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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編前期!
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第35話 まろ眉の赤ちゃん牛

 7月下旬。夏休み前の試験が終わった頃。


「なんか、案外簡単だったねぇ」

「へへへ!あっという間だったねー!」

「えぇ!?高校のテストとは全然違ったからなー…読めないや…」

「もっと厳しい試験が待っているのかと思ってました〜!」


 この中での試験結果は、1位から順に、マリー、ひのき、みくる、ぼたん。

 

 簿記や経営に関する法律など、経営系の試験が多く、得意なマリーは得点を伸ばした。

 

 農林畜産各論の試験では、林業の配点が高く、そこが得意なひのきも点数を伸ばした。

 

 みくるはマリーに教えて貰ってなんとか。

 

 ぼたんは試験の問題に出てくる県内名産の野菜やらお肉やらが美味しそうでお腹を空かせて集中力を欠いた。

 

 だって豚さんもわさびもみかんもいちごも桜海老も美味しそうだったんですもん…!


 そんなこんなで試験直前の授業で先生が言っていたことを思い出す。


「そういえば、牛さんが来てるって言ってたね!」

「授業やら実習やら、朝夕の灌水に収穫にで全然遊びに行けてなかったですね…」

「時間できたし見に行こっかぁ〜!」


 噂に上がったのは、お世話やらなんやらの実習用の牛が大学に来たというものだった。産まれたばかりの子牛が年末までの半年間来ているみたいで、かわいいんだろうなー!と、遊びに行ってみた。



「牛さーん!こんにちはー!」


 牛がいるという建物は、正面から見えない作りになっている。そのため、背面の窓から覗くことしか出来ない。まずはみくるから!と、覗いて見たら…あれ?


「うーん…?牛さんいないよ?」

「えぇ、見せてぇ…?…いないねぇ?」

「脱走か…?いないな…。」

「それは大変すぎますね…!?んー…確かに白黒の模様が全然見えませんね…。」


 窓の中は薄暗くて、少し見にくかった。でも…流石に牛さんを見逃すほどじゃない!壁際にいるんじゃない?お散歩中とか?食べられちゃった…!?色んなことを想像しながら牛舎の外でお話してると、


「なーにみてるの?」


 後ろから話しかけられた。聞き覚えのある声に振り返ると、そこには畜産の牛飼先生。愛嬌のある女の先生だ。


「あ!牛飼先生!今ねー、牛が居なくなっちゃったんじゃないかなって探してたんですー!」

「えぇそれは大変!?ちょっと見せて??」


 ゴクリ。と息を飲む4人。ほんとにいなかったらどうしよう…。


「あ〜らなんだ!いるじゃなーい!びっくりしちゃった!!」

「えぇ…!どこに…?」


 とひのきが見ると、やっぱり見つからない。


「手前手前!壁際に茶色いの見えない?それよ〜!」

「うおっ!?いたっ!!?動いたっ!!?」


 えー!?見たい見たい!と他の3人も覗こうとする。それを止めて、


「せっかくなら正面から見ましょ〜!その方がこの子も喜ぶし!」

 

 ご機嫌に案内してくれた。でも、その前にちょっとお勉強タイムがあるみたい。


「こういう、動物を飼ってるところって、衛生管理区域って呼び方があるの!知ってる?」


 首を振る4人に、そうよね〜!じゃあ今日勉強してって!とご機嫌で返す。常にご機嫌な楽しい先生だなぁ。


「まあ簡単に言うと、牛さんとか豚さん、鶏さんのために綺麗な環境にしましょうね!って場所なの!」


 ほぉ〜!と話を続けて聞く。


「その為に、消石灰っていう白い粉が撒かれていたり、逆性石鹸とか、有機溶剤とかっていうちょっと強いもので消毒するの!」


 白い粉がいっぱいで雪みたいー!と触りそうになったみくるの手を止める。


「これね、すごい強いから手溶けちゃうの。気を付けてね?」

「ひぃ…!?」


 先生の言葉に触ろうとしてないひのきの方が何故かビビる。みくるははーい!と返事をするだけ。


「それで、こんな風に長靴と、専用の服を上に着てね。ここではヤッケっていう登山用の服を使ってるの〜!」


 と、先生が着て見せてくれたので、それに従って4人も着替える。


「でも、どうしてこんなにしっかり対策しなきゃ行けないんですかぁ?」

「確かに、牛ならその辺の草食べてても大丈夫ってイメージがあるけど…」


 質問に、ヤッケを手渡しながら答える。


「んーそうねぇ…この子達にとって地面ってお皿なの。お皿に無断で汚いままペタペタ触られたら嫌じゃない?」

「それは…確かにそうなんですけどぉ…」


 マリーは不満そうだ。なんでそこまでやるのか。を教えて欲しかったのに…と。それを見て先生が補足をしてくれる。


「ちょっと難しくなっちゃうんだけど、家畜伝染病って呼ばれる病気があるの。牛なら口蹄疫。豚なら豚熱。鶏なら鳥インフルエンザが有名ね。それを防止するために、しっかり綺麗にしてから入るのがルールよ!」

「なるほどぉ…ありがとうございます!」


 勉強を終えて、ヤッケを着終えて、牛さんとご対面!


「え!牛なのに茶色い!!」

「あら、ジャージー牛を見るの初めて?白黒のホルスタインとまたちょっと違う種類なのよ!」


 へぇ…牛にも色々あるんだぁ…。


「牛乳が飲めるの楽しみですね…!」

「ホルスタイン?と違うのかな」

「この子牛乳は出せないのよ?」

「えぇ…!?なんで!?」

「だってオスだもの!」


 それは確かに無理だ…。牛乳を飲むのは諦めよう…。


「ねーねー、君のお名前なんて言うの?」

「ボクノナマエハ、マロ!マロッテヨンデネ!」

「マロちゃんですか〜!かわいい名前ですね〜!」

「マロくんじゃないかなぁ…?」

「人間の赤ちゃんも子供の時ちゃん付けするしその要領じゃないか?」


 先生が高い声で名前を教えてくれた。

 名前通りまろ眉みたいでかわいいジャージーの牛さんだった。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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マロくんかわいいね!!!

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