閑話 新しく植えるハーブは…
部屋のベッドでゴロンとしていたら、みくるが話しかけてきた。さっきチャット送った内容だろうなぁ。
「冬のハーブないの!!?」
「残念ながらないよーぅ」
「なんでよー!ハーブ育てよーよー!!」
「温室があるだけかなりましだけどぉ…ないもんはないよぉ」
やだやだやだやだ!
壁越しにみくるがだだっこしてる。向こうも多分ベッドに寝転がったまま。
…店の中でだだっこされても困るし、部屋の中でただっこさせとこう。そしたら迷惑がかかるのは私だけだ。
…私の部屋から出てって欲しいなぁ。まぁ、みくるの部屋でもあるんだけどぉ。
「カモミールだって、今の時期は休眠してるでしょぉ?」
「休眠状態ね!ロゼットって言うんだよ!!」
「知ってるよぅ」
「やだやだやだやだハーブ育てたい!!!」
なぜ一瞬覚醒した…。
それにしても、こんだけハーブハーブ言ってるとなにか依存性でもあるんじゃないだろうか。
それもみくるにだけ効く、謎の効力の…。
「…選択性殺虫剤みたいだよねぇ」
「え!?なに!?どういうこと!?」
「いや、言ってみただけぇ」
よし、一瞬気を抜いたな。今なら刺せる…!
「今度の春に向けて、育てるハーブ考えてみたらぁ?」
みくるの目がキラーンと光った。よし、大成功だぁ。
「いいねそれ!!するー!!!」
パタパタと部屋履きのサンダルを履く音がする。
…嫌な予感がしてきたぞぉ…。
「一緒に調べよ!!」
部屋を半分に分けている壁。完全に分けてはいないけど、寝ているところとかは見えないような壁。
そこからひょこっと顔を覗かせて、カーテンをめくってマリーを見ている。
「えぇ…今からかぁ…?」
今の時間は夜21時。特段遅すぎる時間ではないし、もう今日はこの後やることもない。時間潰しの時間だ。
…ただ、みくるのこのテンションだと絶対眠れなくなる…!私は23時には絶対に目が閉じちゃうんだぞぉ…!
「で、でもぉ…もう夜遅いし明日でいいんじゃないかなぁ…?」
あ、だめだぁ。もうこっちの部屋に侵入してベッドに乗ってきた。
仕方なく身体を起こして座る。
「ね!ね!チョウマメ!バタフライピーだって!青くて綺麗だね!!」
「それ確か5月頃植えるんだよぉ。それじゃ我慢できないでしょ〜?」
「じゃあこっちは!」
「あ、いいじゃん。これなら…」
そんなことを繰り返していたら、いつの間にか目が閉じていた。
…きっと23時だったんだろう。
ムクリと起き上がる。
「まだ6時かぁ…。」
あと1時間くらい寝れるなぁ。
もう1回寝ようと横になると、足元になにか柔らかいものが当たった。
「えぇ…みくるここで寝たのぉ…?こんにゃろー」
はぁ…とため息をついて、えい!とベッドから落としてみる。悪いな、このベッドは1人用なんだ。
ふぎゃっ!とでも言うのかと思ったけどまさかの無反応。落とされたことに全く気付かず、すやすや寝てる。
…うーん、流石にちょっと申し訳なくなってきたなぁ…。
みくるの部屋から毛布を持ってきて、掛けてあげることにした。
床が冷たいだろって?そこは自己責任だよぉ。
…こんなにハーブを楽しんでくれるなんてなぁ。
「ふふ、こんにゃろー」
自分も毛布を被って、あと1時間のんびりすることにした。
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