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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編!後期!
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第60話 クリスマス会!


「かんせーい!!」


 今回のフルコースがテーブルの上に並んだ!


温菜:根菜とハーブのオーブンロースト

温前菜:ハーブバターを添えたローストボーンマロー

メイン:ハーブとシカ肉のワイン煮込み

デザート:ローズマリーとイチゴのグラスケーキ


「こんなに作ったのに、なんかあっという間でしたね!」

「最近私たちが慣れてきたっていうのもあるかもだけど…」

「今回はみくるの計画が完璧だったねぇ」


 えっへん!もっと褒めてもいいんだよ!と胸を張るみくる。あんまり褒めると調子乗りそうだ。



「熱いうちに食べましょー!」

「料理は熱いうちに食えだもんなー!」

「そうだねぇー!」


 もうツッコミはいいや!とにかく食べよぉ!

 


 

 まずは前菜!根菜とハーブのオーブンロースト!


 口に入れるとあっつあつのにんじんから、ハーブの香りをぎゅっと濃縮した果汁が飛び出してきた!

 回しかけたサルサヴェルデも良い香り。根菜たちの土っぽい香りを打ち消し、青々とした優しい香りにしてくれている。



 

 温前菜!ローストボーンマロー!


「そういえば最初しか触れてなかったけど…」

「これ…牛の大腿骨って何なんですかぁ…?」

「これはね、牛の骨髄、脂身をを食べるものなのよ!」

「なんか怖いこと言い始めた…!ピィ…ッ!!」

「骨髄…?ちょっと怖いし遠慮しとこうかな…」


 みんなの反応にちょっとしょぼんとする先生。


「ここね、神のバターって呼ばれるくらい美味しい脂身らしいのよ!だからみんなにも食べて欲しかったんだけど…」


 無理強いは出来ないわね…と言いかけてさらに落ち込むその前に、


「神のバター!?」

「美味しそうですね!!?」


 なんかすっげーキラッキラ目を輝かせて反応する2人がいた。先生もニッコニコ。

 何にでも興味示す人と美味しいものならなんでも食べる人がいてよかったぁ。


 ジュワジュワと沸騰する脂身をスプーンで削ぎ取り、焼きあがったパンの上に乗せる。あっつあつのバターを乗せているみたい。


「「いただきまーす!」」


 サクッ!とパンを食べると、中からジュワッと脂が溢れ出てきた。普段食べているもの比べ物にならないほど…


「「おいしー!!!!」」


 パクパクと食べ進める2人。そこまで言うなら…!?と、マリーとひのきも恐る恐る手を伸ばす。


 スプーンで取って、乗せてから食べてみる。


「えっこれは…!」

「めちゃくちゃおいしいねぇ…!」


 普段食べているバター、マーガリンよりも、なんというか…奥が深い、色々な味がする、肉旨みが濃い!というのが素人舌でもわかる。


 お肉の旨みが優しく、でも確かに濃縮されたそれは、下に乗せるとすぐに広がって…まるで、高級和牛の脂を絞って飲んでるみたい!


「楽しんでくれたみたいで嬉しいわ!」

「美味しすぎます…!!」

「こんなの全然知らなかったぁ…!」

「なんでこんな美味しいんだろー?」

「ふふ、それはね…!」


 と、しょぼんとしていたのが嘘みたいに生き生き解説を始めた。


「神のバターって呼ばれるのは、美味しすぎる以外にももう1つ理由があると思ってるの。」

「もう1つ?」

「人間がここまで進化できた理由だからなのよ!」


 ん?どゆことだ?みんなの頭の中にハテナが浮かびまくる。


「この骨髄。実は私たちの頭のエネルギー源にすごくちょうど良かったって説があるのよ」

「ふむふむ…?」

「これを食べたから、脳みそを大きく進化させられた。これを食べるためにいっぱい考えたから、脳みそを大きくする必要があった。これをいつでも食べたいから、色んな知恵を身につけていった。そんな風に言われているわ。」


 つまりは、脳みその最強のエネルギー源。大きな骨を割るため、石や道具で叩き割るという知恵の源。そして、原初の保存食としての概念の源。


 それらを身につけるために、これ以上ないうってつけの食材。つまりは人間はこれを求めて進化してきた。そんな味だから最高に美味しいらしい。


「それを聞いてから食べると…さらに美味しく感じますね!」

「美味しいにも理屈があるんだな…」



 美味しすぎてサクサクと食べ進めていたら、あっという間に食べ終わってしまった。



 次!メインのシカ肉の赤ワイン煮込みだよ!


 シカのスネ、肩、スジなど、硬い肉の部位のみを集めた煮込み料理。焼いて食べたら硬すぎて噛みきれないけど、圧力鍋で細胞を破壊しているから全てがほろほろ。

 噛む度にジュワッと溢れてくるハーブの香りが染み込んだ肉汁。ワインの上品な味わいと交わり、美味しさが溢れ出してくる。

 パンにつけて食べても、さっきのボーンマローとは違うさっぱりとした味わい。


「うままぁだねぇ」

「うままー!」



 最後!グラスケーキ!


 綺麗なグラスの中に入ったケーキがキラキラと輝いて見える。ちょこんと乗ったイチゴはまるで宝石みたい!

 スプーンを入れると、中からとろりと赤いジャムか顔を覗かせる。

 パクッと口に入れると、イチゴとローズマリー、クリーム、スポンジの風味が全部一気に飛び込んでくる。ミルクの味、イチゴの味、ローズマリーの香り。全部が混ざりあって優しく溶け合っている。


 

 美味しい!どれも美味しい!!


 あっという間に食べ終わっちゃった!



「あ…プレゼント交換…」

「忘れてたー!!!!!」

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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