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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編前期!
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実習ノート みかんの摘果


 今日は果樹の実習!

 

 7月上旬。みかん農家は摘果という作業をするらしい。今日は果樹の柿本先生が実習の先生だ!


「今から、葉の数と実の数を数えて、摘果という作業をやります。実をチョキチョキ減らしていきますよ!」


 その言葉を聞いて、みくるがマリーに耳打ちする。

 

「なんかもったいないね…実が出来てるのに切って捨てちゃうなんて…」

「そうだねぇ…美味しいみかんいっぱいできた方がいいのにぃ…」


 と、この前食べたみかんを思い出して話す。すると、なんか今もったいないって聞こえましたね。と反応されてしまう。


「確かにもったいないって気持ちも分かりますが、これには大事な役割があるんです。」


 取っちゃうことに役割…?どういうことだろう?


「この時期に摘果をすることで、木の体力を温存させることができたり、もっと大きくて美味しい実が作れるようになるんです!」


 だからあの時貰ったミカンはあんなに美味しかったのかな?


 みかんには隔年結果(かくねんけっか)というものがあって、好きに実を実らせていると、豊作の年があったり、全然実らない年があったりと、収量にバラツキが出ちゃうらしい。

 

 さらに、いっぱい実が出来ることで栄養分が足りなくなって、品質も落ちちゃうみたい。

 

 だから、この7月の時点で形が悪かったり、異常に小さい果実は切って、他の実を守ることに繋げるんだって!


 なるほどぉ、間引きみたいなものかぁ。


 

「さて、大切さが分かってくれたところでやり方の説明です」


①実の数を数える

②葉の数を数える

③計算する

④切る


 ほぇぇ、簡単そうだなー!数をカチャカチャ数えるアイテムも貰ったしよゆーよゆー!



 って、木を見るまでは全員思ってた。



 みかんの木を見ると、1本の枝に何本の葉が生えてるか…うーん…10とか20ですら少ないように感じる…。


 実も何個あるのぉ…?なんか目に見える範囲だけでも数十個あるんだけどぉ…!?しかも実も葉も全部緑でどれが実なのか分かりにくい…。

 外だから眩しくて目も細めちゃうしぃ…。


 カチカチカチカチ。とにかく自分が受け持ってる範囲を数えようと、実と葉の数を数え始める。

 これはやばい。腕がつりそうだ。カチカチがガチガチってくらいの音に聞こえる。


 この作業、10人以上いるのに木1本に1時間かかった…。


「これ…農家さんは一人でやるの…?すごいね…?」

「いや私これ絶対無理だぁ…みかん農家にはなれない…腕ぷるぷるする…」

「でもこの努力の結晶があの美味しいみかんなんですもんね…」


 先生が皆が数えた葉と実の枚数を聞き、黒板に書いていく。


 結果は、葉が51,143枚。実が1991個。とんでもない数数えたなぁ…とおどろいてしまう。


「葉が5万枚くらい、実が2000個くらいって思ってたので、皆さんすごく近い数値が出てますよ!素晴らしいです!」


 柿本先生がすごく褒めてくれる。でも違和感に気付いたマリーが聞く。


「んん…?ってことは先生は一人であの樹を数えてたって事ですかぁ…!?」


 その質問に、いやいや、そんなことないですよと軽く返して続ける。


「実は私も普通の農家さんも、こんな風に数えてるわけじゃありません。」


 えぇ!?じゃあ何のための実習だったんだ!?と、酷いぞ先生!という声が上がる。その反応に少し笑いながら答える。


「いやー、ごめんなさい。大変すぎますよね。ちょっと体感して欲しかったんです。」


 この作業、実は先生一人で15分で終わったらしい。そんな短く終わるの!?と思ったけど、ごく一部、1本の枝の範囲の葉と実を数えたら、あとは枝の数を数えて単純に掛け算をするだけらしい。


 誤差は大きくなるけど、手軽に枚数を把握できるやり方として説明してくれた。次から絶対そうやってやる…。



「さあでも、ここからは皆さんの力が本当に必要です。切り落とすのは頭じゃできませんからね。」


 と、ハサミと木で作られたカゴを腰に付けて作業開始ー!


「今回は大きな実を作りたいので、大体300個くらい切り落としちゃいましょう。1人30個ずつ収穫をお願いします!」


 1つに手を添えて切ってみる。すると、枝から切り取った瞬間、ちょっと重たい。

 

 ゴルフボールくらいのサイズなのに、卵1個分くらいの重みを感じる。

 

 それをちょき、ちょき、ちょきと切っては切ってはカゴに放り込んでいく。

 

 段々重くなってきて、1個1個は軽めでも、ちゃんと重みはあるんだなと実感する。

 

 捨てる用のコンテナの中にゴロゴロと投入して、もう1回腰に括り付けると、軽くなってなんか気持ちいい。

 

 体と一緒に心まで軽くなった、そんな感じがする。1つは軽いのに、いっぱいになると凄く重たいのが印象に残った。


 そんな事を考えて作業をしていたら、1本はあっという間。ほ場にあった10本の木の摘果がいつの間にか終わってた!


「お疲れ様でした!思ったより沢山摘果できたので助かりましたよ!」


 ということで実習終了!



  

「この摘果したみかん、なんかに使えないのかなー?」

「えーどうだろぉ?めちゃ酸っぱそうだよぉ…?」


 持ち帰らせてもらった青い硬いみかんを、もったいなさそうに言うので、とりあえず切って絞ってみた。


 

 酸っぱ!!!!


 そのまま食べるのには向いて無さそう…。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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青みかんの更に前だから酸の塊なんだな…。

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