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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編前期!
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第9話 新しい環境…に行けたらいいね!

「…え!?強制的に…入寮…!?」

「そうだよぉ!?え、なんで知らないの!?資料にもHPにも、合格後に届いた資料にも全部書いてあったでしょ!?」

「うぅ…カモミール眺めてたらあっという間で…」

「みくるはこれだからぁぁぁ…!」


 合格後、みくるはすぐに種を、培養土を、そして大きなプランターを購入し、カモミールを育て始めた。

 

 ……でも我慢していた反動か、大きなプランターを何個も買って、庭を埋め尽くしているらしい…。

 

 この前みくるのお家に遊びに行った時も、お母さんが苦笑いしていた。

「でも、あの子に好きな物、趣味が見つかったのはすごーくいいことかな。マリーちゃんありがとうね」

 その言葉に少し救われた。 


 でも、その趣味のせいでせっかくの合格を無意味にしたら流石にお母さんも起こると思うんだぁ…?


「とにかく!資料準備して!家にいっぱい届いてたでしょう!?捨ててないよね!??」

「捨ててないはず…多分…」

「多分!???」

「ごめんなさーーい!!!」


 資料を探しに、加茂家の奥地へと向かった。



 

「…え?こんなに書くの…?」


 みくるの前に置かれたのは、大量の紙、紙、紙。

 それも契約書や誓約書。名前書くだけなんだけど、一気に並べられるとかなり憂鬱になる資料たちだ。


 マリーが眼鏡をかけて、本気出すよぉと準備運動を始める。伸びをしている間にみくるは資料を1枚確認してみる。


「せ、誓約書…甲が私で…?乙が…?ん…?」

「貸して! …んーとこれは、大学入って真面目に勉強してくれる?って聞いてる!これは…大学のルール守れる?って聞いてる!ルールの内容は…」


 みくるはほぉ…!すごいね!!と感心していた。

 それに対してマリーは、書けや…!と威圧。怖い。眼鏡をかけたマリーは性格がすごく変わる。とても怖い。


 でも、こういった難しい文章を読むのは苦手だからすごく助かる。こんなに良い友達ができて良かったな。

 

「何ニマニマしてるの?怒られるの好きなの??」

「違いますぅ…!!ごめんなさーい!!」


 マリー先生の優しいスパルタ指導でなんとか捌ききることができた。





 

 ——みなさん、ご入学おめでとうございます!


 外では雨が降っている。恵みの雨。種が芽を出す時には水が必要。だからこそ、今日この日に雨が降っているのは、天からの恵なんだそうだ。

 拍手が雨のように鳴り響く。私たち対する、恵みの雨。ここまで育ててくれた家族。これから育ててくれる先生。みんなからの、恵みの雨。

 この大学という大地にようやく芽吹いた。新しい新しい生活が始まる。そんな感じがした。




 

 

 話長かったなぁ。


 


 

 入学式を終えて、これからの住処となる寮の部屋に戻る。

「つっかれたぁぁぁ…」

「もぅ…むりぃ…」

 部屋に戻ろうと思ったけど、みくるとマリーは別々の部屋だ。そんなの当たり前でしょって?実はこの大学、2人1部屋なんだよね…。

 だから2人は部屋に戻るのが気まずくて、皆がお話する時に使うらしい談話室ってところに来て、気を紛らわせていた。


「疲れてるのに知らない人と仲良くなれだなんて…疲れちゃう…」

「ほんとにぃ…私の体力のなさを舐めるなぁ…」

「気を張ってるだけで疲れちゃうもんね…」


 ここでみくるがピーンと閃く。


「そういえば!私たちにはこういう時に飲むものがあるじゃん!!」


 ティーパーティーをしてから、みくるはカモミールにめっちゃハマった。それはもう驚く程に。

 お小遣い少ないよぉと嘆く割には、なんかやたらと購入量が多かったし、カモミールクッキーやカモミールコンポートの材料もめちゃくちゃ買ってきていた。

 更にはネットで大量に知識を蓄え、もはや歩くカモミール博士になっていた。


 …いや、カモミールを愛しすぎた結果、ヤク中のようになった。乾燥した花を手に迫ってくる姿はもはや薬に依存させる入口商人。そんなカモミール厨になっていた。


 まあ、カモミールティーとかクッキーはほどほどに食べる分には私も好きだし、植物を好きになってくれたし、悪い気はしないかなぁ。


 なんてことを考えてる間に、部屋からティーセットとお鍋、作り置いておいたクッキーを持ってきていたみたい。

 というかもうお湯が沸騰してたみたいで、ティーポットの中でカモミールが踊っている。


 

「もう!?!?早くない!???」

「えへへ、早く飲みたいって思ったら勝手に身体が動いちゃって〜!」


 身体が勝手に動いていた。なんかヒーローのアニメで聞いたことあるようなセリフだけど、みくるもいつか世界を救うのかもなぁ。カモミールで。


「何もできてなくてごめんねぇ…疲れちゃってぇ…」

「ううん!大丈夫!!私がちゃっちゃと準備しちゃったからー!」


 と、気付いたら目の前にはクッキーが用意されていて、もうそろそろ良さげな抽出時間を迎えるティーポットがあった。


 ピピピとアラームが鳴り、慣れた手つきでみくるが注いでくれる。


「いつもいつもありがとねぇ…」

 

 介護に感謝するおばあちゃんみたいになっちゃった。

 

「いいんじゃよぅ、お互い様じゃよ。」 

「両方おばあちゃんになっちゃったねぇ」

「おじいちゃんかもよ??」

「みくると結婚したら大変そうだから嫌かなぁ…」

「えー!ひどーい!」


 そんなショートコントをしていたら適温、飲み頃の温度になったみたい。


「「「いただきまーす!!!」」」


 3人のいただきますが響いた。

 

「ハムハム…おいしー!!」


 

 

「「だれ!???!???」」

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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危ない危ない…。というか家も確保せずにどうやって通うつもりだったんだ…?

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