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「それで、あなたたち三人は昨日はなんでサボったの?」
「嫌な予感がしたからです。」
「めんどいから。」
「今まで、サボったことがなかったので、やってみたかったからです。」
「あなたたちは、私のことをバカにしてるの⁉︎」
今は、メリア先生に説教をされている。教室に入った瞬間に捕まった。朝早くから待ち構えていたらしい。
「いえ、バカにはしてないですよ?」
「おう。」
「ええ。」
「あなたたち、本当はバカにしてるでしょ⁉︎」
「そんなことはないですよ。勘違いをし過ぎですよ。」
「それじゃあ、これからはサボらないでよ。」
「歴史と実技の授業は出ようかと思います。」
「俺は実技を」
「私は出来るだけ、出ます。」
「全部、出なさい!!!」
「けど、魔法学は学園で習う内容は全て終わってるので…」
「授業は眠いから…」
「私も終わってるんですよね…」
「そういう問題じゃありません!!!」
「そんなに怒ってばっかりだと、老けますよ?」
「うんうん。」
「せっかくの綺麗な顔が勿体無いですよ。」
「あっ…今、動揺した。」
「流石に生徒に手を出したらダメですよ?」
「流石に私も先生には手を出したくありません。」
「あっ…フられた。」
「あ、あなたたちは私を本気で怒らせたいようね…」
「いえ…そういうわけではないですよ?」
「おう。」
「ええ。」
「それにセレナにも怒られましたから。」
「なんて?」
「今度からは私も連れて行けと。」
「セレナ、来なさい!!!」
「はい?なんでしょうか?」
「どういうこと⁉︎説教をするならちゃんとしなさい!!!」
「いえ、ちゃんとしましたよ?」
「私も連れて行けと言ったって言われたわよ⁉︎」
「はい。」
「はい、じゃなくて…」
(シャドウウォーク)
先生がセレナに説教をしてる間に俺はドイルとミハイルを連れて教室から脱出した。
「教室に入って、会った瞬間に先生の説教が始まったのはビックしたな。」
「ああ…」
「これから、どうしますか?」
「午前中は歴史の授業はなかったから出るつもりはないな。午後には実技があるから戻るが…」
「俺も午後からでいいや。」
「では、私もそうしましょう。」
「おっ。ミハイルもだんだん悪くなって来たな。」
「授業を聞いてるよりもあなたたちといた方が楽しいですからね。」
「セレナとルナにも連絡しないとまた、怒られる。」
「では、私が伝えましょう。」
ミハイルがそう言うと、紙に書いて、風で飛ばした。おそらくはセレナとルナのところに届くのだろう。
「便利な魔法だな。」
「はい。ただ、距離が遠いと魔力を使い果たしてしまいます。」
「なるほど、どんな便利な魔法にも弱点があるんだな。」
「長所ばかりの魔法など、存在しませんからね。」
「それよりもどこに行く?」
「なら、あの店に行くか?」
「そうだな。」
「けど、学校から出たら、後がめんどくさくないですか?」
「確かにな…」
「そういえば、ここの闘技場って二つあるらしくて、片方は新しくて近いところにあるんだけど、もう片方は遠くにあって、古いそうだ。だから、古い方には人がいないらしい。だから、そこに行こうぜ。」
「ついでに自主練をすればいいか。その情報は誰からだ?」
「姉貴からだ。」
「なら、信用できるな。」
「おい、どういうことだよ⁉︎まるで、俺が信用できないって聞こえるぞ!!!」
「事実だろうが。」
「そんな事実は存在しない。」
「前に女の人がたくさんいる店に連れて行かれた時に入ったら、女装をした男だった時があったよな?」
「うっ…」
前に一度、連れて行かれたことがあって、その時に起きた事件だ。入った瞬間に帰ったのだ。流石にそういう趣味はないからな。
「それは災難ですね。」
「ミハイルも気をつけて置いた方がいい。」
「そうします。」
ドダダダダダダッ
ルナとセレナが走ってきた。二人ともかなり全力で走ってるようだ。
