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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学1年生編前期!
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第22話 植えよう!

「ひっひっひ…さぁ可愛い種たちをご覧あれ!!!」

 

 色んなハーブを買ってきた。とにかく色々。合計3100円。3人の前にバッと広げて、見せる。


「種に…苗も買ってきたのか!?」

「えへへ、いい香りだなって思ったら欲しくなっちゃって〜!」

「もっと美味しいものができそうですね!!」


 わいわい盛り上がる。さて、大畑先生に早速相談しにいこう!



「…それでこんなに沢山…?」


 経緯を説明すると、流石の先生も引いていた。1週間で3000円…!?他に買わなきゃいけないものも…とぶつぶついっていたけど…。


「いいでしょー!」

「そ、そうですね…!色々なものを育てるのは楽しいですもんね!」


 先生が圧に屈した。


「そうだなぁ…育苗のセルトレイとかが必要だけど…野菜の方でもうボロボロになっちゃったやつをあげよう!」

「え!?くれるんですか!?」

「入学祝いってことで!どうぞ!」


 早速資材庫に向かった。



「えーと確か…」

 

 と、先生がセルトレイというものを探している。


「なんか…歴史を感じるな…」

「うーんとぉ…言葉を選ばずに言うとぉ…」

「とっても汚い…ですね…」

「ヘッ…クシュン!」 


 あまりの汚さに4人がドン引きする。埃をかぶった…というか、全ての物の表面に謎のベタベタで砂埃がいっぱい付いていた。


「あ!あったあった!これこれ!」


 と、先生が出してくれたのは指1本…2本分くらいしか入らないような穴がいっぱい空いたプラスチックのトレイ。


「キャベツで使う128穴(ケツ)セルトレイってやつです。減価償却が終わってるので今度の予算で降りるはず…なので!ちょっとプレゼントです!ボロボロでごめんね」

 

 と、3枚プレゼントしてくれた。遠慮なく頂くことにした…けど、あんなに埃を被ってたのは嫌だ…!と、みんなでしっかり洗い流した。 




「じゃあ、セルトレイの使い方の説明です。」

「はーい!」


 セルトレイの使い方授業が始まった。

 

「培養土、というものがあります。今回はその中でも、育苗培養土というものを使っていきましょう!」

「あ!培養土!万能培養土なら使ったことあるー!」


 え!?知ってるのか!?なんで知ってるんですか!?との声に、自慢げなみくると、私が育てました!と言わんばかりの表情を返すマリー。

 おぉ…!貴方が生産者でしたか…!と拝み始める2人。先生が話を聞いてくれなくてしょんぼりしてる。


「マリーちゃんはすごいんだよー!」

「ほんとですね!マリーさんはすごいです!」

「マリーすごい!」


 自慢げな生産者を自慢げに称える。そろそろ喋っていいですか?と先生が勇気を振り絞って聞くと、はーい!とお返事だけは元気だ。


「…では続きを。この育苗培養土を、セルトレイの穴一つ一つに入れていきます。」

「えぇ!?それは大変では…!?」

「そう、大変。なので、小型の桶を用意して、桶の中で土に埋めます。」


 というと、トレイを桶に置くと、ドサッと土を被せて埋めてしまった。


「そして、上からちょっとぐっぐっと抑えた後に、平らな…お、ちょうど良いところに定規が。これを使ってスーっと土を落とすと…」

「おぉ!平らになった!」

「ここに水をかけると、土がちょっと締まります。」


 先週いっぱい使ったホースで水をかけると、土の表面が若干沈んだ。


「これでひとまず終了です!」

「あれ?土増やさないんですかぁ?」

「マリーちゃんが言ってたのだと、土を何回か入れてたよね?」


 んー…と少し考えると、先生がそれに答え始めた。


「それはもしかして、大きめの植木鉢だったんじゃないですか?」

「え!?当たりです!」

「それだと、減る土の量が多くてちょっと足すだけじゃ足りないんです。だから多分そう教わってたんだと思いますよ。」


 そっかぁ確かにぃ…と納得。


「でも今回は…加茂さん、さっき見せてくれた種を1袋お借りしてもいいですか?」


 と言われると、うーん…これ!とスイートマジョラムを選んで差し出した。


「スイートマジョラムですね。これは好光性と言って、水を吸った状態である程度の光に当たると発芽するって特徴があります。」

「え!?土に埋めなくていいんですか!?」

「大丈夫です、むしろ、埋めてしまうと芽が出なかったり、芽が出ても光が当たらずに力尽きてしまうんです。」


 朝起きていきなり長距離走をやれって言われてるようなもので、大体嫌になっちゃうんですよ。と先生。


「でも逆に、さっきの先生の言い方だと光に当たらない方がいい種もあるんですか?」

「お!秋鹿さん正解です!嫌光性(けんこうせい)と言って、最初は光に当たりたくない種もます。」


 例えばこれとか!と言って、スイートフェンネルの種を取り出す。


「えーなんで?すぐに光合成できた方がいいんじゃないですか?」

「確かに、植物にとって光合成は大事です。でも、それと同時に水も大切なんです。」


 水…?根っこを出せば吸収できるんじゃないのかな?


「例えば、雨が降って、発芽しました!でもその後、しばらく雨が降らなかったらどうですか?」

「…枯れますね」


「でも、土の奥深くには雨で染み込んだ水が残っていることがあります。だからこそ深いところで発芽して、その水を独占する!それが嫌光性種子の生存戦略なんです!」


 きみたち賢いんだね…!と袋をなでなで。ひのきは押しつぶされないかひやひやしてるんじゃないか?と種を案じた。

 

「でも、けんこうせいの子達も寝起きなんですよね?どうしてこの子達は大丈夫なんですかー?」

「それはですね、実は親からいっぱいエネルギーを貰ってるからなんです。」


 嫌光性の種子は、大きなものがほとんど。だからこそいっぱいエネルギーを詰め込んで、寝起きのマラソンが新幹線に乗ってるようなもの。らしい。


 種についていっぱい勉強できた。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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大きい種は大体嫌光性種子だし小さい種は大体好光性種子。

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