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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編!後期!
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第76話 雪国の野菜


「そろそろ疲れてきた〜?」

「もう…むりぃ…」

「怪我する前に部屋向かおっか」

「無理は良くないもんね!」

「もう割と無理してません…!?」


 ホテルの部屋に戻ったら戻ったで、風呂入ろー!お風呂ー!!とワイワイ元気なかおり。

 昨日からずっと運転して寝てないのになんでこんなに元気なんだろう、と疑問に思う。

 きっと大学3年生はすごいんだろう。


「お風呂入ると疲れが一気に出るから、お布団敷いてから行こー!」


 ちゃっちゃとお布団を敷いて、ぽっかぽかのお風呂に向かう。


「1番風呂だぜ〜!」


 とお風呂の扉を開けると、そこにはシャワーが5つ。対してこちらは6人。


「…私の屍を越えていけ!!」


 かおりが屍モードから動かなくなったから、それはもうみんな急いで洗い上げた。なんなら髪の毛洗ってると長くなるし一旦無視して身体だけ洗った。


「ありがとーう!!ふっかーつ!!!」


 良かった。命が失われずに済んだ…。




「先に入るねぇ」


 とマリーが最初にお風呂に入ろうとする。足先を浸けると、


「あっつぅ!?」


 え!?そんなに!?って表情でみくるがこっちを見てる。


 道連れじゃ〜


「あつっ!!!?」


 ふへへ、いい気味だ。ん?ぼたんも気になってるみたいだねぇ…!

 みくると協力して引きずり込む。


「ぎゃああああ!!」


 おっとぉ、孤独に怯える少女がいるじゃないかぁ。


「大丈夫だよぉ、私たちがいるからねぇ」

「ピィッ…!あつつつつ!!!!!」


 雪国の温泉は妙に熱いらしい…。超高速で100まで数えてみんなで出た。

  

 

 

「寒暖差かなぁ…ちょっとクラクラするぅ…」

「もしかして整ったってやつじゃない!?」

 

 だとしたら死にかけてるでしょ…。そう返そうと思ったけど、確かあれって本当に死にかけてるんだっけぇ…。


「整ったのかもねぇ」


 …返事がない。今の一瞬で寝ちゃったみたい。


 むくっと起き上がって周りを見ると、気付かなかったけど屍だらけ。


「生き残りは私だけかぁ…。」


 そのことに気付くと、マリーもすぐに睡魔に敗北した。


 




「ご飯です!!!!」


 ぼたんが突然そう言い放つ。


「んん…?おはよ…ぼたんちゃん…どーしたの…?」

「ごはんです!!!!!」

「そかそか…ご飯か…ふわぁ…みんな行けそー…?」

「お〜…!」


 力なく応え、HPギリギリのほぼ瀕死の6人はご飯の会場に向かう。



「今日のメニューは、雪下野菜の豆乳鍋になります。ごゆっくりお楽しみください。」


 美味しそうな料理が並ぶ。お鍋をメインに、オシャレな創作料理ってやつなのか、綺麗にお皿の上に盛られている。


「美味しいですー!」

「雪を見ながらお鍋なんて…お洒落だねぇ」

「でもこんな早い時間からお鍋ってすごいよね!」


 外は若干暗い。よく眠った後であんまり気にならなかったけど、今は何時頃なんだろう。


「あれ…17時30分だ…。」


 えっ!?朝だと思ってた…。

 

「意外と分かんなくなっちゃうな!」

「そうだねぇ…。ん、このニンジン甘くて美味しい」

「キャベツも美味しいよー!」

「ダイコンも甘いな」

「ネギもとろとろです!!」

 

 なんか特別な料理方法があるのかな?ちょっと気になっていると、女将さんがお話しに来てくれた。


「お楽しみいただけてるようで何よりです。そのお野菜、雪下野菜って言うんですよ。」

「雪下野菜??」

「その名の通り、雪の下で育った野菜の事です。雪の下で糖分を蓄えた、雪国ならではの野菜なんです。」

「へ〜!女将さん!なんで甘くなるのー?」


 みくるが聞く。興味津々だ。

  

「申し訳ありませんが知識不足で…。でも卸してくださる農家の方からは、雪に埋めなきゃあの甘さは出ない!とよく伺っております。」

「そうなんですねぇ…!ちょっと調べてみます!」


 マリーがそう言うと、女将さんは深くお辞儀をした。


「雪の下に埋まると、野菜は凍らないためにデンプンを糖分に変換します。呼吸が抑えられて糖分の消費は抑えられます。そして、硝酸態窒素?ってやつが抜けることで、エグ味がなくなります。だってぇ」

「なにそれ!なんかすごい!」

「凍らないため…?糖分多いと凍らないんですか?」

「あ!あれじゃないか?グラウンドとかが凍らないように撒く…えーと…」

「にがりー!!中学の頃、冬にアホみたいに撒きまくったな〜!!」

「それと同じってことだねぇ」

「野菜って賢いんだね」


 そんな6人の会話を近くで聞いていた女将さんがまた話に混ざってくる。


「そんな野菜の力強さと人間の知恵が混ざった物だったんですね…!これからお客様に案内できます。ありがとうございました!」


 と、再度深々頭を下げた。それに対して、いやぁ…とみんな照れる。


 ちょっと興味が出ちゃっただけだもんねぇ。


 

 

 雪下野菜のお鍋を楽しんで、お部屋に戻った。


 その後はもう早かった。歯磨きだけして、すぐに眠った。それはもう死んだみたいに誰も起きなかった…。





「ご飯です!!!!!」


 朝の静寂の中、またもぼたんが言い放つ。


「よく気付くねぇ…なにで感じ取ってるのぉ…?」

「匂いです!」


 くんくんと匂いを嗅いでみる。なんにもしない。


「…?みくるー、ご飯の匂い感じるぅ…?」

「んー…カモミールのいい匂い…」

「聞く人を間違えたなぁ。ひのきー」

「ん…?ご飯の匂い…?お腹すいてない…」


 パタリと倒れ込んだ。こりゃもう起きなそうだ。


「私も…もうちょっと寝るねぇ…。」


「ご飯です!!!!!」


 全員叩き起されたし引きずり出された。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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