「ハァハァハァ…兄様、お、待たせ、しました…ハァハァハァ…」
「息を整えた方がいいよ?セレナもね。」
「は、はい…ハァハァハァ」
「二人ともどうして、そんなに息が切れてるんだ?」
「いえ、初めの、内は歩いていたのですが、途中から、知らぬ間に競争になってまして…」
「どうして、競争になるんだ?」
「それは内緒です…」
「まぁ…いいか。それよりも早く移動しちゃおうぜ。先生に見つかったら厄介だ。」
五人で移動した。
「ここが古い闘技場か…」
「本当に少しボロボロですね。」
「流石にまだ、使えるみたいだけどな…」
「兄様、とりあえず、入りましょう!」
ルナはそう言って、腕に抱きついて来て、そのまま中に入った。ルナはセレナが王様を説教をしたというのを聞いて、よりスキンシップが激しくなった。今頃はセレナは悔しそうな顔をしてるだろう。
「この辺もヒビが入ってるな…」
中に入って行くと、古いせいか、所々にヒビが入っている。だが、所々に修復された跡があった。おそらくは誰かが、修復したのだろう。だが、明らかに素人がやった直し方だ。この修復した人はこの闘技場を大切にしていたのだろう。そして、闘技場の中に着くと、かなり整備されていた。すぐにでも使えそうなくらい綺麗にされていた。
「この闘技場はかなり、大切にされていたみたいですね。」
「ああ…」
「とりあえず、掃除から始めましょう。」
「そうだな。」
流石に数年ほど、放ったらかしにされていたら、埃などが溜まっている。
「ドイル、掃除道具を持って来なさい。」
「おう…じゃなくて、なんでルナは俺にそんなに上から目線なんだ?」
「私に勝てない男なんて、私にとっては虫と一緒です。それもドイルは勉強よりも戦闘よ方が得意なのでわすから、なおさらです。」
「何も言い返せない…」
ドイルはルナに初めて戦った時から何回か、戦っているが、一度も勝てていないのだ。
「ほら、早く行きなさい。」
「ああ…」
「ウラド様、魔法障壁の確認に行きましょう。」
「わかった。」
「なっ⁉︎」
セレナはさっきのお返しと言わんばかりに腕に抱きついて来た。
「あちらに装置があるので、私たちは確認して来ます。二人で十分ですので、心配しなくて良いですよ?」
「くっ…」
セレナは完全にルナのことを見て、言った。
「では、ウラド様、行きましょう。」
「ああ…」
客席の裏の近くに魔法障壁を制御する機械が設置されている。
「古いが、一応起動するようだな。」
機械を起動させると、客席とステージの間に魔法障壁が展開された。これは客席に魔法が行かないようにするためだ。ただ、最新のものと比べると、強度が違うようだ。
「よし、これを直すか…」
「ウラド様はそんなことができるんですか?」
「いや、俺じゃない。コランに頼んで、やってもらう。」
「コラン様にですか⁉︎」
「ああ…今から呼ぶ。」
ポケットから魔道具を出した。そして、魔道具にあるボタンを押しまくった。すると、魔道具が赤く点灯した。
「よし、これで大丈夫だろ。」
「その魔道具はなんなんですか?」
「この魔道具は二つで一つの魔道具なんだが、片方がボタンを押して、ライトが光ると、もう一つの魔道具のライトも光るようになっているんだ。だから、コランが持っている魔道具も赤く点灯している。そして、この魔道具はもうひとつの魔道具の場所の方向をライトで示してくれる。」
魔道具は赤く点灯し、赤い光が北の方向を向いていた。
「凄く便利ですね。」
「ああ…特に樹海や密林とかでは、便利だな。」
樹海や密林はかなりデカイ木で囲まれているため、ハグれた場合、合流がかなり難しくなる。とりあえず、木の上に登り、そこから信号弾を撃って、その場所に集まるというのがセオリーだ。しかし、この場合に合流ができる条件として、信号弾が上がっている時に、全員が木の上にいることなのだ。地上にいる場合、空すらも見えない時があるので、そうなると途端に難しくなるのだ。その点、この魔道具は魔力を補充すれば、常にもう一人の場所の方向がわかるので、かなり便利なのだ。
