敵の本拠地3
「これは本当だよ。お前に俺のことを教えた人がどう言ったのかは知らないが、俺は相手にここまで説明したことはないよ。長く付き合いたいと思えた女性は一人もいなかったし」
「だって、何度か女性を学校に連れて行ってたんでしょ。ここにだって女性を連れ込んで」
「誤解だ。下の階までだ。占いをした後に食事した程度だ。この部屋に軽々しく女性は入れてないよ」
「どうして?」
「プライベートを見せたくないし」
「どうして?」
「警戒はしてるよ。金目当ての子だと、途中でずうずうしくなるケースもあったから。キスしただけで彼女面して、俺の友達にもずうずうしく振舞われたら、ちょっとやっかいだし」
「身から出た錆じゃない」
「こっちはそこまでじゃないと思っていても、女性が勘違いしてしまうことだってあるさ。俺は見た目がいいから、それで俺を取り合っていた女性たちもいたしね」
「ふーん、自慢はいいから」
「違うよ。お前は誤解してるよ。確かに遊びというか、女性と付き合ってもその場が楽しければそれでいいかと思っていたけど、でも、やめるつもりだから」
「やめなくていいわよ。そのまま続けなさい」
「ちょっと疲れてきたところがあるし」と言った後、黙っていた。
「私には無理です。あなたがどう思っていても、無理。好きな人がいるからね」
「あいつと付き合えると本当に思っているのか?」と聞かれて、さすがに言い返せなかった。
「見返りがなくても思い続けるって言うのは、ちょっとな」
「いいでしょ。好きなんだもの」
「相手が別の人とデートしているかもしれないぞ。それでもいいのか?」
「大丈夫だと思う。あなたとは違う」
「じゃあ、ちゃんと言えばいいだろ」
「時期が来たら言うわよ」
「時期って?」
「ちょっとあるの」
「とにかく、考えておいてくれよ」
「嫌です」
「まだ、怒ってるのか。そういうかわいい顔で言われるとさすがに堪えるからやめてくれ」
「かわいい? 魅力がないって言ったのはどこのどいつよ」
「ごめん。言葉のあやだ。つい、売り言葉に買い言葉で言いすぎただけ」
「言いすぎ? あれだけ言っておいて」
「お前だとつい口に出してしまうだけだよ。でも、ごめん。反省してる。それに俺は女性にほめ言葉なんて気軽に言えないから、お前には反対のことを言ってしまっただけだと思うし」
「嘘ばっかり。今まで散々女性に綺麗だと言ってるくせに。嘘つかなくてもいい」
「違うよ。本命と言うか、本当に好きになった人には言えないかもしれない」と言われて、うそ臭いなあとにらんだ。
「怒るのはやめてくれよ、反省してる。学園祭もあるし、仲良くやっていこう」と言われて、
「無理」と、そっぽを向いた。




