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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編!後期!
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第78話 旅行と言ったらお土産選び!


「お土産屋さんだー!!!」


 みくるが目を輝かせてお土産屋に入る。


「さあさあ急いで選ぶのじゃー!!」


 今の時間はそろそろ14時。レンタカーを返す時間的に19時には大学に着いていたい。4時間くらいで着くからきっとなんとかなるけど、途中サービスエリアに寄ったり、夜ご飯を食べたいとなるとやっぱりギリギリ。

 なるべく早くここを出発したい。そんな目論見があった。


 そんなことは露知らず、楽しそうにお土産を選び始める。


「来る時のサービスエリアでも思いましたけど、やっぱりリンゴのお土産が多いですね〜!」

「あ!雷鳥のやつだ!これ美味しいよね〜!」


 みんなが思い思いにお土産を選ぶ。その様子を冷や冷やしながら眺める先輩組。


「あ、お蕎麦だぁ!昨日の美味しかったし買ってこうかなぁ」

「そんなに美味しかったんですか!?」


 美味しいと聞いて、すぐにぼたんが興味を持つ。ついでにカゴに入れる。しかも何個も。


「うん、美味しかったよぉ。でもそんなに入れる…?」

「え…?美味しいならと思って…!」

「いやまあ美味しかったけどもぉ…」


 ぼたんには好きに食わせておけばいいかぁ。

 

 

 蕎麦を手に取ろうとすると、近くのPOPが目に入った。


「長野の救世主!力強い蕎麦の歴史を噛み締めろ!だってぇ」

「ほえー…!なんかかっこいいですね!」

「蕎麦は江戸からいつも貴方のそばに!だってー!」


 いつの間にか近くに来ていたみくるが別のPOPを読み上げる。


「個性的だねぇ…!?」

「あー、確かに長野と言えば蕎麦よね」


 続々とみんなが集まる。


「蕎麦ってそんなにすごいのぉ?」

「そうね、救世主ってもあながち間違いじゃないかも」

「どーしてー?」

「もちろんビタミンB1とかの栄養素もあるんだけど…特にはあれね、育てやすかったかららしいよ」


 育てやすかった?


「田んぼも多かったよ?」


 みくるの言う通り、高速道路を降りた先では畑や田んぼっぽいものが多く見えた。普通に栽培が出来そう、そんなことを思って聞いてみると。


「んー…それより気候がって話だった。ほら、寒いとお米も育たなくなっちゃうんでしょ?」

「やませとか冷害で枯れるって聞いたな」

「そんなこと聞きましたっけ…!?」

「聞いたぞ。小学校の地理の授業で。」

「あー…あー…!!」

「ぼたん?授業ちゃんと聞いてなかったの?」


 ぼたんは死を覚悟した。まあ後でいいかって一旦は見逃してくれたから、もう少しだけ生きていられる。


「寒いとこでも、山に囲まれた水はけが良すぎるところでも育ったのが蕎麦だったって聞いたかな。」 

「山…もしかして山奥に蕎麦屋さんが多いのって…?」

「そういうことかもしれないね」


 お米って万能じゃないんだ…。


「救荒作物って言って、お米が枯れちゃった時に急いで植えて食べれる、命を繋ぐ作物だって。だから救世主は間違ってないんじゃないかな。」

「なるほどー!蕎麦ってすごいんだね!」

「よくそんなこと知ってるねぇ」

「もみじは栄養学専攻してるからなー!」


 かおりが自慢気にガッと肩を組む。もみじは迷惑そう。すごーい!とみんなが褒めると、もみじはちょっと恥ずかしそうにする。

 かおりはもっと照れてる。なんでだよ。


「じゃあさっき言いかけてたビタミンB1?ってやつもすごいのー?」


 身を乗り出して聞くみくるに、もみじの頬が緩む。


「そうね、糖質をエネルギーに変える働きをしてくれるから、ちょうど疲れてる私たちに最適かも」

「蕎麦いっぱい食べなきゃ!!!!」

「太るよ」 


 姉妹漫才を繰り広げ、ぼたんが蕎麦を買い込む。ちゃんと止められ、いくつか商品棚に戻させられていた。


「やべっ、時間が!!」


 20分くらいと見ていたお土産時間。いつの間にか40分経っていて、真剣に時間がやばい。

 

 蕎麦談義で時間食っちゃったな…。

 

「もみじ、行くよ」

「はいよ」

「じゃあ私らは車動かしてくるから、みんなも早く買って出ておいで!」

「はーい!」


 車を暖め、雪で少し狭くなった道からなんとか無傷で出せた。


「いやー…時間って忘れちゃうね」

「私のせいだね、ごめん」

「いやいや!あの解説はあの子らにはいい勉強になるでしょ!」


 そうだといいな…。もみじがポツリと呟く。かおりはなんとなく聞こえないふり。


「確認不足だったのは私の方だからさー、あんま責めんくていーよ」

「じゃあ尻拭いは任せた。制限速度無視してぶっ飛ばせ。」

「そこまでとは言ってねーよ!?」 


 もちろん安全運転で帰った。道中のSAも全部寄った。





「ありがとうございました!!!」

「寒いから風邪ひくなよー!」

「またね」


 みんなと手を振って別れる。あーあ、旅の終わりってなんでこんな寂しいんだろ。


「ここまでずっと運転って大丈夫?全然代わっても良かったのに…」

「まあここから運転してもらうからさー!その代わりと言うか!」

「それでも全部は長いでしょうよ…。」


 長野からの帰り道。かおりはSAで休み休みとは言え、かなりの長距離を運転した。しかも慣れないミニバン。疲れているはずだ。


「軽で慣れてると、細い道は特に怖いからね」

「かおりって優しさが不器用というか、パワーで優しさを見せてくるよね…」

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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