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薪と、ハーブと、ジビエご飯!  作者: 不月風音
大学2年生編!前期!
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第99話 水挿しハーブ


 捕獲大作戦を終え、春植えのハーブを買い、月曜日。みくるは早く木のハーブを植えたくてうずうずしていた。


 早く講義終わらないかなー!



 みくるは授業をなんとかやり過ごし、待ちに待ったサークルの時間。


「ようやくサークルだー!!!マヌカー!ダフネー!植えるよー!!」

「ローリエねぇ」


 なんでダフネ?と疑問に思った様子の2人にマリーが粗方説明をすると、あっという間にアポロン根絶隊が結成された。


 いや、多分もうそいつ死んでるよぉ。


 それは置いといて、今日の授業で勉強したこと、みくるがすごく興味持ちそうだったのにな、と思って聞いてみる。


「今日の講義、ハーブ栽培に活かせそうだったけど…あんまり興味なかったのぉ?」

「そうなの?!聞いてなかった!!」

「清々しすぎでは!?」

 

 ジトーッと視線を向けるマリー。


「うっ…ごめんなさい内容を教えてください…」

「まあ仕方ないねぇ、そもそもぼたんとひのきは知りようがないから説明しようと思ってたしぃ…生徒が1人増えるだけだよぉ」

「ごめんなさーい…」

 

 優しく、教えてあげるよ!って伝えたつもりだったのに、圧があったのか謝られちゃったぁ。てへっ。


「今日の講義ではねぇ、野菜を育てる時に根っこを生やす場所…についての授業だったんだよぉ」

「根っこを生やす場所?土じゃないのー?」

「普通は土なんだけどねぇ、培地って呼ばれるものを使ったり、根っこを水に浮かべちゃうってこともするみたいだねぇ」

「え!?水に浮かべちゃっていいんですか!?確か根が呼吸出来ないと根腐れしちゃうんじゃ…」

「お、そうそう正解だよぉ」

「ぼたんちゃんすごーい!」


 みくるにはわかって欲しいなぁ…。


「じゃあなんで根腐れしないんだ?人間も呼吸しないとはいえ、水にずっと使ってたらふやけてきそうだけど…」

「鋭いねぇ。なんか基本的には、酸素があれば根腐れしないみたいだよぉ」

「サボテンでも?」

「基本的にはだから、多分上限とか得意不得意はあるんじゃないかなぁ」


 授業では言ってなかったけど…みくるにはちゃんと聞いてて欲しいなぁ…!?


「私たちのハーブ作りみたいな、普通の土で育てる土耕栽培。ヤシ殻とかの培地に水を通す養液栽培。ほとんど水だけの水耕栽培ってやつがあるみたいだねぇ」

「へ〜!マリーちゃん物知りだねー!」

「さっき講義で言ってたよぉ…」

「ハーブに意識を取られちゃって…!」


 かなり苦しい言い訳。

 

 しっかりしてよサークル長〜…。

 

「でもなんでそれがハーブを育てるのに関係するんだ?」

「確かに、水でも育てられるよってだけなら、今のやり方から変える意味もあまりありませんし…」

「あ、そうそう、さっきの講義の中で出てきた、挿し水ってやつが使えるんじゃないかなぁと思ってねぇ」


 挿し水??と3人が覗き込む。


 1人はおかしいだろ。さっき聞いとけ…。


「まあ簡単に言うと、野菜の茎の切り口を水に浸けておくと、そこから根っこが生えて第2の株になるよ〜ってやつだねぇ」

「なにそれ!?無限に増やせるの!?」

「これも得意不得意はあるみたいなんだけどねぇ、増やせるものなら結構増やせるみたいだよぉ」


 無限に増やせる。その言葉に、みくるよりもぼたんが反応した。

 

「無限に増やせる…!?ってことは…食べ放題じゃないですか!?」

「カモミールの花食べるのはやめなねぇ」

「あれは…二度とやりません。」


 あのぼたんがここまで言うとは…カモミールには恐れ入った。

 いやまあ私も…みくるですら2度目はごめんだが。


「向いてるハーブ…って、どんなのなんだ?」

「んー、さっき調べて見た感じだと、シソ科のハーブが特にやりやすい感じだったよぉ」

「じゃあこの辺だね!」


 そう言ってみくるが持ってきたのは、ミント、ローズマリー、レモンバーム、バジル、セージ、タイム。


「…えーとちょっと待ってねぇ?………まじで全部シソ科じゃん…すごぉ…」


 えっへん!と自慢気なみくる。講義は聞いてないけどハーブの勉強は欠かしていないらしい。講義聞けよ。


「この子達を切って…水に浸けておけばいいの?」

「だと思うよぉ」

「ヒドイヨミクルッ!ボクタチヲキルダナンテッ!!」


 ひのきが高い声を出してハーブになりきる。

 

「ごめん…っ!でも、君たちを増やしてあげたくって…!!」

「デモキット…コドモタチフエタラ…ミクルワタシタチノオセワ…ワスレル…」

「そんなことない…!みんなしっかり大事にするよ…っ!!」

「はよ切れぇ」


 はーい!!!と元気なお返事。悪ふざけはするけどちゃんとすぐに戻ってこれる。いい子達だ。年下なら。 


「なんかねぇ、斜めに切ると根っこが生えてきやすいらしいよぉ」

「そうなんですか!?真っ直ぐ横に切っちゃいました…」

「大丈夫大丈夫、ちょっと短くなるけど、先端を斜めに切るだけで大丈夫だよぉ。むしろ、1回切ってから水の中で2回目切った方が、気泡が茎の中に入らなくて良いって、お花屋さんに聞いたよぉ」

「なら良かったです…!」


 みんなでチョキチョキ。ネットに直射日光が当たらない場所で保管って書いてあったから、それぞれのお部屋でしばらく根っこを観察することにした。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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