すると、赤い光が上の方向を向いた。
「そろそろ、来るな。」
「えっ?」
突然、目の前に雷が落ちてきた。
「ウラド、なんのようだ?突然、魔道具が光ったからビビったぞ。」
「ああ…この魔力障壁を作り出す魔道具を改造してくれないか?」
「・・・まさか、お前はこれを改造をさせるために呼んだのか?」
「?、ああ…そうだが?」
「なら、赤くまで点灯させるんじゃねぇよ!!!」
「コランは赤くしないと来ないだろ…」
「お前が初めて赤く点灯をさせたから、焦って全力で駆けつけたんだぞ⁉︎」
「そんなに心配してくれたのか…悪かったな。」
「別に…で、これを改造すればいいのか?」
「ああ…俺でも多少は強くできるが、コランの方が確実だからな。」
「まぁ、さっさとやって研究に戻る。」
「そうしてくれ。セレナ、ここは俺とコランでやるから他のところの手伝いをして来てくれ。」
「・・・わかりました。」
セレナはかなり不満そうな顔をしていたが、従ってくれた。
「・・・そういえば、俺以外に固有持ちはいたか?」
「いや、俺の情報力ではこの国には固有持ちがウラド以外にいなかった。だが、一つの国に複数いることがあるから、そんなわけがないんだが、上手く隠しているとしか、思えないな…」
「そうか…実は俺の精霊の力を使って、調べたんだが、固有持ちが集まって何かをしようしているらしい。」
「固有持ちが集まるだと?」
「ああ…メネシスは闇精霊の中で頂点に近いところにいるから自分よりも階位が低い精霊に命令することが可能なんだが、それで人では感知が難しいほど小さい精霊に頼んで、情報収集をしたんだ。すると、一つの場所にかなりの魔力を持った奴らがいるらしい。」
「精霊が言うなら間違いがないだろうな…場所はどこなんだ?」
「それで場所はウラノスとビクトルの間にある山の中だ。」
「なんだと?あそこは、魔物が大量にいるところで、しかも、環境がかなり厳しいはずだぞ?」
「そんな場所でも容易に生活ができるほどの魔法師ということだ。」
ウラノスは三つの国と接している。まずは北にバハラ、そして、東にビクトル、南にディルマだ。西は海なので、国は存在しない。バハラはビクトルにとっても、北に位置する。一番上にバハラ、そして、その下に西側にウラノス、東側にビクトル、さらにその下の西側にディルマ、東側にソルヴェールだ。ソルヴェールはウラノスにとっては、南東に位置する。
ウラノスとビクトルは国として、接しているが、国境にある山脈により、ある一箇所以外ではウラノスとビクトルの間を移動することはできない。ある一箇所とは山脈が途切れているところがあるので、そこを通ることができる。その山脈を通ることができないのは、険しいからではなく、魔物の多さから、超えることができないのだ。難易度は龍九の谷ほどではないが、それに等しいほどだ。
「そう考えると、相当ヤバイ連中だな。」
「ああ…おそらくはいつか、俺と接触するだろう。」
「気をつけろよ?」
「最悪、この魔道具を使うかもしれん…」
「その時は、死ぬ気で駆けつけてやる。」
「頼むぞ。それに、俺でも敵の能力によっては勝てないかもしれないからな…」
「おいおい、そんなに弱気でどうするんだよ。」
「敵が光属性を持っていたら、終わりだ。」
「そういえば、そうだったな。だが、光と固有のダブルなんているのか?」
「実際に俺が闇と固有のダブルだから、ないとはいえない。」
「確かに…だが、普通は固有だけのはずだからな。」
固有持ちは無属性と固有属性の二つを扱う奴がほとんどなのだ。たまに俺のように無属性と固有属性以外に属性を持ってる奴もいるが、今のところ、俺が聞いたことがあるのは俺以外に一人だけだ。確か、ディルマに一人いるらしい。
「光属性持ちがいないことを祈るしかないな。」
「そうだな。」
二人は情報を交換しながら、魔道具を改造していた。




