閑話 まろとマロー
「まろー!元気かー?」
「起き上がりましたよ…!かわいい…!」
「こっち向いてくれるようになったねぇ、半年で随分なれてくれたぁ」
「でもまろ眉は残っててくれて良かった〜!」
実習用の動物として大学に来たジャージー牛。まろ眉だから、勝手にまろと名付けて可愛がっていた。
「こんなに可愛いまろがそろそろいなくなっちゃうなんて寂しいよー…」
そう、実習用だから、ずっと来年度も同じ子じゃない。色んな作業の練習台になってもらって、年末にはばいばいするらしい。
「…お肉になるのかな」
ひのきが寂しそうに呟いた。えぇ…まだ可哀想だよ…とみくるとマリー。
「なんか、他の牧場に行くらしいですよ!」
「え!そーなの!」
ほっと一安心。良かった、まだきっと頑張れば会えるんだ…!
「お肉にするにはまだ早いってことで、他の牧場であと1〜2年くらい育ててから出荷されるらしいです」
「そっかぁ、それでも1、2年の命なんだねぇ…」
ちょっと寂しさ、残酷さを感じる。でもそれが人間の営みってやつだ。
まろの身体が大きくなっているのも、その時が近付いてるってことなんだろう。
「牛と言えば、ボーンマロー美味しかったですよね…!」
「あれは美味しかったな…!」
「最初はどうなるかと思ったけどぉ…」
「また食べたいな!ボーンマロー…!」
「まろ…マロー…なんかまろが怯えてる気がしない…?」
「そ、そうですね…似た言葉を出して食べるとか美味しいとか、よくなかったかな…」
なんかまろに申し訳なくて速やかにスっと立ち去った…。
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