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Fortune-teller  作者: marimo
練習
PR
110/266

練習3

「あれ、駄目なの?」

「そうすぐには無理だろうな。固定客が大勢付いている人もいるからね」

「あなただっているでしょ」と聞いたら、何も答えなかった。

「私もできるかなあ。占い内容が今は学生相手だけど、働いている人の相談にのれるかな」

「お前も働くようになったら、見えてくるだろ、それなりに。何も知らずには占えないからな」

「そうだね。未熟だった。タロットのカードの意味は分かっても、解釈をお客様には合わせてなかったかも。散々叱られて、あなたとの差がまだまだだ」

「そうだな。ライバルには当分なれそうもない」

「そうだね」

「恋人にはなれるけど」と言われて、むせそうになった。

「母がいるところで、そういうことは言わないで」

「言っておいたほうがいいだろ。隠したってばれるぞ」

「お父さんにまで言わなくてもいいでしょ」

「宣言しておきたかっただけ」

「どうして?」

「親父とは違うと言っておきたかっただけだよ」

「お父さんって、どういう恋愛してきたの?」

「今までの俺と変わらないかもな。その場が楽しければそれでいい。そこまで深く考えない。相手がお金持ちで美人ならなおさらいいってことだろ」声を潜めて言われてしまい、

「え、でも」と東条さんを見た。

「営業も多いんだろうな。占い雑誌や占いコーナーとか女性関係者が多いから、それで扱いは慣れているかもしれない。でも、親父が本気で愛した女性がいるかどうかは知らない」

「え、だって、結婚して」と言ったら、顔色が変わっていたので、

「ごめん」と謝った。

「それより、明日、大丈夫か? ちょっと心配になってきた」

「相談内容って事前に教えてもらえないんでしょ」

「それをしたら、やらせになるだろ。ぶっつけ本番。だから、日頃の自分が全部出てしまう。お前の場合は、その場がしらけるような言葉は使わないようにすること」

「何度も言わないで、緊張してきた」

「お前の友達は来るのか?」

「何人か遊びに来るって行ってた」

「神宮寺は?」

「あいつは勉強が忙しいよ。テストがあるみたいだから来れないんじゃないかな」

「ふーん、真面目」

「私も勉強を教えてもらってるし」

「俺が教えてやろうか」

「いいよ」

「お前よりはできると思うから」

「自信満々だね。復活してるじゃない」

「当然」

「何だか緊張してきたな」

「自力でがんばれよ。俺はフォローはできないから」

「冷たいなあ」

「ライバルだから当然だろ」と笑っていた。


 東条さんが帰ってから、家事などを終えて、お店に顔を出したら、母が休憩中で、

「疲れたわ」と伸びをしていた。

「お疲れ」

「真珠、いつも悪いわね」

「いいよ。気分転換してるし、こうでもしてないと落ち着かなくて」

「それで大丈夫なの?」

「お店の顔はつぶせないものね。がんばる」

「そうね、がんばって宣伝して」

「お母さんもね」とにらんだ。

「私も応援に行こうかしら」

「お客さんが来るでしょ」

「そうだけどね。でも、意外ね」

「なにが?」

「あの男、父親には似てないのかもね」

「東条さん?」

「そうね。真珠のことは心配してるみたいね。それは意外だった」

「そうかなあ? 失敗したら推薦した自分の責任になるから」

「それもあるけれど、あなたのことも心配していると思うわよ」

「そう?」

「確かに言い方は気に入らない部分があるけれど、父親とは違うかもしれないわね」

「お母さん、この間、東条さんのお父さんに会ったよ」

「ふーん、そう。あまり近づいては駄目よ」

「分かってる。ただ、最初に私を見たとき、お母さんと私を間違えて、お母さんの名前を呼んでいたの」

「そう」母が考え込んでいて、

「あの人」と言いかけたら、

「いいから、がんばりなさいよ」と母が戻ってしまった。

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