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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編!後期!
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第46話 文化祭開催!


 11月中旬。気温がかなり下がってきて、ほとんどの人が長袖を着ている。

 

 文化祭当日。他がバタバタと準備する中、みくるたちは落ち着いていた。


「料理だと当日準備が忙しいけど、私達は事前にほぼ全部の準備ができたもんねぇ」

「逆にサシェで良かったかもしれませんね!」

「むしろやること無くて暇なくらいだな」

「みんな!文化祭!楽しむよー!!」


 おー!


 10時の文化祭開始まであと10分。4人は余裕で準備完了していた。


「暇だね」


 みくるの言葉に、だねぇ、だな、ですね、と返す。流石に何も準備することが無さすぎる。


 だって、サシェで用意するものと言えばお茶パック、手ぬぐいくらいの布、縛る紐とかゴム、あとはドライフラワーたちだけ。


 元々自分たちで作ったものを出品する予定だったけど、みくるが、「自分で作った方が楽しいね!香りも調節できるし混ぜられるし!」とか言ったから、そこから作業は皆無になった。


 だからこの暇さは必然。お店の飾り付けも昨日終わっちゃったしね…。



 ぼーっと座りながら待っていると、


「文化祭!スタートです!!」


 その言葉と同時に、待っていた大人たちの列がだだだだっとなだれ込んできた。

 全員が同じ方向、同じところに向かっていく。


「あぁ…やっぱり一番の目的は農産物販売だよねぇ」


 そう、農業大学の文化祭らしく、農産物販売がある。学内で育てた農産物を販売する。しかも割と安い。


 普段から学内で毎週のように農産物販売はやってるらしいから、人がよく集まるのは知っていた。でも想像以上って感じ。


 さらに10分くらい経つと、農産物販売から脱出した人たちがチラホラと出てきた。呼び込み開始だ!


 自分たちのテントの中で駄弁っていた学生が一斉にいらっしゃいませー!と声をあげる。

 お祭りが始まった!そんな感じがした。


「うーん…中々来ないね…!」

「やっぱ呼び込み力は食べ物系が強いな…」

「時間が経てば…多分…」

「あ、来ました来ました!おーい!!」


 と、ぼたんが呼び込んだのは、


「あ!かおりちゃんだー!!久しぶりー!!」

「もみじさんも!お久しぶりぃー!」


 よっ!と軽く手を振る2人。

 ぼたんの関係者コンビの登場だ!


「サシェ作る作るー!教えてー!!」

「ぼたんー、割引とかないー?」

「割増なら!」

「こんにゃろ」


 サシェはパパっとあっという間に完成した。

 もみじはローズマリー、タイム、オレガノの、スパイシーで森っぽい香り。

 かおりは、スイートマジョラム、カモミールたっぷりで、ちょっとミントが入った、甘く爽やかな香り。


 好きなように選んで、混ぜて、布に包んだ。


「へー!これを部屋に飾るんだ!いいじゃないか〜!!」

「勉強に集中できそう、ありがとね」

「運転集中出来るように車の中に吊るしといたら?」

「はっ倒すぞ」

  

 完成品を手に持って帰ろうとする2人。それをマリーが引き止める。


「あの、もし良かったらなんですけど、腕に通してお祭りのヨーヨーみたいにして欲しくってぇ」


 と、自分たちが腕を通してるのを見せる。


「えー!なにそれ!めっちゃかわいいじゃーん!!」


 ノリノリで2人も腕を通して見せてくれる。


「ヨーヨー片手にお祭り歩くのなんていつぶりだろー!」

「いいこと考えたのね!すごい!」


 自分が気に入った柄の布に沢山のお花を詰めて、お祭りの間はヨーヨーみたいに、帰ったら簡単に吊り下げて楽しんで欲しい。


 みくるが考えた案だけど、今目の前に立つ二人を見ていると、すごく良い案だと改めて思う。


 スマホ片手に写真を撮る姿はオシャレな女子大生そのものだ。いや、ほんとにそのものなんだけど。


 インスタのキラキラ感がみくるのオリジナリティで更にかわいくなっている感じがした。


 ありがとー!またねー!と手を振る2人を見送ってから、ちらほら、20分に1回くらいお客さんが来ていた。


 そこから時間が経つごとに、10分に1人、5分に1人…あれ、いつの間にか列ができてる!?


 うおお急げ急げー!!

 誰か布もっと切って!!

 今暇な人いないよ!?

 新しいお茶パック開けてー!!

 それならギリ!!

 カモミールどこぉ!?

 はい!ここ!!!


  

 なんてバタバタしていたら一瞬で文化祭が終わっちゃった。

 

「いやぁ…大成功…すぎたねぇ…」

「サシェに人ってこんなに集まるんですね…」

「いや…普通はもっと少ないと思う…」

「きっとみんなハーブの良さを分かってくれたんだね!!」


 みくるは超ご満悦だ。


「いや、それよりもみくるさんの案が良かったんだと思いますよ!」

「え、そーなの??」

「まあ、いい香りのかわいい鞠玉みたいなのをぶら下げてたら目立つし気になるよな」

「しかも他と比べてもかなり安かったしねぇ」


 他が500円くらいで売り出してる中、なんと200円。体験のしやすさもかなり影響したみたい。


 とにかく、大学で初の文化祭は大成功で終わった。


 終了後の片付け、テントを片付けていく時、半分くらいの女子が手にくくってあるのを見て、とっても嬉しくなった。 

  

「第1フェーズが終わったね…」

「なんのぉ?」

「全人類ハーブ化計画」

「えぇ…なにそれ怖ぁ…」


 頼むから真顔で言わないで。切実に願った。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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