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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編前期!
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第28話 山に入ろう!


 菊川駅に到着!べべーん!と降り立った!いぇーい!!


「ひのきちゃんどこかなー!」


 と、辺りを見渡すと、バイクの人がこっちを見ていた。


「いたー!!!やっほー!!!」


 みくるが全力で手を振って走ってくる。その後ろでやぁやぁって感じでのんびり歩きながらゆったり手を振るマリーとぼたん。

 なんでこんなに性格が違うのに仲良くなれてるんだろ。まあ私もだけど。

 と、バイクの上から手を振り返す。


「大丈夫だった!?事故に遭わなかった!?」

「真っ直ぐなバイパスでどう事故ったらいいんだ…」

「んー…爆発?」

「そのバイクは販売禁止だよ!?」


 なんてことを話していたら、のんびり組が来…ない!あれ!?なんで!?と思ったらお隣の車に挨拶してた。


 ぼたんのお姉さん!?

 焦ってバイクから降りた。サイドスタンド立て忘れたかと思って焦ったけど、着いた時に立ててたみたい…良かったぁ…。


 よろしくお願いしまーす!挨拶をして車に乗り込む。ひのきは後ろを走る。


「姉ちゃん、後ろのバイクに追われてくれ。」

「はいよお客さん、訳ありかい?」

「狩猟に…向かうんだ…」


 愉快な姉妹だなぁ。



 山道を走っていたらマリーちゃんが車酔い吐きそうになっちゃった。空気入れ替えよう!と急いで窓開けてたら大きめの虫が入ってきた。


「ぴぎゃあああああ!!!」


 ぼたんのお姉ちゃんは虫が苦手らしい。一旦休憩してマリーちゃんを休ませるのと一緒に、生き残りで虫を追い出した。

 山に住んでるのに情けないなぁとぼたんが煽り散らかしていたけど…そんな言わないであげて!?


「うぅ…ごめんねぇ…山道に弱くってぇ…」

「ごめんなさいぃ…虫苦手でぇ…」


 弱ってるこの2人…似てるな…と思いながら、マリーの背中をよしよしと撫でる。

 お水…というのでマリーちゃんのリュックに入ってるお水を手渡す。


「そうだ!車に酔っちゃった時は、遠くを見るといいらしいよ!」


 と、深呼吸させながら遠くを見るように促す。目の前には、見渡す限りの広い茶畑が広がっていた。

 段々畑で、まさに静岡って風景。景色だけでお茶の香りを感じるような。今いる場所からは見えない富士山の幻が見えるような気もしてくる。

 流石は静岡でも有名なお茶産地、牧之原の景色だなー。


「なんか大丈夫になったかもぉ」


 むくっと起き上がり、すみませんでした、もう行けます!とお姉さんに伝える。

 

「ここに…虫が…ピギャッ…!」


 虫の息のお姉さんから虫をポイッと取り去り、道を急ぐ。



 と思ったら5分で着いた。


「あともうちょっと耐えたら大丈夫だったのかぁ…悔しぃ…。」

「まあまあ、お姉ちゃんもだめでしたし…!」

「あそこで綺麗な景色見られたからむしろお得ー!」


 道中違う楽しみを見つけられたことを喜ぼう!とみくるが盛り上げる。


「なんだうるせぇシカが来たのかと思ったい!」


 と、奥から強面のおじいちゃんが現れた。


「危なかったなぁ、わしが銃持っとったらそのいかちぃバイクにぶっぱなしちまうとこだったわい」

  

 がっはっは!と豪快に笑うおじいちゃんに、ひのきがひぃ…!と震えていた。バイクを守ればいいのか自分を守ればいいのか…。バイクの後ろから顔を出したりしまったりしてる。


「じいちゃん?間違ってうちのバイク撃ったら次撃たれんのじいちゃんだから覚悟しとくだよ…?」

「自分で頭撃った方が楽に死ねそうじゃなー!」


 なんか不穏なこと話してるなぁ!?呆気にとられていた。


「やぁやぁ!ぼたん!もみじ!久しぶりぃ!」

「お久しぶりです!先輩!」

「久しぶりだね、かおり」


 と、ひとしきり挨拶を終えると、ぼたんが向き直って話す。

  

「皆に紹介します!今日狩猟を教えてくれる、森野かおり先輩です!こんなに若いのにもう猟友会に入ってるんですよ!」

「と、これはうちのじいちゃん!さっきは怖がらせちゃってごめんな!」

「薮一ってぇんだ。よろしくな!」


 雑に扱われておじいちゃん怒らないのかなぁと思ってたけど…怒ってない!実は優しい人なのかな…?

 でも狩猟の先生って言うから、おっかない人が出てくるんじゃないかと思ったけど、ハキハキ話す優しそうなお姉さんで良かった!

 

 反対に、また私達も紹介されて、それぞれよろしくお願いしますと挨拶する。

 かおりでいーから!タメ口で気軽に話しかけてな!むしろかおりと呼べ!若く見られたい!と、ニコニコで話してくれる。姉御だ…!


「さ!さっそく山に入ろっか!」

「えぇ!?準備とか説明とかってぇ…?」

「いやいや!習うより慣れろって言うじゃん?山は入ってナンボよー!」


 怖い人かって聞いた時、ぼたんが口をつぐんだのはこれか…。なんか、勢いがすごすぎてちょっと怖い…。

 

「あーそだ、山に入る時は、軍手を付けておこう!それ以外の荷物はー…うーん今回はうちが持ってくわ!」


 と、背負子と呼ばれる木で作られたリュックを持ち上げる。なにやら色々入っていて重たそうだ…。


「よーし!元気に行くぞー!」

 

……おー!

 

 4人の初の狩猟体験が始まった。

  

 ……ところで、どこから登るんですか…?


「えっ?ここだけど…?」


 ……えっと…どこが道なんですか…?


「えっ?ここだけど…?」


 指で示している先は、明らかに超急傾斜。絶対に立っていられない。そんな坂道…というかほぼ崖。


 ……帰って来られるといいなぁ。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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山に入る人、段々歩ける地面と歩けない地面の感覚がバグっていく…。

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