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第6話 カモミールティーパーティー!

 カモミールをティーポットに入れ、お湯を注ぐ。花びらが透明になり、お湯が徐々に黄色く染まっていく。

 

 透明なティーポットだからその様子がよく観察できた。

 

「綺麗だね〜!」

「そうだねぇ」


 透き通った黄金色で、べっこう飴みたいな色だ。リンゴのような良い香りがすんと鼻に抜ける。

 今日何回も感じた香りだけど、その度に落ち着く、リラックス出来る感じがする。


 ポットの向こう側でニコニコするみくるを見て、マリーもふと頬が緩む。気付かれたらちょっと恥ずかしいな。

 

 チーンとオーブンが焼き上がりをお知らせしてくれる。ミトンを用意し、天板を慎重に取り出す。

 

 焼きたてのパンの香りと、ハーブ特有のツンとした香り、カモミールのリンゴのような香りが混ざりあった、幸せな香りが部屋の中に広がった。


「美味しそー!!!」

「早くお皿に取り分けちゃおっかぁ」


 お皿お皿〜♪とうきうきで準備をするみくる。こんなに楽しんでくれるなんて思わなかったなぁ。



 

「「いただきまーす!」」

 あつあつのカモミールクッキーを取り分け、熱いのも大丈夫なガラスのコップにカモミールティーを注ぎ、準備完了!


 まずはカモミールクッキーを一口。甘い香りを優しい甘みが包み込み、一枚で口の中がお花畑のように香りに包まれる。

 口の中で香りを楽しみ、ごくんと飲み込む。すると、口の中に残る後味というか、香りが優しくなり、今度は花束のような香りが残った。


 一枚で楽しめるなぁとしみじみ感じていると、目の前のみくるは四枚目を食べ終わる頃だった。


「食べるの…早くない…?」

「だって美味しいんだもん!!」

「そ、そっかぁ」


 ま、まぁ食べ物の楽しみ方は人それぞれだもん。私は私で楽しもう。

 

 次にカップを手に取り、カモミールティーをひとすすり。

 ちょっとお湯に浸す時間が長かったかな。少し薬っぽい苦味がある。でもその分香りはとても強い。

 クッキーがお花畑の中なら、こっちはお花の香水みたいな、ダイレクトに鼻に通る香り。

 夜寝る前に飲むのに良さそうだなぁ…。今日寝る前に飲んでみよっと。


 一口を楽しみ、みくるの方に目を向ける。

「んー…甘くないね…」

「お砂糖もなんにも入ってないからねぇ、なにか入れる?」

「いいの!ありがとう!」


 全く子供舌め。そう思ったけど甘い方がいいなぁと思ったし言わないでおく。

 調味料がいっぱい置いてあるところを見てみたら蜂蜜があったので、これを入れてみることにした。


 マリーはティースプーンに一杯。みくるはティースプーンに二杯を入れて、もう一度ごくり。だんだん冷めてきて飲みやすくなってきた。


 今度はカモミールの香りが少しマイルドになり、クッキーのお花畑と同じくらいになった。そこに蜂蜜の香りが加わって、まるでお花畑でハチさんと遊んでるみたい。


 ……刺されたら危ないな。


 すんと現実に戻ると、目の前のみくるは既に12枚のクッキーを平らげ、甘い!美味しい!と、カモミールティーも飲みきっていた。


 もっと欲しいなぁとこちらのお皿をジロジロ見るみくる。まぁ、自分はすぐお腹いっぱいになっちゃうし、いいかなぁと3枚くらいあげてみる。

 

 ありがとー!!!と飛びつき、おいしー!!と喜ぶ。はちみつ大好きでいっぱい食べる…くまさんかな?餌付けしてる気分になった。


「そういえば、みくるって高校生?」

 なんとなく聞きたくなった。制服のまま店に来たこともあったし、背丈もみくるの方が少し高いくらいでほぼ同じ。

 自分のところとは違う制服だったけど、中学生…ってことはないだろうし、高校生だろうと思っていた。

「うん!高校二年生だよ!」

「ほんとぉ!?一緒だよぉ!」

「わぁー!全然知らなかったー!」


 まさか同い年だったなんて…!じゃあ…と続ける。

「カモミール育てるの、楽しかった?」

「楽しかったよ!他のもいっぱい育てたい!」


 良かった、カモミールで十分満足!とか言われたらショックで寝込むところだった。


「へへ、そっかぁ。ねぇ、これから植物のこといっぱい勉強して、もっと育てない?」

「うん?そうしたいよ〜?」


 ちょっと違和感のある言い方しちゃった。変なこと誘おうとしてるし仕方ないよね。

 



「高二の夏から来年の受験まで、同じ大学一緒に目指さない?農業の勉強、一緒にしない?」

 

 


「大学…大学かぁ…」



 意外だった。今までほとんど二つ返事でおっけーされてたから、悩まれるとは…。まあでも、人生の大きな選択のひとつだから、よく悩んで決めて欲しい。

 でも、同じ席を争うライバルになっても、自分が落ちるリスクが上がるとしても、一緒に勉強したいなと思った。


 大学かぁ。どんなのが育てられるんだろう?もっと綺麗に育てられるのかな?もっと大きく育てられるのかな?もっと美味しいもの作れるようになるのかな?

 きっと、難しい内容が出てきたり、大変なこともある気がする。でも、カモミールを育てるためって思えば頑張れる気がした。へへ、大学!楽しそうじゃん!



「いいよ!大学!農業!私もやりたい!!」


 

 1年間の猛勉強が始まった。 

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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さーて勉強編!は面白く書ける自信が無いので次は勉強合間のお話です!

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