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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編!後期!
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第54話 バイクツーリング!…の前のソロツーリング!


ひ—かおりはどっか行きたいとこあるー?

か—いやもうまじどこでも行きたい!行けるのなら北海道でも!

ひ—遠すぎるし今雪降ってるんで却下で!?

か—あ確かに〜!雪降ってたら無理かー


 雪降ってなかったら行ってたのか…!?あぶねー…。


ひ—かおり初心者だし、とりあえず県内の近いところからって感じはー?

か—おっ!優しいねぇひのきちゃん!じゃあ県内のベテランバイカーが集う聖地へ…!

ひ—怖すぎて無理っすよー!!単純にバイパス通って近場行きましょ!

か—え?バイパス…?怖くない…?

ひ—聖地の方が絶対怖いよ!?

か—そーなの…?ほんとに…?

ひ—ほんとほんと!真っ直ぐだしギア変えなくていいしエンストもない!

か—えめっちゃ楽じゃーん!バイパス沿いで考えよー!



 菊川周辺から伸びるバイパス沿いの施設を探すことになった。


 あれ…?ここって…!


 ひのきの目に入ったのは、473号線。国道1号線バイパスとは違い、最近できた道らしく、かおりの家からも近くて真っ直ぐな道だ。


 それを辿っていく。国道1号線と交差した後、もっと真っ直ぐ行くと金谷駅を見つけた。その近くにある施設に目をつけた。


「なんか面白そうなとこ見つけたんだけど、ここで良い?」

「ほー!いいね!行こー!」


 目的地が決定した!




 1週間後、11月下旬の土曜日。


 —今から行くね


 返信が来る前、既読が付くかも確認せずにポケットにしまう。


 今の時間は朝8時。営業開始時間に着きたい!ってわけじゃないけど、ひのきの性格的に、少しでも長く楽しみたいって気持ちがあるから早めの時間だ。


 キーを捻ってキュルルとエンジンを始動する。スターター引っ張らなくていいの、チェンソーより全然楽だな。


 とりあえず暖気からスタート。エンジンを温めてあげないとびっくりしちゃうからね。

 その間に服のチャックをチェック、ポケットのチャックも。ヘルメットがズレないか、あご紐はちゃんと付けたか。靴もバイク用だし靴紐解けてもいない。


 一通り確認をして、バイクグローブを着ける。


「よし、そろそろ行くか」


 ゆっくりクラッチを離して、静かに始動する。

 今の時間は8時4分。バイクの時計は少しズレてる。

 

 きっとみくるがいたらまだ寝てるんだろうな。


 急な坂道を下り、右に、左に。するとすぐにバイパスが見える。


「この大学、電車とバスはそんな良くないのに、車だとめっちゃ良いんだよな」


 ほんの数分でバイパス。またちょっと進めば東名高速道路。またもう少し進めば新東名高速道路。


 みくるたちから清水の話を聞いて、とんでもなく車の便が良いと思ったけど、ここもかなり良い方なんじゃないだろうか。


「まあ、高速乗る勇気はないんだけども…。」


 と、信号が青になった。土曜日の朝だからまだあまり車通りが少ない。右折信号が出る前にスムーズにバイパスに乗れた。


 アクセルを捻る。捻る。捻る。エンジンの唸りとともに、カチャン、カチャンとギアを上げていく。


 加速感がどんどん強くなり、身体も慣れてきたところで本線が見えた。


「お、ラッキー♪」


 後続の車は30mくらい後ろ。楽々と入って、ありがと〜と左手を振る。


 早くみんなとツーリングできたらいいな


 バイパスで流れに乗っていると、随分と風が冷たいことに気付く。

 

 もう11月後半だもんな。


 そういえば、遠州のからっ風というものがあるらしい。 

 冬に風が物凄く強くなるらしいけど…バイクで横風に煽られたら嫌だな…。


 ふと空を見る。上空はそんなに風が強くなさそうだ。


 そういえばあの大学に入ってから、空を見ることが多くなった気がする。


 風を、天気を、空で感じ取る。


 温度や湿度は、肌で感じ取る。


 なんとなーくそんなことができるようになったのは、ハーブを育てていたからかな。



 雑草も目につくようになった。今までバイパス沿いに生えている雑草なんて、ただの雑草としか見ていなかった。


 でも、春、夏、秋とここまで、季節が変わる事に違う雑草が生えている。


 それどころか、日毎に、週毎に、よく通る場所の雑草は段々と成長しているのが見て取れる。


─なんかに利用できないもんかねぇ


 マリーが道端に生えてる雑草を見て話していたことを思い出す。


─野菜植えたらいいんじゃないですか!

─いや、収穫どうするのぉ!?車停めたら大渋滞だよぉ!?

─確かにそうですね…じゃあヤギでも放てば…!

─飛び出して大事故が起こるよぉ…??


 刈り取りも、きっと国か県のお金が足りなくてできないんだろう。まあこんなとこ切っても景色がちょっと綺麗になるくらいか。


 半年。色んな変化を感じる。

 

「林業を目指して入った大学だけど、まさか半年の農業でこんなに変わるとはな〜」


 まあでも、最初の目標は曲げない。私は森を、日本の綺麗な山の景色を守りたい。


「仕事で色んなところに行けたら楽しいだろうなってことの裏返しかもだけどな」



 出発してから25分くらい。もうそろそろバイパスを降りる。


 市街地の運転、やっぱまだ怖いんだよな…。


 しっかりと集中してかおりの家に向かっていく。

 

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