↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
8/129

第8話 猛勉強の1年間!の1ページ

 1年間の思い出

 ②もったいないお化けは怖い。


 コップに口をつける。口の中にそれが入ってくると、お花畑が広がる。

 

 このリラックス感、何回飲んでも味わえて、なんか眠りにつくのも早い気がする。


 一緒に勉強の休憩時間。二人一緒にカモミールティーを飲み、クッキーを頬張る。

 

「そういえば、いつも出涸らし捨ててるよね?食べれないのかな?」

「んん…?まあ確かにぃ…?でもお茶の出涸らし食べることないし、あんまり食べるものでもないんじゃない…?」


 むー…とみくる。捨てちゃうのをもったいない!と思ってるみたい。

 でも、食べさせる動物とかいないし、ほうじ茶みたいに煎って香りを出すかなぁ…?


「そうだ!食べてみようよ!」


 え、人間が?と思ってしまった。飲んではいるし、クッキーにも入ってるから毒では無いと思うけど…。


 一緒に食べよ!とみくる。ご丁寧にティースプーンで出涸らしをすくい取り、手渡してくれようとしている。

 

「……わかったよぅ」


 押しの強さに諦め、食べることを受け入れる。こうなったみくるは止められない。

 

「「いただきまーす!!」」


 (うっ…なんだこれ…!?)

 パクっ。口に入れてみた。瞬間口に広がる、とてもとても強い香り。

 強い香りに、これ早く飲み込まなければならない!と、謎の防衛本能が働き始める。


 (早く噛んで…飲み込まなきゃ…!) 

 飲み込むために噛んでみた。古くなって割れやすいスポンジの食感の中からカモミールの強い強い香りが染み込んだカモミールティー、もはや香水が溢れ出してくる。

 良い香りの香水を飲んだらどうなると思う?吐き気がしてくるよ。

 

 喉が収縮し、これは飲み込めないと拒否を始める。なんか口の中が酸っぱくなってきて、カモミールティー諸々を吐き出す準備を始めている。でも、

 

((友達の前で吐きたくない…!!!))


 意思を同じくしてお互いを見る。目を見合わせ、アイコンタクトのみでせーのと喉をこじ開けて飲み込む。


「はーぁぁ…これは…これはやばい…」

「…もう二度と食べようなんて言わない…」

「ほんとに…勝手にやっといてぇ…」


 リラックスどころか真逆。交感神経が昂りまくり、もはや臨戦態勢の中、休憩時間終了のタイマーが鳴る。


「……水飲んでからにしない?」

「そうだねぇ…」


 ハーブの出涸らしは危険。絶対飲んじゃだめ。

 


 1年間の思い出

 ③どんなハーブを育てたい?

 

「ねぇねぇ、他のハーブは買ってくれないの〜?」

 マリーが聞く。他のハーブを育てて欲しい+うちの商品を買ってくれ!という魂胆のお願い。

 もちろん今は休憩中。

 

「買いたーい!!でも…今の状態だと絶対お世話忘れちゃうよぅ…」


 最近、みくるは勉強を頑張っている。今までは寝る前には、どころか送ったらすぐに既読がついて連絡が帰ってきたのに、今では翌朝だったり、お昼だったりとまちまちだ。


「勉強頑張ってるもんねぇ…」

「どうしてもマリーちゃんと大学行きたいからね!」


 へへ、ちょっと嬉しい。女たらしめ。


「じゃあ、大学生になったらどんなハーブ育てたい?」

「んー…なんだろ?そういえばあんまり知らないな」


 カモミールをしっかり育てられただけで、そういえばこの子はハーブ…というか植物を育てるの初心者だったなぁと思い出す。


「有名なのだと、ミント、ローズマリー、バジルとかかなぁ」

「あー!どれも聞いたことある!!」

「あとはマヌカとか、ルイボス、ベルガモットとかあるよぉ」

「???」

「ふふ、全然聞いたことないって顔だねぇ」 


 マリーがくすくすと笑う。


「でも、マヌカハニー、ルイボスティー、アールグレイティーって聞けば大体分かるんじゃない?」

「あー!それなんだ〜!!意外と色んなところにハーブって隠れてるんだね!」


 そうそう!と元気に反応するマリー。更に購入意欲を煽ってみる。

「もし育てたいのがあれば、うちになくても取り寄せてみせるからねぇ」

「おぉ…!かっこいい!職人だね…!」

「…買ってるだけだから職人ではないかなぁ」


 あまりの期待の強さにちょっと自信が持てなくなってしまった。あと褒めに入られちゃったから買ってもらえ無さそうだ。


「お菓子とか、料理とか、色んなものに使えるハーブがいいかなぁ」


 ふむふむ…とメモを取ってみる。

 そういえば、ローズマリーは色々使えた気がするなぁ。

「ローズマリーでいいんじゃないかなぁ?」

「おぉ!どんなものが作れるんですか!先生!」


 ほほほ、良き食い付きじゃ。


「お菓子であれば、リンゴとローズマリーのパウンドケーキがおすすめです!甘酸っぱい果実と…」

「別人格出てる出てる!!!」

「AIだよぅ…。」


 そのまま読み上げちゃだめみたいだ。作ったことあるからおすすめしてみたのに。


「前にローズマリーとリンゴのタルトを作ったことがあるんだけど、なんか、お店の味!って感じで高級感があって美味しかったよぉ」


 おぉ…!じゅるり…!と素晴らしい歓声が上がる。


「あとお料理ならフライドポテトに振り掛けても美味しいし、アクアパッツァ、ステーキにも使えるよぉ」

「えー!食べたい食べたい!!今はローズマリーないのー!!?」

「なんか急に枯れちゃったんだよねぇ…」

「おろろ…なんでぇ…」


 食欲をギリギリまで煽ってからのおあずけはかなり厳しかったようで、少しガチ泣き手前の表情で少し慌てる。


「受験終わったらすぐ育てようねぇ!?」

「…うん!」


 パァと顔が明るくなった。単純なやつで助かった。

 

「早く終わってくれないかなぁ!受験!」

「早く来たら勉強やばいんじゃない…?」

「それを言わないで…」


 目標達成の楽しみがひとつ増えた。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

いいねやフォロー、コメントで応援お願いします!


カモミールの出涸らしはやめた方がいいです。まじで。緑茶は美味しい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。