↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編前期!
PR
45/126

第39話 どんぐり


「ねーねー、皆ってなにしたいの?」


 突然みくるが聞いた。夜のリラックスタイム。部屋が少し変わった、いつもの会だ。


 みくるとひのきの部屋、そこから、みくるとマリーの部屋になった。談話室でお湯を沸かして、それぞれ一人一人が今日飲みたい気分の茶葉を入れる。


 その準備が終わり、今日はなんの話をしようかな、みたいな雰囲気になる時の言葉だった。


「んぇ、急に重たい話するねぇ」

「あれれ?そんなに…?ごめーん!なんか、皆がやりたいことってなんだろって知りたくなっちゃって !」


 ふーん…そっかぁ…。まあ確かに、大学入っていつの間にか最初の夏休みが終わっちゃった。再来年にはインターンとかの就活が始まってく。

 

 やりたいことの具体化って必要かもなぁ…。


 そう納得して話し始めようとする。


「私はねー、全人類がハーブティー飲むようになったらいいなって思うんだ〜」


 そうだった。こいつみくるだった。


 一気に脱力して、真面目モードをオフ。よーし適当に喋るぞぉー。


「それいいですねー!美味しいハーブティーも、ハーブ料理ももっともっと知られて欲しいです!」


 おっと、思ったより好反応。真面目モードオンだ。


「そのハーブ料理の中にジビエは入ってるかー?」

「もちろんだよー!ハーブとジビエ美味しかったもんね!」

「なら私の目標も達成できるな!」

「森を守る!だっけ?」

「そうそう!漠然としすぎててなんとも言えないんだけどな…」

「そういえば、どうしてそんなに森に思い入れがあるのぉ?」

「あ!確かに!それ知りたいです!」


 えぇ…仕方ないな…、と、ひのきが林業を志した理由を語り始めた。


「まあ最初は、おじいちゃんが持ってる山を綺麗に管理できたらいいなってのが最初の志望動機なんだよね」

「おぉ〜!素敵!」

「立派ですね…涙が出そう…」

「いやそれ話終わりのテンションだよぉ?」


 ふざけやがってこんにゃろー!よし、心の中で怒ったし続けよう。


「それで、この前の春休みにバイクを買った。それから色んな場所を走って、森の道、走るのいいなって思ったんだよね」


 森の道…林道…みくるが某とろろの森の中の道を想像してみる。いや、そんなガチの林道じゃないけど…。


「単純に自然が綺麗なところとか、別に絶景って言われてない普通の景色も、山が綺麗だとすごく綺麗に見えるんだよ。ほら、あの時みたいに。」


 と、狩猟体験の日を思い出す。確かに、何でもない森の隙間から見えたお茶畑。

 確かに、あんなところ知ってる人はほとんどいない。なんなら、私たちだけの景色なんじゃないかな。

 でも、あれはとってもとっても、綺麗だった。


「あんな景色を守りたいって言ったら大衆的…というか、なんかありきたりみたいなな感じがしちゃうけど…あんな景色が、私たちだけの景色ってあるのって大事だと思うんだよな。」

「ひのきさんにそんな風に思って貰えるなんて、狩猟体験頼んだかいがありました!」


 ひのきがふっと微笑んで、改めてありがとうと伝える。


「でもな、授業でも習ったように、林業ってすごく大変なんだよ。」

「確かに…事故死者数も圧倒的って言ってたもんね…。」

「お金もなくって、ほとんどが補助金でなんとか運営してるって言うのも大変そうだよねぇ…」

「人手不足もありますし…これからどんどん厳しくなってく業界ですよね…。」


 まずい、暗い話になってしまった。明るい話に変えよう!!


「そう!でも!林業は大事だからっ!!!」


 元気に宣言。突然の元気にびっくりドン引きする3人。せっかく気遣ったのに…。


「この前先生に聞いたんだけど、森ってあるだけでも凄い効果があるんだよ」

「凄い効果?どんなのー?」


 みくるは興味津々。他の二人も

  

「授業で聞いたのは、土砂崩れとか、洪水の防止機能。街の騒音を響かせにくくしたり、生き物がいっぱい住んでたりのレクリエーション機能。それと、CO2の吸収ができる環境機能だったじゃん?」


 そんなのがあるんだ!森ってすごいね!とみくる。聞いてなかったのかぁ…?


「それでその時サラッと、現状の森林の管理ではこのくらい、ってデータを見せてくれたじゃん?あれが気になって聞いてみたんだよ」


「今の森だと、大体良くて6000万tの吸収量。」

「それだけでも膨大な数すぎて多いのか少ないのか分からないですね…。」

「それはわかる…でも、ちゃんと管理したら大体倍の1億2000万tくらい吸収できるらしいんだよ」

「倍は改善なんてレベルじゃないねぇ…!?」


 上がってきたテンションに追い打ちをかける。


「しかも、花粉を出す杉(スギ)や桧(ヒノキ)を少なくすることと、無花粉苗の植樹に繋がって、花粉症がなくなる!森から流れ出した栄養が海にも流れ出して、日本の魚とか昆布がもっと美味しくなる!」

「美味しくなる!?本当ですか!?」

「えー!なんか楽しそー!」

「それ…経済効果いくらになるんだぁ…!?」


 そんな山を放っておくわけにはいかないだろ?とひのき。


「だから、自分に出来るところからってことで、おじいちゃんとおばあちゃんの山を綺麗にしてやりたいんだ」


 ひのきがいつも以上にかっこいい、凛々しい顔をしていた。絶対にこの目標を叶えてやると、そんな表情に、マリーはひのきならきっと出来ると予感する。


 

「私も林業!やるよー!!」

 お前はハーブだろ。戻れ。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

いいねやフォロー、コメントで応援お願いします!


 みなさんのやりたいことってなんですか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。