第34話 後片付けと大事な話と願い事
ジビエBBQ、薮一さんのお野菜BBQを楽しんで、会はお開きになった。でも、きちんと綺麗に後片付けをしてから帰ろう!
ということで、テーブルやイスを片付ける役はみくるとぼたん。お皿を集めて洗ったり、捨てたりはもみじ、マリー。内臓や骨の処理は薮一さんが請け負ってくれた。
みんながテキパキと役割分担をしていって、ひのきとかおりは呆気にとられて仕事ないなー。ってなった。
よし!掃き掃除でもしとくか!の一言で、一応形だけでも掃き掃除をしておくことにした。
「ねーねー!バイク!どこ行こっか!おすすめある?」
「おすすめ…実はツーリングスポットって行ったことなくって…」
「いやいや!そんなガチなのじゃなくていーよ!うちも怖いし!」
確かに…初心者が行けるような場所じゃない気がするな。
「なら、近くでなるべく真っ直ぐな道で行ける…海とか!」
「おぉー!海か!いいねー!!行こいこ!」
楽しみだなー!と、ザッザッと掃き掃除に力が入り始めた。へへ!予定決めなくっちゃ!
後片付けを終えたみくるとぼたんが薮一さんに聞く。
「どーしてアナグマの内臓焼いてるんですかー?」
BBQセットに残った火の中にアナグマの内臓を投入して焼いていた。ちょっと炭と薪を追加して。
「おっ、気になるけ?こいつぁな、いい肥料になるんよ」
「肥料?」
みくるは驚いた。大学でハーブに肥料をあげるけど、それは全部白い粉の塊。自分で作れるなんて思ってもみなかった。
「そ、いい肥料になんだ!昔っから勿体ねぇからちっとでも無駄にすんなってな!」
ふーん、肥料か。ちょっと心に残った。
「さーてさて!お疲れ様ー!諸君!お片付けへの協力ありがとう!!!」
かおりが元気に締めくくる。その前に…!とぱちんと手を叩いて前置きをする。
「真面目なお話をします。」
キッと目の鋭い、獲物にトドメを刺している時の顔になった。
「今日みんなは、うちと一緒に狩猟っていう、周囲の農家さんの助けになる、素敵な仕事をしてくれました!」
「でも、やたらめったら色々なところで狩猟をしたり、そもそも免許がないのに狩猟をすることは、絶対にだめです。」
「せんせぇ!農家さんの助けになるのに、なんで色んなとこでやっちゃだめなんですかぁ?」
聞いてほしそうな雰囲気を察してマリーが聞く。
「それはね、Gの駆除って考えてみよう!」
突然飛び出してきたGの言葉にはてながうかぶ。くすくすといたずらに笑い、話を続ける。
「お家に出てきたGを駆除してくれる人!ってどう?」
「うれしい!!!」
「じゃあ、自分が家にいない時に勝手に家に侵入して、駆除だけして帰っていく謎の人は?」
「んん…!?怖い…!」
「しかも、大量に毒を撒くとか間違ったやり方をして、住めないお家にして帰っていく不審者。どう?」
「迷惑…!!」
期待通りの反応を得られて満足なかおり。
「そ!間違ったやり方で、人の山で勝手に狩りをして帰っていくのはすごく迷惑。免許を取って、ちゃんと申請をして、山の持ち主に許可を撮ってから狩猟をするんだよ!」
はーい!いいお返事を貰ったので、素直なこの子達なら大丈夫だなと思って安心する。
「よーし!真面目な話終わりー!竹取って七夕しようぜー!!!」
急な変わり身にびっくりした。気付いた時にはもうのこぎりを手に走り出していた。
「さーて!こいつと、こいつと、こいつと、こいつと…」
と、山を登りながら切る竹に傷をつける。
「えぇ…!?こんなに切っちゃっていいんですかぁ…!?」
その数7本。7人いるし7本持って帰ろうぜー!とかおりさん。この山は切って大丈夫ー!って言ってるし、だめなとこがあるんだろうけど、もうかおりさんが真面目モードに戻ることはなかった。
4人を安全なところに避難させて、ギコギコと竹を切る。出でよかぐや!そして我が願いを叶えたまえー!
切って、3mくらい切り出して。4人で運ぶ。その間にかおりさんがもう一本切る。1時間くらいであっという間に作業が終わった。
…まあ、山登ったあとの身体にはきつかったけど。
と、3mくらいの竹7本が家の目の前に並んだ。
「よーし!願うか!」
「んーとぉ…竹1本につき1個の願いは…なんか悲しくないですかぁ…!?」
「やっぱそう?でも大丈夫だと思うんだよねー!」
と、家の方をちらり見ると、扉を開けてもみじが出てきた。
「お!ちょうどいいじゃーんもみじー!もしかして…?」
と、何かを期待するかおりの顔に、ふっと嬉しそうに息を漏らして応える。
「かおりがおかしいこと言い出すのは慣れっこだからねー、こうしたかったんでしょ?」
と、明らかに多い枚数の短冊を用意してくれていた。
「そうそう!さっすがもみじじゃーん!」
べしべし!と叩きながら相棒よー!と嬉しそうにするかおり。みんながなんだ…?と思っていると…
「1人1個のお願いなんて悲しいじゃん!いっぱい叶えたいこと書こっ!!」
てことで、1人1本の竹に、短冊付け放題の七夕祭り!開催ー!
きっと新鮮な竹だから願い事もよく叶うよー!
—みんなとずっとこんな風に遊べますように
—もっと美味しいもの食べられますように!
—バイクで事故したくない
—ハーブをもっと色んな人が楽しんでくれますように!
—こいつらが危ない目に遭わねぇように
—全人類ハーブティー飲みますように
—害獣でませんように…!
—もっとよく眠りたいです…
—テスト簡単だといいな
—うちの店もっと繁盛しますように…
たくさんの願い事をした!
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七夕って、願い事数に上限ないらしいです。




