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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編!後期!
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実習ノート 木材を切ってみよう


「今日は林業の実習です」


 と、林業の先生が話す。これまでに出会ってきた先生とは違い、かなりゴツい、オレンジ色の服を着ている。


 ヘルメットもしていて、完全に「現場で働く人」って感じの雰囲気だ。


「今日皆さんにやって貰うのは、木を切り出した後、木材の輪切りの体験です。」


 輪切り…?なんか料理みたいで面白そう!


 外に出ると、確かに大きい丸太が用意されていた。


「今日はこれを切ってもらいます!」


 と、先生の手元にあるのは、ノコギリではなくチェーンソー。


 今日って何日目の何曜日だっけ…!?ピィ…!


「みなさんには今日恐らく初めて握るであろうチェンソーを使って、この丸太を切ってもらいます!」


「まずは安全用の防具を着ていきましょう!」


 そう言って用意されたのは、先生が着ているものと同じオレンジ色の装備。


 オレンジ色のヘルメットに…ヘッドホン?が付いてるのとか、超分厚い服、ズボン、手袋。


 べしべし!隣で同じように着替えてたひのきちゃんを叩いてみたけどなんにも痛くないや!

 

「え…?なんで叩いたの…?ねぇ…?なんで叩いたの!?」

「こんなに重装備してたら痛くないのかなーって!」

「なるほ…ど…?」


 あれ?ちょっと引かれてる…。ごめん…。




「チェンソーはとっても便利です。例えばこの丸太、のこぎりで切ったら30分くらいかかります。もしくはそれ以上…。」


「…ここでそのチャレンジはしませんが、チェンソーを使ったら1分かかりません。作業のペースが30分の1以下になる。とても便利な道具です。」


「でも、それだけにすごく怖い道具だと言うことを、まず見てもらいたいと思います。キックバックという現象です。」


 何人かの頭の中で黒と黄色の男がトラックに轢かれた。


 先生がスターターをぐいと引っ張る。その後なにかカチカチ動かしたあと、もう1回引っ張ってチェンソーを始動。そのまま丸太に向けて刃を真っ直ぐ動かし始めた。


「チェーンソーってああやって切るんだっけ…?」

「いや、普通は上下の平らになってる所を当てるな…」

「でも先端の部分を当てようとしてますね…?」


 チェンソーの先端が丸太に当たった。その瞬間。チッ!!と大きな音を立ててチェンソーが大きく動く。


 その刃は、先生の顔の目の前。勢い余ったら、ヘルメットに突き刺さるんじゃないかというくらいギリギリの位置で止まっていた。


「今のがキックバック。もちろん、わざとチェンソーを上に向けた訳じゃありません。」


「回っている刃に丸太が引っ掛かり、時速100km、秒速30mくらいで目の前に吹っ飛んできます。瞬きの瞬間、10m動いてくる刃を避け切れる人はいないでしょう。」


 ごくりと生唾を飲み込み、目の前の道具を使うリスクを再認識する。

 

「今おそらく皆さんが想像した通り、このキックバックで数多くの死者が出ています。それは初心者に限らず、プロでもです。」


 死ぬって、遠いと思ってたけどこんなに近いんだ。


 目の前の道具が、すごく大きく、重たく見えた。


「じゃあ、やりたい人から順番にチャレンジしていきましょう。もちろん、危険なものなので、怖い人はよく見て、自分には無理だと感じたら正直に申し出てください。」


 ここで、ひのきが1番に手を挙げた。


 そうだよね、怖がりさんだもんね、と納得する3人だったけど、


「私がやりたいです」


 真っ直ぐな目でそう宣言した。




 チェンソーに手を当ててみると、少し大きい。手に余る感じがした。

 ぐっと握り込む。


「まずはエンジンかけるんですよ〜?」


 …ビビりすぎた。


 チェンソーに足をかけてスターターを引っ張る。しっきの先生がやっていたのとは違い、今度は一発でかかる。


「おお…!?」


 バリバリバリ!!!と大きなエンジン音一瞬たじろぐ。まだ刃は動いていない。

 でも、ひのきは落ち着いていた。


 なんか…バイクのエンジン音みたいだな…。


 先生が握り方を身振り手振りで教えてくれる。ヘルメットに着いていたヘッドホン…のようなものの防音効果とチェンソーのエンジン音で今はもう何も聞こえない。


 手で示された通りにチェンソーを持ち、レバーを握る。すると、パァァァァン!!!と一気にエンジンの回転数が上がり、同時に刃も動き出す。


 えっ!?音デカっ!?


 びっくりしたけど、そのまま先生の指示に合わせて、ゆっくり刃を入れていく。もちろんキックバックしないよう平らな下面から。


 刃を丸太に当てると、木の粉が吹き出した。ズボンに大小様々な木の粉が当たりまくって痛い!

 この一つ一つが刃だったらと思うとゾッとする。


 そんな風に怖がっているうちに、チェンソーの刃は丸太を通り過ぎ、空を切っていた。


「ほんとに一瞬だった…。」


 呟いた言葉は隣にいた先生にすら届かず、なんなら次!と腕を引っ張られ、今度は下から上に切り上げた。


 それも一瞬で切り終わり、少し放心。振動のせいか腕が少しピリピリする。まだ振動が残っている気がする。


「お疲れ様ー!かっこよかったよー!」

「痛くない…?大丈夫ぅ…?」

「チビっちゃってないですか…!?」

「それは流石に大丈夫…」


 初のチェンソー体験、驚いてたら終わっちゃった。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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チェンソーで木材切るのって最初は楽しいですよね!最初は!

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