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「それでは、始めます。初めの人は出て来てください。」
「はい。」「おう!」
相手はドレッド家の側近のグレイだ。確か、ルイスの従兄弟だったはずだ。
「なんだよ…大将じゃねぇのかよ。」
「貴様ごときに、ルイス様が出るまでもない。」
「よく言うぜ。ウラドに瞬殺された奴の癖に…お前もよく、そんな奴の側近なんか、やってるよな。」
「貴様…覚悟はできてるか?」
「少しは楽しませてくれよ?」
「それでは、始めてください!」
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ドレッド家の嫡男の従兄弟なので、グレイは闇属性の魔法師だった。
「闇よ…敵を貫け、シャドウランス」
「土よ…俺を守れ、アースウォール」
グレイのシャドウランスがドイルが作った土の壁に激突した。土属性は攻撃力と防御力が他の属性と比べてかなり高い。だが、展開速度が遅い。というのが、特徴だ。アースウォールはシャドウランスが当たったが、残っていた。その隙に、ドイルは次の魔法を展開していた。
「土よ…敵を潰せ、アースハンマー!」
ドイルが魔法を発動させると、グレイの頭上にデカイ土の塊が出現した。対処法は二つあり、土を迎撃するか、回避するかのどちらかだ。これは人それぞれだろう。グレイは迎撃を選択した。
「闇よ…敵を貫け、ダークアイスランス」
ダークアイスランス、闇属性の氷系統魔法だ。紫色の氷の槍が土の塊を貫いた。土属性は氷属性とは相性が悪いので、容易に貫かれる。それにしても、簡単に貫き過ぎだ。グレイもあまりの手応えのなさに、疑問を持っていた。氷の槍に貫かれた土の塊が突如、砂に変わった。それにより、グレイは頭の上から大量の砂を浴びることになった。
「ダークウィンドウ」
グレイは視界を取り戻すために、黒風を使い、砂を飛ばした。だが、グレイは砂に気をとられすぎて、一瞬だけ、ドイルのことを忘れてしまった。
「ノア、第一形態変化!」
ドイルはグレイの後ろに回っていた。ドイルはハンマーを振りかぶって、グレイに当てようとした。明らかに反応をしてはいるが、避けられないタイミングの攻撃だった。
「ティア、第一形態変化」
グレイの第一形態変化はマントだった。ハンマーとマントが激突すると…
バァッッッン
グレイは吹っ飛ばされているが、戦闘不能になるほどのダメージはもらっていない。
「そのマント、なんなんだ?」
ドイルは手応えのなさにびっくりしている。明らかに直撃を受けたにもかかわらず、グレイは立ち上がった。
「私の第一形態変化は守りがメインなので、そう簡単にはやられませんよ?」
「そういうことか…だが、ダメージを無効にしてるわけではないから多少は通ってるみたいだな。」
「くっ…」
「我慢比べなら俺は負けないから、叩き潰してやる。いつまで耐えられるか、見ものだな。」
「闇よ…刃となれ、ダークソード」
グレイは守りは硬いが攻撃しなければ、勝つことができない。なので、守りはマントにまかせ、攻撃に重点を置いている。ドイルは守りのことは考えずに、攻撃しかしない。
「土よ…敵を貫け、アースランス!」
土の槍がグレイに襲いかかった。グレイは魔力強化で身体能力を向上させて、槍をかわしていく。多少の当たりはマントが守ってくれるので、少し無茶をしながら、ドイルに接近している。
ガキンッ
ハンマーとダークソードが交わった。
ドイルのハンマーは一撃の威力は勝っているが、細かい動きが苦手だ。対して、グレイは一撃の威力は低いが、細かい攻撃で削っている。グレイは剣術をやっているのか、剣を使っての攻撃が上手い。このままでは、ドイルが隙をみせてそこに最大攻撃を貰ったら、ドイルが負ける。すると、グレイの足下の土が盛り上がり、グレイを空中へ飛ばした。
「チクチク攻撃しやがって、まとめて返す!」
ドイルは自分も同じように飛び上がり、グレイに攻撃した。
「空中じゃ、避けれねぇだろ!!!ゴーレムバーストパンチ!!!」
「くっ…」
グレイは少しでもダメージを少なくするために、黒風を使って、避けようとした。しかし、グレイはそこまで、風系統が得意じゃないのか、完全には避けきれなかった。体半分に攻撃を食らった。ハンマーから巨大なゴーレムの腕が出て来て、グレイを地面まで、ぶっ飛ばした。ルナの時とは違って、直撃でさらに追加で地面に落ちた時のダメージが加算されているから大ダメージだ。土埃が晴れると、グレイは気を失っていた。
「そこまで、勝者ドイル!」
「よっしゃー!!!」
ドイルはかなり喜んでいた。
「ウラド、勝ったぞ!!!」
「ああ…」
「それより、なんであんなに強い奴がいるんだよ。あれならルイスよりも強いぜ?」
「ああ…俺もびっくりしている。あと少しで、ドイルが負けるところだったからな。」
「おう…むしろ、あれが次期当主の方が良い気がするけどな。」
ドイルは俺によく、ボコボコにされているが、それでも一応、次期当主だ。弱いわけがない。それとほぼ、互角に戦ったグレイは相当強い。
「それはしょうがないだろ。本家に産まれなかったからな。」
グレイは分家に産まれたので、次期当主になることはほぼ、不可能だ。
「魔力を見る限り、強いのが一人いるな。」
「ああ…あの女の子はかなり強いな。」
その方向を見ると、水色の髪をして赤い瞳をした背の低い子がいた。髪の色と瞳の色が違うのは珍しいことだ。身長は百五十はないだろう。
「あの子と戦うなら、苦戦をするな。」
「あの子の名前はレイナ・フォーリアですよ。」
いつの間にか、後ろにいたリュウカが話しかけて来た。フォーリア家は氷の八族だ。
「あれがそうか…実力はかなりあるな。だが、どうして目が赤いんだ?」
「直接聞いたら、精霊と契約した時に変わってしまったと言っていました。」
「直接、聞いたのか?」
「はい。友達ですので。おかしいですか?」
「いいや、なんでもない。」
リュウカは見た目の割りに図太いようだ。おそらくは懐に入るのが上手いのだろう。普通は目が赤くなったことに対して、コンプレックスを持っていてもおかしくないが、それを聞きに行くのは相当難易度が高い。ましてや、相手は八族だ。八家であるリュウカが聞けることなのかは微妙なところだ。
「それにしても、周りの奴らは盛り上がってるな…」
一番手であるドイルが勝ったことにより、A組の連中がやる気を出している。その中心にドイルがいる。あいつは盛り上がるのが好きなだけだが…
「まぁ…ドイルさんが勝ったのでそれに乗っかってるだけですけどね。」
(この子は本当に見た目と中身が違うな…)
「次は俺が行ってくるぜ!」
クラスメイトのうちの一人が名乗りを上げて、出て行った。それから次々と試合を消化して行った。




