手はかなり喜んでいた。恋愛がうまくいきそうと出ていたからだった。

「良かったですね」司会がそう言ってから、私を見て、

「それでは、ホワイトムーンさん、あ、違った。ホワイトローズムーンさんに占っていただきましょう」名前を間違えたため、会場から失笑があったけれど、目の前の相談者の目を見たら、何だか落ち着いてきた。カードを触って、目を閉じて、それから相談者を見て、相談者にシャッフルしてもらっているときにはかなり落ち着いていた。カードを展開しながら、説明をした。相談者は聞いているうちに、

「あの、それはどういうことですか?」と質問が多かった。東条さんのときはほとんどなかったけれど、食い入るように身を前に乗り出していて、相談者にとっては都合が悪いことが含まれていて、それをやんわりとした言葉に変えたけれど、突っ込まれて聞かれて、ごまかしたくなくて、はっきりと相手に告げたら、かなり驚いていた。

「え、どうして」と言った後に黙った。観客もシーンとなっていた。東条さんが他の人に分からないように軽く私をつついてきて、「嘘はつきたくない」と小声で答えたら、東条さんがちょっとだけ驚いていた様子がなんとなくわかった。目の前の彼女はかなり考えるような顔をしていた。それから、最後のカードの解釈を告げた。

「相手との未来。このままでは難しい」と言ったため、

「真逆じゃないか」と観客席から声がした。東条さんは相手とは「がんばれば、うまくいく」としか伝えてなかった。本当は相当がんばらないと難しいと東条さんのときのカードの展開を見て、私は思った。東条さんは会場の雰囲気を見て言葉をやんわりとしたものに抑えていたけれど、私は相談者の様子から、本当のことを伝えたほうがいいと思えた。

「かなりのハードルがこれからあるでしょう」と言ったら、

「えー!」観客からのブーイングがあったけれど、

「よく聞いて」相手の女性の目を見た。

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