↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編前期!
PR
25/132

第24話 パリパリチキン!

 お昼ご飯の時間直前。今は11時くらい。そんな時間にこんな言葉を聞いたらテンションが上がってしまうのも仕方ない。

 

 鶏モモ肉の香草焼き!香草焼き!!その言葉にぼたんがおいしそー!と反応する。最初だし簡単なものからねと先生が話す。


 準備するもの—鶏モモ肉、塩、ローズマリー、ガーリックチップ、オリーブオイル。あとフライパン。


 ①まず、オリーブオイルとガーリックチップとローズマリーをフライパンに投入し、弱火で温める。

 焦って強火にしちゃだめです!香りが飛んだり、焦げ臭くなっちゃいます!

 

 ② ①と同時に、鶏モモ肉に塩とみじん切りにしたローズマリー1本分を揉みこみます。塩の量はお好みで!

 

 ③ガーリックチップが少し色付いたらお箸などでつまみ出し、お皿に置いておきます。

 きつね色ってやつだね!

 

 ④香りのついたオリーブオイルに、鶏モモ肉の皮の部分から投入。フライ返しとかで上から重さを加え続ける。

 筋トレだよぉ…

 

 ④5分〜7分くらい経ってパチパチバチバチという油の音が、ジュゥゥ…という低い音に変わって、皮の色がきつね色、皮をトングで触って硬い感触になったら裏返す。

 ここでもきつねさん!

 

 ⑤裏返したらさらに3〜5分くらい焼いていく。この時にさっき取り出しておいたガーリックチップ、ローズマリーを投入!

 

 ⑥完全に火が通ったら最後に仕上げで皮目をもう一度焼いて完成!


 突如、2人の脳内に浮かび上がるトラウマ。

 

「もしかして…ローズマリーの葉っぱ…食べるの…!?」

「カモミール…スポンジ…香水…おぇ…」


 え!?なんでなんで!?と慌てる3人に、去年、カモミールティーの出涸らしを食べて大変な目にあった事を話す。

 カモミールの花粉がスポンジみたいになり、噛めば噛むほど香水のような強い香りが花に通って、謎にイガイガして。本当に嫌な記憶だ…。

 

「ふふ、それは大変だったわね!でも、これなら大丈夫よ!」 


 神の一言。に、信心深い2人は疑いの目を向けていた。



  

 しかし、完成したチキンステーキはフォークで表面を撫でるとカリカリといった音を奏でている。

 金属のようなカリカリという甲高い音を聞いて、とりあえず早く食べることにした。過去のトラウマより今の食欲だ。

 

 部屋に充満していたニンニクとローズマリーの香り。その2つには慣れてしまったのか、もうあまり感じなくなっていた。しかし、お肉を切ってみると、ザクザクッとクリスピーな音と同時に、切れ目から立ち上る湯気にしっかりとローズマリーの香りを感じた。


「これは…お肉って感じないくらい上品な香りがするねぇ」

「そうですね…!上品なお家から漂う香りって感じです…!」

「それはよく分かんないな」


 切れ目を見て、ちゃんと火が入ってる!と先生が確認してくれた。3個のチキンステーキを6個に切り分ける。


 お皿に取り分けると、白いお皿にトロトロとうっすら黄金色の脂が流れ落ちる。もう我慢できません!と、ぼたんが勝手にいただきますをしてかぶりついた。


「熱い!!!でも!なんか美味しいです!!」


 肉は熱いうちに食え、との教え通り、先生を含めて他の4人も一口食べる。


「おいしー!!え!すごーい!」

「高級店の味って感じだねぇ…!」

「そうね!臭みもなくてとっても食べやすいわね!塩加減も絶妙よ!」

「もしかしてこれ、ブランド物とか高いお肉なんじゃ…!?」


 あまりの美味しさにひのきが無粋なことを聞いてしまう。しかし、先生がレシートを取り出して嬉しそうに話す。


「いいえ!今日お肉が特売だったの♪」


 お得な買い物しちゃった♪とご機嫌だ。それなのにこんなに美味しいの…?と、みんな食べ進める。


 

 パリッパリの皮の中には、まだまだ沢山の脂が閉じ込められていた。それは噛めば噛むほどジューシーに溢れ出し、口の中にニンニクとローズマリーの香りを届けてくれる。

 臭みのない、モモ肉の濃いうま味と、それをさらに上品に、ワンランクどころかツーランク、スリーランク上げてくれるローズマリーの香り。

 高級店の味がそこにはあった。

 

「ほわぁ…幸せです…!」

「もうおかずずっとこれでいい…」


 幸せそうなぼたんとひのきに対して、さっき思い出したトラウマで楽しみきれない者が2人。


「ねぇみくるぅ…これぇ…葉っぱついてるぅ…」

「ヤダヤダ怖い怖い!あっちいけ!」


 ピーマンを避ける子供みたいにペッペッと横に取り分けるマリーとみくる。


「大丈夫よ、食べてみて?」

「そーだぞ!おいしいよー?」

「むしろ食べないとローズマリーに失礼です!」


 3人に気圧された2人は意を決し、避けたローズマリーを肉に乗せてかぶりつく。


「あれ!?美味しい…!?」

「そうでしょ〜!今日のお料理だと、香りの成分のほとんどが油に移っちゃうし、パリパリになって食感も気にならなくなっちゃうの!」

「なるほどぉ…料理って奥が深いんですねぇ…」


 その言葉に微笑む上山先生。


「ところで…お肉って誰が買ったんですか?」

「私の自費よ〜!ローズマリーを買ったって聞いたから試してみたくなっちゃって!」

「えぇ!?先生もサークル費使っていいんだよ!?」

「いやいやいやいや、それはもっと色んなハーブを集めることとか、美味しいハーブを育てることに使ってくれたら嬉しいわ!」


 上山先生…。改名して神山先生にしたほうがいいです…。

 ということで拝んでおいた。



「そういえば、あんなにカモミールが好きなみくるがトラウマになるってどんだけ不味かったんだ?」

「試すー?いいよー?」


 どこからかカモミールを取り出して、次の瞬間にはカモミールティーが出来上がっていた。いやどんなマジックですか!?


 マジックカモミールティーを楽しみ、ホッと一息。

 そのままぼたん、ひのき、上山先生が出涸らしをパクリ。


 おえぇぇ!!!!


 共通認識になった。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

いいねやフォロー、コメントで応援お願いします!


鶏もも肉って最高に美味しい!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。